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あ
第一回は音楽を手掛かりにして、この歌を鑑賞したいと思う。 「色のないゆめ」というワードが印象的な歌だ。それを「素敵」と評して、作中の登場人物(以下「人物A」)が靴紐を解く。このパワーワードを読み解くために、下の句の描写について考えていきたい。 ここで、三つの楽曲の歌詞を引用したい。まずは一曲目。KOTOKOの「サクラノアメモエギノヨ」から。 この歌は、誰かとの離別を主題にしている。そういった歌の一節だ。 歌の中の主人公が、この後自分の前から去ってしまう「君」
フロストノヴァの歌声だなあと思わなかったとき私も0度死んだのだ
日常が自然治癒して私から他者の苦難が染み出していく
空へ手をのばすくせがある、空にある吊り手を思う名残のような (短歌研究2022年1月号 短歌研究詠草高野公彦選一首掲載) ふりむけばたいていはもうもどれない 遠雷を聞く、銀河を思う (日本経済新聞2022.1.8朝刊 日経歌壇三枝昂之欄入選) 瘡蓋、ときみが呟く。大きいね、って海へ向いたまま答えた (毎日新聞2022.2.7朝刊 毎日歌壇加藤治郎欄入選) 朝だった。永遠に朝。くるしいな。どこにもひかりがなくて、みどり。 (毎日新聞2022.2.15朝刊 毎日歌壇
ガラス越し剥がれたポスター日常の一つのニュースの一つの殺戮
戦争を仕掛けた国にも巡り来るクリスマスをNスペで観ていた
思想は、分類であり必ずある。へたれたマリオネットにはならない。
無知に形成した過去の自分が分からねえよと後ろから席を蹴る
紛れもなくひとからうまれたぼくなのだ浴槽でるとひどくさむくて (毎日新聞2021.1.11朝刊 毎日歌壇加藤治郎欄入選) 「寒すぎて鼓膜がこおりついたかもしれん」「氷の声が聴けますね」 (毎日新聞2021.1.23朝刊 毎日歌壇伊藤一彦欄入選) あわくうちよせる頸のない潮騒にビニールのかべ光あそばせ (毎日新聞2021.3.1朝刊 毎日歌壇加藤治郎欄入選) ひかりまで三歩くらいの位置に立つ 洗濯機のふちにせんざいをおき (東京新聞2021.4.25朝刊 東京歌壇
たましひを剝ぐセーターの静電気 (東京新聞2021.1.24朝刊 東京俳壇石田郷子欄入選) 残る暑さ本棚の間行き来する (毎日新聞2021.9.26朝刊 毎日俳壇小川軽舟欄入選) 天高し道を掃くひとひとりきり (毎日新聞2021.11.8朝刊 毎日俳壇片山由美子欄入選)
ふしあわせは猫で、鬱は犬、人はそこでいかなる語で呼ばれよう
大戦が終わっていないのではなく大戦発明以後が永劫
蜂と蝶 18を超え23 見上げれば斃れたようなもの
社会がゲシュタルトのバケモノならだれも望まず戦争もしよう
あれは霧 あれは木の葉 私の知らない秋 私の知らない戦争
稲が全てたおれた田んぼのこんじきは果てなき再生である現在