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第一回は音楽を手掛かりにして、この歌を鑑賞したいと思う。 「色のないゆめ」というワードが印象的な歌だ。それを「素敵」と評して、作中の登場人物(以下「人物A」)が靴紐を解く。このパワーワードを読み解くために、下の句の描写について考えていきたい。 ここで、三つの楽曲の歌詞を引用したい。まずは一曲目。KOTOKOの「サクラノアメモエギノヨ」から。 この歌は、誰かとの離別を主題にしている。そういった歌の一節だ。 歌の中の主人公が、この後自分の前から去ってしまう「君」
思想は、分類であり必ずある。へたれたマリオネットにはならない。
無知に形成した過去の自分が分からねえよと後ろから席を蹴る
紛れもなくひとからうまれたぼくなのだ浴槽でるとひどくさむくて (毎日新聞2021.1.11朝刊 毎日歌壇加藤治郎欄入選) 「寒すぎて鼓膜がこおりついたかもしれん」「氷の声が聴けますね」 (毎日新聞2021.1.23朝刊 毎日歌壇伊藤一彦欄入選) あわくうちよせる頸のない潮騒にビニールのかべ光あそばせ (毎日新聞2021.3.1朝刊 毎日歌壇加藤治郎欄入選) ひかりまで三歩くらいの位置に立つ 洗濯機のふちにせんざいをおき (東京新聞2021.4.25朝刊 東京歌壇
たましひを剝ぐセーターの静電気 (東京新聞2021.1.24朝刊 東京俳壇石田郷子欄入選) 残る暑さ本棚の間行き来する (毎日新聞2021.9.26朝刊 毎日俳壇小川軽舟欄入選) 天高し道を掃くひとひとりきり (毎日新聞2021.11.8朝刊 毎日俳壇片山由美子欄入選)
ふしあわせは猫で、鬱は犬、人はそこでいかなる語で呼ばれよう
大戦が終わっていないのではなく大戦発明以後が永劫
蜂と蝶 18を超え23 見上げれば斃れたようなもの
社会がゲシュタルトのバケモノならだれも望まず戦争もしよう
あれは霧 あれは木の葉 私の知らない秋 私の知らない戦争
稲が全てたおれた田んぼのこんじきは果てなき再生である現在
ぼくたちは未来へ殉死できるでしょう積雪は足跡を葬って
じゃあそれは幸せかなど裁定も憚るヘルマン・ヘッセ「クヌルプ」
白紙を掲げ連行される蒼生よ言葉よ肉を失くしても生きて
読めたり読めなかったりしてもう夏だ『戦争はいかに終結したか』