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毎週水曜日はコールセンターの話

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コールセンターのオペレーターからリーダー、SV、企業向け電話応対研修講師へと叩き上げた経験から学んだことを書いていきます。電話応対に必要なこと、コールセンター運営に必要なこと、コ… もっと読む
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#毎日note

伝えたくないものは表現しない

伝えたくないものは表現しない

コールセンターをはじめお客さまに案内をしようと思うと、「何を言うか」という足し算の面ばかりに目を向けがちですが、「何を言わないか」という引き算の面に目を向けることも大切です。

今回はそんなお話です。

自身の不安例えば新人によくありがちな対応が「えぇ、そうですね…明日まででしたら、大丈夫だと、思うんですけど…。」「大丈夫なのね。」「…はい…。」という不安そうなご案内。

まだ業務に慣れず不安なの

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クレームを生まない質問の仕方

クレームを生まない質問の仕方

何かしら情報提供をするためには、条件を絞らなければなりません。
そのための方法が質問ですが、この質問は使い方を誤るとクレームを生みます。

「は?なんでそんなことに答えなきゃいけないの?」

「そんなことそっちで調べれば分かるでしょう!?自分で調べなさいよ!」

などと言われたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回はクレームを生まない質問の仕方についてご説明します。

質問する側

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電話では、なんでも聞いてよい

電話では、なんでも聞いてよい

「対面接客はいいけれど、電話は怖い」という人がいますね。「相手の顔が見えないから、何を考えているのかわからない」と。

私は、だからこそ電話のほうが楽だと思います。

店頭では他の人の目もあるので泣きながら怒ることも難しいかもしれません。でも電話なら話の内容に応じて適切な場所からかけることが可能なので、正直な感情表現をしてくださる場合が多くなります。

泣きながらかけてきてほしいわけでもありません

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横に座ったほうがうまくいくときもある

横に座ったほうがうまくいくときもある

「先週買ったばかりなのに、今週ニュースで新商品が出るって見たぞ!いくらしたと思ってんだ!客をバカにしてんのか!!!」

こんな電話がかかってきたら、さあ、電話に出たあなたは、どう対応しますか?

今回はそんなお話しです。

責任逃れや説得はうまくいかないことがある新商品が出るというニュースが流れれば、実際の発売が1週間後だろうと半年後だろうと、このような電話はかかってきます。迷って迷って、意を決し

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またあるときは通訳

またあるときは通訳

先週、私はこのマガジンで、コールセンターは「ガイドであれ」と説きました。
自社ワールドの地図を駆使してお客さまに満足してもらえる場所を案内し、素晴らしさ知ってもらい、限界を受け入れてもらう。

そんなことの重要性をお伝えしました。

一方、自社に対しては「通訳」であるのが良いと思います。
今回は、そんなお話です。

コールセンターはインターフェースであるインタフェース(英: interface)は

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ときにはガイドのように

ときにはガイドのように

コールセンターでは、「お客さまの気持ちになって」「お客さまの気持ちに寄り添って」などと言われます。そうすると、今度は「お客さまが◯◯してほしいって言っているのにそんなこともしないなんてウチの会社は酷い!」とモチベーションが下がることにもなりかねません。

その原因それは、あくまで会社の代表として対応しなければならないのに、お客さまに寄り添うあまり、共感を超えて自分の立場を忘れてしまうことから起こり

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「何かございましたら、またご質問していただけますでしょうか?」

「何かございましたら、またご質問していただけますでしょうか?」

コールセンターでは、「再入電依頼」をするようにと、よく言われます。
それはいいのですが、その言い方が気になります。
視覚情報を奪われる電話での対応には、言葉選びに通常以上の気遣いが必要です。

再入電依頼再入電依頼とは、電話を切る前に、「また電話してくださいね」と言うことです。積極的に対応しようとする企業姿勢を示すことで良い企業イメージを持ってもらうことと、気になったことがあったときにすぐ電話をし

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クレーマーとは

クレーマーとは

以前、「サービスにおける平等」について書いた中で、「全ての人に“同じ満足”を」と述べました。

そうは言っても、対応に一線を画さないといけない人たちがいます。
俗に言うクレーマーですね。

クレーマーだからといって暴言を吐けば、しっぺ返しをくらうのは会社側です。なので、相手をクレーマーと認定しようとしまいと、対応を崩すべきではありません。しかし、崩さなくても変える必要はあります。

ではこのクレー

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三波春夫と聖書

三波春夫と聖書

時々思うんですけど、日本に三波春夫がいなかったら、もうちょっと日本のお客様は違っていたんじゃないでしょうか。

もちろん『お客様は神様です』という一言のことです。

「”客”に向かってなんだその口のきき方は!」と強気にのたまい、
理由を質問しておきながら「そんな説明で納得できるか!!」と理解するつもりなど全くない態度をお見せになる。
「あの店員、辞めさせて」とご自身に人事権がおありだと思っていらっ

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滑舌の訓練

滑舌の訓練

コールセンターで働く以上、滑舌は重要だという話を先週しましたので、
本日は、私が行っている滑舌の訓練方法をお伝えします。

これは私が学生時代、演劇部に所属していたときに教わった滑舌訓練ですので、もっと良い方法をご存じの方がいらしたら、ぜひ、お教えください。

その方法とは、五十音を一音ずつずらして言うというものです。
ア行なら
「アイウエオ
  イウエオア
   ウエオアイ
    エオアイウ

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コールセンターの基本・滑舌と敬語

コールセンターの基本・滑舌と敬語

とりあえず、今回は最初なので、私が個人的にコールセンターの基本だと思っていることを述べてみます。

電話で対応する、声だけで対応する、ということを考えれば、まず“滑舌”。
日本語を使ってお客様に対応する、ということを考えれば、次に“敬語”。

この2点は、何を扱っているかに関わらず、絶対必要な基本だと思っています。

スポーツの“基礎練”のように、毎回練習すべきことじゃないかなぁと。敬語は身につけ

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