マガジンのカバー画像

くずのびんづめ

16
旅行記。
運営しているクリエイター

#インド

『くないは飛ぶよ。インドまで。』 ~日本語のお話~

『くないは飛ぶよ。インドまで。』 ~日本語のお話~

「景色キレイくない?」「終わったくない?」

最近の若者言葉では「くない」が飛び交っている。勿論「寒くない」「赤くない」のように形容詞の連用形ではないので、明確な誤用である。
この手のいわゆる「若者言葉」が使われ始めた時に、「馬鹿者言葉だ」と不快に感じるか、「実に面白い」と興味を持つか反応の別れるところだ。後者の方がなんだか「本物感」「知的感」があるので(僕の中では荒俣宏を連想する)、本音では前者

もっとみる
『健康優良不良少年』

『健康優良不良少年』

インド、ヒンドゥー教の聖地バラナシ。ガンジス川の沐浴で有名なこの地がやけに気に入って、10日間ほど滞在していた時の話。

日の出、日没とともに河原で行われるプージャという礼拝を僕は毎日欠かさず見学していた。
ある朝、見学を終えちょっとした堤防の様なところに腰掛け、何をするでもなくぼうっとガンジスを眺めていると、突然背後からHey!!という声が。驚いて振り返ると5人組の少年たちに取り囲まれていた。年

もっとみる
28話『旅の恥を搔き集め』

28話『旅の恥を搔き集め』

バラナシで有名な和食屋「MEGU CAFÉ」は残念ながらコロナで閉店したようなので(26話参照)、別の和食屋「BUNNY CAFÉ」へ訪れてみることにした。日本だったら間違いなくガールズバーかその類のこの店名、今回はGoogleの最新口コミが2週間前ということも確認済みなので、閉店ということはないだろう。

GoogleMapもあてにならないとにかく複雑なバラナシの路地を右往左往しながらやっと店を

もっとみる
第27話『散髪』

第27話『散髪』

髪を切った。理由は主に3つ。

1つ。
特にやることもなく、朝晩はガンガーを眺め、暑すぎる昼はカフェで過ごす日々が続き、何かイベントが欲しくなる。
海外で、しかもインドで髪を切るなんて話のネタには充分だろう。

2つ。
僕が滞在しているホステルはいわゆるヒッピー宿で、共有テラスでは昼夜問わず宿泊客がガンジャを吸っている。というのも、バナラシは大麻の神でもあるシヴァ信仰が強い。伝統的な大麻入りラッシ

もっとみる
第25話『Leave me alone』

第25話『Leave me alone』

ガンガーの朝は早い。日の出とともに朝のプージャ(ヒンドゥーの礼拝儀式)が行われるからだ。昨晩のプージャで隣に座り色々と教えてくれたサーシ君が朝も一緒に行こうと誘ってくれたので、朝5時にアッシーガート(ガートとは河辺に設置された拠点広場で、ガンガーには84存在する。僕の宿にほど近いアッシーは上流の端に位置する)で待ち合わせをした。

ガンガーに朝日が昇る様は筆舌に難く、荘厳と言う他ない。朝のプージャ

もっとみる