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新入編集部員の日記

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日々の現場での奮闘や学びを綴った新入社員による日記です!弊社の書籍や『経済セミナー』がどのように作られているのかを読者の皆様に知っていただく機会にもなると思います。ぜひご笑覧くだ… もっと読む
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記事一覧

「原稿」 と 「ゲラ」 【新入編集部員の日記 #13】

「原稿」 と 「ゲラ」 【新入編集部員の日記 #13】

こんにちは! 日本評論社・経済セミナー編集部のSです。

今回は「原稿」と「ゲラ(校正刷り)」の違いについて、業務を通じて得た経験を元に考えてみたいと思います。

「『ゲラ』って言葉をたまに聞くけど、あんまりよくわかっていない」「原稿と何が違うの?」という方は多いと思います。

書籍・雑誌編集という仕事をするようになって以来、私は両者を明確に区別するようになりました。仕事をしていて、ゲラを「原稿」

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コピーを書く 【 新入編集部員の日記 #12 】

コピーを書く 【 新入編集部員の日記 #12 】

前回の記事(#11)はこちら!

これまでの記事はこちらのマガジンからご覧いただけます!

■ コピーって何?コピーとは、「特徴やセールスポイントを伝える導入句・短い文章」です。簡潔かつ印象に残るように商品の価値や中身の特徴を伝える必要があります。

『経済セミナー』の新刊書紹介コーナーを例に挙げて説明します。画像のAの部分はキャッチコピーです。経セミの新刊書紹介コーナーの場合は最大15文字程度で

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日経学会に参加してきました!②【 新入編集部員の日記 #11 】

日経学会に参加してきました!②【 新入編集部員の日記 #11 】

前回の記事(#10)はこちら!

これまでの記事はこちらのマガジンからご覧いただけます!

■ 2日目も灼熱日経学会2日目も引き続き酷暑でした...。1日目ですでにライフポイントを0近くまで削られていた私ですが、「強い気持ちで」頑張りました。

学会と言えどフォーマルな服装の先生方は比較的少なく、カジュアルなスタイルで過ごされている先生方が多かったように思います。こういった点に対して形式ばらないと

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日経学会に参加してきました!①【 新入編集部員の日記 #10 】

日経学会に参加してきました!①【 新入編集部員の日記 #10 】

前回の記事(#9)はこちら!

■ 灼熱の日経学会日経学会の会場となった関西大学千里山キャンパスのある吹田市の気温は34℃でした。上記の𝕏の投稿通り「灼熱」でした。

(私は当日現金での支払いをしないといけなかったのですが、恥ずかしいことにキャンパスに入ってから現金を持ち合わせていないことに気づきました。炎天下の中、ATMに行くため関大の長い階段を2往復することになり、開会前に体力を半分くらい消

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校正・校閲(3): 「声に出す」ことのメリット 【 新入編集部員の日記 #9 】

校正・校閲(3): 「声に出す」ことのメリット 【 新入編集部員の日記 #9 】

前回の記事(#8)はこちら!

■ 校正にはいくつかのやり方がある校正の方法はただ文章を読む(黙読する)だけに限りません。校正の目的や制作スケジュールの都合によっていくつかの方法がとられます。

今回は、私の体験とともに色々な校正の方法論をご紹介したいと思います。

※記事を書くにあたり、用語の意味を先に整理しておきます。

原稿:本のもととなる文字情報。テキスト。

校正紙(ゲラ):実際の本のレ

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新入編集部員の日記 #8  「校正・校閲(2)」

新入編集部員の日記 #8 「校正・校閲(2)」

前回(#7)はこちら!

■「絶対的な間違い」は意外と少ない前回の記事にも書きましたが、当初、校正・校閲=間違いを正すものという認識を持っていました。

しかし実際にゲラを読んでみると、「明らかにこれは間違っている」と言えるものは思っていた以上に少ないのです。明らかな間違いと判断できるものは

誤字や脱字

英単語のスペルミス

人名や固有名詞の表記の誤り

くらいでしょうか。

今挙げたもの以外

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新入編集部員の日記 #7  「校正・校閲(1)」

新入編集部員の日記 #7 「校正・校閲(1)」


■そもそも校正・校閲って?校正や校閲という言葉そのものは聞いたことがある、という方は多いのではないでしょうか?

