不登校(2) NHKスペシャル 話そう“学校”のみらい「不登校30万人から考える」から
2024.2.1【201限目】
不登校の現状は
小・中学校の不登校、30万人の内、11万4000人が学校も相談機関でも支援が受けられない、子どもたちがいるという現状だそうです。
文部科学省の不登校の定義によると、病気や経済的な理由を除き、1年の内30日以上休んでいる状況を不登校といいます。
さらに「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因、背景により児童生徒が登校しない或いはしたくても出来ない状況である」として、「不登校を『問題行動』として判断してはならない」と、文部科学省は、通知を出しています。
日本の学校には、学習指導要領がありそれを必ず終えなければなりません。すべての子どもに学びを保障するために、学校の在り方を考え直し、結果を残すためにはどうすればよいかを考えることが必要です。
山形県の天童中部小学校の場合
今から6年前、前校長が「子ども主体の学校にする。」と、学校改革を行いました。
一斉授業が全体の8割、子ども自身が学び方を選択する授業が2割とし、その中には「フリースタイルプロジェクト」という、自分の興味のあることを自由に学んでいい時間があります。
好きな漫画を100話かいた子もいれば、顔の手入れやお化粧の仕方を研究する子もいて楽しそうでした。
大人はどうしても「子どもの学力にどうつながるのか」ばかりを考えてしまいますが、自分の好きなことが学べたら、子どもは楽しいし、褒められたら嬉しいし、成功、不成功に関わらず、自ら体験したことが、身に就き自信になります。自分を肯定できる場所があるということは、学校へ行く事が楽しくなります。
この学校改革は、不登校対策で始めた事ではありませんが、その結果、今は、不登校の子どもがいないそうです。
不登校の子供たちが学ぶ「フリースクール」の場合
学校に行かない子供たちが通える場所があります。その一つが「フリースクール」です。
千葉にあるフリースクールには、小学1年生から中学2年生まで、15人が在籍しています。月謝は¥22000円で、子どもたちを見守る大人はボランティアです。
「子どものために毎日オープンすることが出来ません。開校した分だけ出費がかさむので、支出との兼ね合いで毎日子どもたちのために、ここを開けて、というのが基本的に難しい状況下にあります。」とのことでした。
「どこにもつながらない」子どもたち
フリースクール以外にも、教育委員会が設置する教育支援センター(市町村や都道府県の教育委員会等によって設置されているもので、文部科学省のデータでは1142か所、全国の自治体の63% 平成29年度調査)やオンライン授業等学校に行かない子どもたちのために、居場所や学びの場があります。
ところが、どこにも相談せず、学習の支援も受けていない子供たちも沢山います。
韓国の教育改革
厳しい受験戦争で知られる韓国で増えているのが「代案学校」。国から学ぶように決められているのは、国語・社会だけ。あとは学校が自由に決めていいことになっています。
今正式な学校として認められる代案学校は国内に95校で、卒業生も社会に出始めているそうです。
「最も重要なのは、財政的な問題を克服できたことです。非認可学校は、財政が厳しいので、教師たちの待遇がとても厳しいです。まず教師が安定的な地位を確保できたこと、次に成績の認定が出来るので子どもは安心感持つことが出来る。」との事です。
韓国で人気を呼び「学びたいことを、子ども自身で選ぶ授業スタイルは、楽しそうだけど、学力はちゃんと身に就くの?」という人もいます。
フランスの子どもたちを学びとつなげる支援
フランスでは、30年ほど前から、学校を休む子供たちを支える仕組みづくりを進めてきました。
子どもと学びをつなげる専門家が「エデュケーター」と呼ばれるスペシャリスト、子どもの発達や心理・障害などに関する専門の知識が求められる国家資格です。フランス国内で6万人以上が活躍しています。
「子どもを、絶対に一人にはしない。」
不登校気味の子どもがいると、エデュケーターがその子ども個々の状況を把握し、寄り添うことで安心した子どもたちは、また、学びに向かっていくといいます。
子どもたちが学びを楽しめる学校
子どもたちが自分のやりたいことを見つけて、それが実現できるような環境で学び、学校が、自分らしく未来に希望を持って生き生きと生活できる場所であること。
子供たちが自分の意見を言いやすい雰囲気を作り、それを認めてくれる先生や仲間がいることも大切です。
不登校の子供たちが学べる環境が日本の場合、残念ながら世界の状況や事例を比較してみると、遅れていると思いました。
参考:【189限目】不登校
【今週のけい先生】*担当:夫(父)
今週はけい先生の76歳の誕生日で、彼女の好きなお寿司を中心に、夫婦で会食しました。よく食べ、働き、頭も使って、楽しく、元気に過ごせることを願って祝い合いました。
【編集担当より】
おかげさまで、母も76歳の誕生日を健康に迎えました。毎週noteの記事をアップしていくことが、元気に過ごせる一因となっていることかと思います。皆様にご覧いただけますことが、母の心身の健康にもつながっているようです。ありがとうございます。
幼少の頃より、「普通」ってなんだろうと考えることがありました。「普通はこうだよね」「みんなやっているよ」「あの子はちょっと変わっている」などなど。
ものの見方や受け取り方、育ってきた環境、心身の個体差など、人それぞれです。同じ時代に生きていても国境をまたぐと、価値観や善悪、衛生観念なども変わるでしょう。同じ場所でも、時代が変わると、ほんの100年で「普通」といわれることは、全く違うものになっています。また世代が変わると意見も異なってきます。
そう考えると、「普通」であることや「他人からの評価」というものに、あまり寄せて生活することは、息苦しいこともあるかもしれません。
そんな時には、自分の日頃接している価値観と違うものの見方に触れてみるのもよいかもしれません。芸術・音楽・エンターテイメントなど、国や時代をまたいでも、心に残る作品は、きっと新しいものの見方を教えてくれることかと思います。
同じようなことを最近SNSで見かけました。
”人間が賢くなる方法は「人」「本」「旅」に尽きる”
還暦でライフネット生命を開業し、古希で立命館アジア太平洋大学(APU)の学長に就任した出口治明さんの言葉です。
新しい出会いは、きっと「普通」に疲れた自分を、違った視点から見ることができる機会になることかと思います。
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