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短歌

手を翳しても反射から射す西日にせものの道理が君を見る/追う

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1時間前

短歌を「読む」 〜アニメから考えよう 1〜

 第二回笹井宏之賞で個人賞を受賞している橋爪志保の歌集『地上絵』から引用した。この短歌は、ある種の例え話のように思える。『地上絵』を読んでから数年経って、似たよ…

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2日前
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水没した墓標

泳ぐ背のまわりの丸い波紋たち そうだ おまえが王で相違ない 水泳部停止になった 音質プールの暗がりのペースクロック カタセから聞いた「暴力」という語の本来そうあ…

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5日前
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短歌(2020.投稿系)

雨跡がまとまり島を象る開闢に立ち会ってます、今 (東京新聞2019.11.10朝刊 東京歌壇東直子欄入選) 水がない……と何の気なく呟いた世界は一度ですべてを噴き出す (…

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6日前
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俳句

 毎日俳壇の片山由美子氏の欄で入選でした わーい

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11日前

短歌

付箋だらけの分厚いメモをいちいち開く誰も傷つけないように

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2週間前

短歌

垂涎し次の犠牲を見繕う現実主義は強者のナルシシズム

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1か月前

短歌

フロストノヴァの歌声だなあと思わなかったとき私も0度死んだのだ

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1か月前

短歌

日常が自然治癒して私から他者の苦難が染み出していく

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1か月前
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短歌(2022.投稿系)

空へ手をのばすくせがある、空にある吊り手を思う名残のような (短歌研究2022年1月号 短歌研究詠草高野公彦選一首掲載) ふりむけばたいていはもうもどれない 遠雷を…

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1か月前
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短歌

ガラス越し剥がれたポスター日常の一つのニュースの一つの殺戮

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2か月前
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短歌

戦争を仕掛けた国にも巡り来るクリスマスをNスペで観ていた

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2か月前
3

短歌

思想は、分類であり必ずある。へたれたマリオネットにはならない。

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2か月前
2

短歌

無知に形成した過去の自分が分からねえよと後ろから席を蹴る

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2か月前

短歌(2021.投稿系)

紛れもなくひとからうまれたぼくなのだ浴槽でるとひどくさむくて (毎日新聞2021.1.11朝刊 毎日歌壇加藤治郎欄入選) 「寒すぎて鼓膜がこおりついたかもしれん」「氷の…

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3か月前
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俳句(投稿系)

たましひを剝ぐセーターの静電気 (東京新聞2021.1.24朝刊 東京俳壇石田郷子欄入選) 残る暑さ本棚の間行き来する (毎日新聞2021.9.26朝刊 毎日俳壇小川軽舟欄入選)…

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3か月前
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短歌

短歌

手を翳しても反射から射す西日にせものの道理が君を見る/追う

短歌を「読む」 〜アニメから考えよう 1〜

短歌を「読む」 〜アニメから考えよう 1〜

 第二回笹井宏之賞で個人賞を受賞している橋爪志保の歌集『地上絵』から引用した。この短歌は、ある種の例え話のように思える。『地上絵』を読んでから数年経って、似たようなフレーズの歌詞を聞いたなと思っていた。米津玄師の「Kick Back」である。

 「Kick Back」には次のような歌詞がある。

 「止まない雨はない」は、よく聞く格言だ。橋爪の歌も、これを引き合いに出して詠まれたのだろう。雨に降

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水没した墓標

泳ぐ背のまわりの丸い波紋たち そうだ おまえが王で相違ない

水泳部停止になった 音質プールの暗がりのペースクロック

カタセから聞いた「暴力」という語の本来そうあるべき下がる「ぼう」

半袖は肌寒いはつなつの夕おまえはすでに別のいきもの

大丈夫だと肩を叩いたサエキの手それが他人を殴っていること

街灯の下だけ明るい穴あきの道をおまえは帰っていけるのか?

しかし俺たちは光の下でしか弱さの吐露が

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短歌(2020.投稿系)

雨跡がまとまり島を象る開闢に立ち会ってます、今

(東京新聞2019.11.10朝刊 東京歌壇東直子欄入選)

水がない……と何の気なく呟いた世界は一度ですべてを噴き出す

(毎日新聞2020.6.8朝刊 毎日歌壇加藤治郎欄入選)

どこにでもいける、からかな、ここにいる 遺構のごとき夜の鞦韆

(東京新聞2020.10.11朝刊 東京歌壇東直子欄入選)

なんとなく朝はパンだった気がするなんとな

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俳句

 毎日俳壇の片山由美子氏の欄で入選でした わーい

短歌

垂涎し次の犠牲を見繕う現実主義は強者のナルシシズム

短歌

フロストノヴァの歌声だなあと思わなかったとき私も0度死んだのだ

短歌

日常が自然治癒して私から他者の苦難が染み出していく

短歌(2022.投稿系)

空へ手をのばすくせがある、空にある吊り手を思う名残のような

(短歌研究2022年1月号 短歌研究詠草高野公彦選一首掲載)

ふりむけばたいていはもうもどれない 遠雷を聞く、銀河を思う

(日本経済新聞2022.1.8朝刊 日経歌壇三枝昂之欄入選)

瘡蓋、ときみが呟く。大きいね、って海へ向いたまま答えた

(毎日新聞2022.2.7朝刊 毎日歌壇加藤治郎欄入選)

朝だった。永遠に朝。くるしいな

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短歌

ガラス越し剥がれたポスター日常の一つのニュースの一つの殺戮

短歌

戦争を仕掛けた国にも巡り来るクリスマスをNスペで観ていた

短歌

思想は、分類であり必ずある。へたれたマリオネットにはならない。

短歌

無知に形成した過去の自分が分からねえよと後ろから席を蹴る

短歌(2021.投稿系)

短歌(2021.投稿系)

紛れもなくひとからうまれたぼくなのだ浴槽でるとひどくさむくて

(毎日新聞2021.1.11朝刊 毎日歌壇加藤治郎欄入選)

「寒すぎて鼓膜がこおりついたかもしれん」「氷の声が聴けますね」

(毎日新聞2021.1.23朝刊 毎日歌壇伊藤一彦欄入選)

あわくうちよせる頸のない潮騒にビニールのかべ光あそばせ

(毎日新聞2021.3.1朝刊 毎日歌壇加藤治郎欄入選)

ひかりまで三歩くらいの位置に

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俳句(投稿系)

たましひを剝ぐセーターの静電気

(東京新聞2021.1.24朝刊 東京俳壇石田郷子欄入選)

残る暑さ本棚の間行き来する

(毎日新聞2021.9.26朝刊 毎日俳壇小川軽舟欄入選)

天高し道を掃くひとひとりきり

(毎日新聞2021.11.8朝刊 毎日俳壇片山由美子欄入選)