伊藤 謙|あいホーム

あいホーム社長|仙台在住|工務店経営と本を書いてます|趣味はトライアスロン・サウナ・漫…

伊藤 謙|あいホーム

あいホーム社長|仙台在住|工務店経営と本を書いてます|趣味はトライアスロン・サウナ・漫画。好きな作家は、村上龍・真山仁。

最近の記事

ストレングスファインダーから見えた僕の「親密性」と3代目社長としてのあり方

経営者の中には「こういうリーダーになりたい」という理想像を持ち、理想と現実の乖離に悩む人もいるだろう。そんな時は一度理想から離れ、自分自身の強みに向き合ってみるのがおすすめだ。 僕がリーダーとしてのあり方を見直すきっかけとなった「ストレングスファインダー」を紹介したい。 父を真似てうまくいかなかった代表就任当初ストレングスファインダーとは、個々の強みを可視化するための診断ツールだ。 34に分類される資質の中で、僕の強みトップ2は「最上志向」と「親密性」だ。だが、今振り返

    • モノは良いのに売れない!地域No.1工務店が実践する「イメージ」中心の商品ブランディング

      良い商品なのに、なぜか売れない。この壁に直面する経営者は少なくないだろう。 僕が経営する東北の工務店、株式会社あいホームでも、同様の課題に向き合ってきた。 ウッドショックの影響で住宅の値上げを余儀なくされ、金額に対するお客様の納得感を得るため、家の断熱性能と気密性能を向上させ商品の付加価値を上げた。しかし、思うように新規のお客様は増えなかった。 「ハード(家)」の性能は、お客様が家を購入する際の及第点にはなり得るが、動機にはなりづらい。そこで、僕たちは「ハード(家)から

      • 東北の新たな食文化を醸す。地元屈指の生産者と料理人が集う「KAMOSUBA Co-RESTAURANT 開幕祭」レポート

        東北の豊かな自然は、この地で生まれ育った僕の誇りだ。幼い頃から口にしてきた、米、野菜、山や海の恵み。僕にとってはどれも当たり前のものだったが、大人になり、地域の外で「東北〇〇県産」を目にして初めてその価値に気が付いた。 そう、東北の食材は「おいしい」のだ。 しかし、一つひとつの「おいしい」が点在していては、より多くの人に価値を広めるのは難しいだろう。 そんな地域課題を感じている時、先輩経営者の氏家さんが「東北の食文化の発展・醸成を応援したい」と言い出した。「KAMOSU

        • 地方中小企業の経営者に伝えたい、自社の表現に適した「社外デザイナー」の見つけ方

          「良いものを作っているのに、なかなか伝わらない」「良い取り組みが世の中に広まっていない」。地方中小企業の経営者の中には、もどかしい思いを抱えている人もいるだろう。 僕もまさに同じ思いで、自ら代表を務める宮城県の工務店、株式会社あいホームでは約2年前から企業ブランディングに力を入れている。 その活動を大きく前進させた要因を語るうえで、社外デザイナーについて触れないわけにはいかない。 自社の魅力を広めるために、僕たちにデザインの力が必要なことは明らかだった。しかし、新しく社

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          仙台秋保石とは?ふるさとの魅力を再開発しよう

          宮城県には、地元で生まれ育った僕も知らない魅力がたくさんある。秋保石については、存在こそ知ってはいたものの、その魅力にきちんと触れる機会はなかった。 僕が秋保石に夢中になったきっかけは、カフェ「ALTERNA(オルタナ)」との出会いだった。 秋保石の温かさに触れ、一瞬で虜に宮城県の工務店、株式会社あいホームを経営する僕は、以前から建築端材の活用に取り組んでいる。 その一環で、会社の倉庫に薪ストーブを設置し、端材を燃料として活用している。 この端材の活用法を広めるために

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          工務店代表の僕が<売れない営業時代>に出会った一冊の本と<経営者としての今>【書籍発売のご報告】

          2024年3月15日、本を出した。 僕は、2020年に父から株式会社あいホームの代表を継いで4年弱、コロナ禍やウッドショックなどの逆境を乗り越え、仲間と共に企業成長を続けてきた。この本には、僕たちあいホームのメンバー70人が一枚岩となり、逆境でも戦えるチームへと成長するまでの試行錯誤の軌跡が主に紹介されている。 なぜ紙の本? noteではダメなのか? そう感じた人もいるかもしれない。 紙の本を著した背景には、代表就任前、僕の売れない営業時代を変えた一冊の本がある。

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          かたちだけで終わらせない。創業64年の工務店が実践する企業ブランディング

          2020年の冬、木材の価格が高騰する「ウッドショック」が建設業界を襲った。僕が代表を務める宮城県の工務店、株式会社あいホームは、64年の歴史の中で初めて値上げに踏み切ることとなった。 しかし、商品の中身は変わらないのに、値段だけを上げることはできない。値段以上の付加価値が必要だ。 そこで、あいホームでは「付加価値の言語化」を軸に企業ブランディングを行った。かっこいいコピーやクリエイティブをつくって終わりではない、社内のあらゆる意思決定に直結する企業ブランディングのかたちを

          かたちだけで終わらせない。創業64年の工務店が実践する企業ブランディング

          建築端材で地元に新たな価値を。東北の工務店が「捨てない」SDGsを実現するまで

          家を建てると、端材が出る。通常、端材は「いらないもの」として処分される。それが、建設業界でのスタンダードだ。 しかしある時、僕の中に「捨てたくない」という思いが芽生えた。工務店を営む一家に生まれ、幼い頃から飽きるほど端材を見てきた僕に、その価値を気付かせてくれる出来事があったのだ。 ただし、端材を「捨てない」ことは口で言うほど簡単ではない。やり方を間違えれば、社員に負担を強いるだけになってしまう。 今回は、僕の「捨てたくない」という思いを実現するまでの経緯を紹介したい。

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          東北を出た僕が再び地元へ戻り、家業の工務店を継いだ理由

          2020年5月、コロナ禍真っ只中に僕は家業の工務店を継ぎ、株式会社あいホームの代表取締役社長に就任した。学生時代を首都圏で過ごし、他県の住宅会社で営業経験を積んだのち、地元宮城へUターン。 事業を営む一家の長男として絵に描いたような人生だが、実は、大学3年生まで地元で家業を継ごうという強い意思はなかった。 都会で満ち足りた生活を送っていた僕が、なぜ地元へ戻り、あいホームの社長となったのか。その背景には、自分でも気付いていなかった地元への思いがあった。 木の香りに包まれて

          東北を出た僕が再び地元へ戻り、家業の工務店を継いだ理由