「校正・校閲 = 誤字脱字や事実関係等のチェックすること」というイメージが一般的だろうと拝察します。

私も、編集の仕事をするまではその程度の認識でいました。実際、これは間違っていません。

しかし、実際に校正者・校閲者として作業に携わってみると、「間違いのチェック」という一言で片付

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新入編集部員の日記 #6 とある休みの日

新入編集部員の日記 #6 とある休みの日

■休みの日:カフェか書店プライベートは大体、書店かカフェにいます。

編集の仕事をする前から、あてもなく書店に立ち寄り、ブラブラするのが好きでした。目当ての本があって行く時もありますし、特に買いたい本はなかったけれど良さそうな本があると衝動買いしてしまうことも3回に1回くらいあります(そして、積読が増えます......)。

編集者として働くようになった今は、市場のリサーチ(といってもざっと類書や

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新入編集部員の日記 #5 「付き物(3)」    奥付は本のエンドロール

新入編集部員の日記 #5 「付き物(3)」   奥付は本のエンドロール

前回(#4)はこちら↓

■奥付(おくづけ)って?その本の著者や編者、発行者(出版社)の情報などが書いてあるアレです。

通常本の末尾にあります。

このページもほかの付き物と同様メインコンテンツではありませんし、奥付なんて意識したこともないという人が多いと思います。

■「奥付は本のエンドロール」見出しの言葉は、安藤祐介さんの小説『本のエンドロール』に出てくるものです。

この小説は、私が出版に

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新入編集部員の日記  #4 「付き物(2)」

新入編集部員の日記 #4 「付き物(2)」

【注】新入社員によるエッセイ的な文章です。出版に関する専門用語等の使い方等が正確でない部分があるかもしれません。ご承知おきください。

※前回の記事(#3)はこちら!↓

■『新版 経営戦略の経済学』そのテキストとは『新版 経営戦略の経済学』です。

本書初版は産業組織論・企業の戦略論の定番テキストとして定評をいただいていました。初版刊行は2004年で、20年近く経った今、内容やデザインを一新して

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新入編集部員の日記 #3 「付き物(1)」

新入編集部員の日記 #3 「付き物(1)」

【注】新入社員によるエッセイ的な文章です。出版に関する専門用語等の使い方等が正確でない部分があるかもしれません。ご承知おきください。

※前回の記事(#2)はコチラ↓

※ちなみに「本文」は「ほんぶん」ではなく「ほんもん」と業界では呼ぶということも初めて知りました。

■「付き物」とは?『次世代の実証経済学』の本文のゲラを読み終えた私に与えられた次の仕事は「付き物」の作成・チェックでした。

付き

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新入編集部員の日記 #2 「ゲラと向き合う」

新入編集部員の日記 #2 「ゲラと向き合う」

【注】新入社員によるエッセイ的な文章です。出版に関する専門用語等の使い方等が正確でない部分があるかもしれません。ご承知おきください。

■引き合わせ(赤字)入社後初めての仕事として『次世代の実証経済学』再校ゲラの素読みに取り組みました(#1参照)。再校ゲラに赤字(修正指示)を入れたものを印刷会社さんに戻し、数日すると赤字が反映されて新しく印刷されたゲラが届きました。そこで今度は「ゲラの引き合わせを

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新入編集部員の日記 #1 「初仕事」

新入編集部員の日記 #1 「初仕事」

【注】新入社員によるエッセイ的な文章です。出版に関する専門用語等の使い方等が正確でない部分があるかもしれません。ご承知おきください。

日本評論社・経済編集部のSと申します! 入社して2カ月ほどの新入社員です。元々は大学院で経済学を専攻し、教育や保育の経済分析をしていました。

社会人として働くのは初めて。編集・出版業務の経験ももちろんゼロ。右も左もわからない中で、編集者としてのキャリアがスタート

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