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ストレングスファインダーから見えた僕の「親密性」と3代目社長としてのあり方

経営者の中には「こういうリーダーになりたい」という理想像を持ち、理想と現実の乖離に悩む人もいるだろう。そんな時は一度理想から離れ、自分自身の強みに向き合ってみるのがおすすめだ。

僕がリーダーとしてのあり方を見直すきっかけとなった「ストレングスファインダー」を紹介したい。


父を真似てうまくいかなかった代表就任当初

写真左:株式会社あいホームの前代表であり、僕の父である伊藤耕。

ストレングスファインダーとは、個々の強みを可視化するための診断ツールだ。

34に分類される資質の中で、僕の強みトップ2は「最上志向」と「親密性」だ。だが、今振り返ると、あいホームの代表となった当初は「親密性」を組織づくりに生かしきれていなかったように思う。

2020年5月、僕は祖母の代から続く工務店、株式会社あいホームを前代表である父より引き継いだ。

父は、カリスマ的な経営スタイルの代表だった。みんなの前でビジョンを力強く語り、組織を引っ張っていた。

聴く人を引き込む、父の講演。

代表就任当初、僕もそのやり方を真似た。

しかし、想像したほど組織はうまく回らなかった。方針を掲げれば各々がその達成に向けて動いてくれると思い込んでいたが、そう簡単にはいかなかった。

「社長が何を考えているかわからない」。ある社員から言われた言葉だ。

そこで、社内の心理的安全性が確保されていないことに気が付いた。コロナ禍でテレワーク化を急速に推し進めた背景もあり、互いを十分に知る機会がなかったのだ。

「親密性」を生かしたリーダーシップへシフト

相互理解に課題を感じていた時に出会ったのが、ストレングスファインダーだ。

「親密性」という診断結果を見て、すんなり納得する自分がいた。親密性とは、特定の相手と深い関係を築く性質だと僕は捉えている。

思えば、むかしから僕は大勢で仲良く、というのが得意ではなく、むしろ少人数で腹を割った関係を築くことを好んでいた。今でも、みんなと仲良くする必要はないと考えている。

ただ、経営者として社員と相互理解を深め、心理的安全性を確保する必要性は強く感じていた。

そこで、一対大勢のコミュニケーションに加え、マンツーマンで話す機会を増やした。10人で話すより、2〜3人で話す方が僕の強みを生かせると考えたからだ。直接話せなくても、各人の業務日報にコメントを返すことで接点を持った。

社員の業務日報。赤字が僕のコメント。

僕が注目している東北の面白いモノ・コトを中心にツアーを企画し、経営メンバーと少人数で旅をしたことは僕らの関係性を変えた。誰より僕自身が、もっと本音を打ち明けても良いのかもしれないという気持ちになった。

旅先での思い出が僕たちをつなぐ。

こうした関係性の変化は、カリスマ的なリーダーシップにこだわったままでは生まれなかったと思う。今振り返ると、みんなの前で話す時になかなか本音や自分らしさを出せなかったのは、親密性を資質に持つ僕らしいともいえるだろう。

また、ストレングスファインダーは僕自身の強みを明らかにしただけではなく、社員を知ることにも役立った。意見の食い違いがあったとしても、相手の傾向を知ることで以前より受け入れやすくなったのだ。

社員一人ひとりと向き合い、共に歩んでいく。これが、今の僕にとっても、会社にとっても最善のかたちだと信じている。

自らのリーダーとしてのあり方に悩む経営者は、ストレングスファインダーで自分に合ったスタイルを見つけるのも一つの方法だ。それが思い描いていたリーダー像と違ったとしても、試してみたら意外としっくりくるかもしれない。


僕たちが組織として一つになっていく過程において、相互理解による心理的安全性の確保に加え、ブランドスローガンの策定は大きな役割を果たしている。ブランドスローガンが誕生するまでの経緯をこちらの記事で紹介しているので、ぜひ覗いてみてほしい。

編集/三代知香


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