遠入のどか

言葉は、 人を喜ばせる。 人を怒らせる。 人を悲しませる。 人を楽しませる。 せっかく…

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言葉は、 人を喜ばせる。 人を怒らせる。 人を悲しませる。 人を楽しませる。 せっかく使うなら、正しく使わなきゃ。        そして敬語は和を導く生きる知恵。 敬語と電話応対の講師をやっています。

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  • 遠入のどか の本棚

    私がこれまでに読んだ本の中から、お勧めの本をピックアップしてご紹介します。 古書が並ぶ本棚のフリー素材 https://www.pakutaso.com/20160701195post-8400.html

  • 毎週金曜日は気になる敬語

    敬語は本来、敬意を伝えるツールであり、人間関係を見える化する便利なツール。そんな敬語の有用性を見直し、100%活用するために、ポイントや誤用例を紹介します。毎週金曜日に更新しています。

  • 毎週水曜日はコールセンターの話

    コールセンターのオペレーターからリーダー、SV、企業向け電話応対研修講師へと叩き上げた経験から学んだことを書いていきます。電話応対に必要なこと、コールセンター運営に必要なこと、コールセンターあるあるなど。よろしければ、お読みください。 毎週水曜日に更新します。

  • のどか の銭湯日記

    近くの銭湯に行ったときの記録です。たまにはスパ銭なんかにも行ったら書きます。遠くの温泉に行けたら、もちろん書きます。銭湯好きな人に見てほしいです。(ヘッダー画像は、今はなき鴎外温泉)

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日本語で考えるために日本語を知る『日本語が世界を平和にするこれだけの理由』〜読書感想文#41の②

この本の著者は金谷武洋。カナダで25年日本語を教え続けた先生です。 先週は、日本語に主語はいらないという主張をご紹介しました。 思考は言語に影響されるさて、サピア=ウォーフ仮説なるものをご存知でしょうか。 母語によって、その話者の思考や概念のあり方が影響を受けるという仮説のことです。 人は、母語によってものごとを考え、母語によって世界を把握します。だから、母国外で子どもを産み、自分たちの母語ではない外国語で子育てをしてしまうと、しっかり考えたり感じ取ったりする力が養われな

    • 電話に出ると緊張します。どうしたらいいですか?

      誰でも、初めてもことは緊張するものです。 まして、今は一人一台スマホの時代。級友に電話するのに家に架けて、電話に出たご家族に取り次いでもらうなんて経験をせずに大人になった人たちが、初めて見ず知らずの他人に電話したり、誰か分からない人から電話を受けるのですから、おっかなびっくりでも当然です。 そんな、コールセンター勤務が初めての人によくあるのが、緊張して頭が真っ白になってしまうことです。 ロープレでもできて、紙のテストでも難なく答えられたことが、電話になると答えられなくなっ

      • 過ちを繰り返さない『日本語が世界を平和にするこれだけの理由』〜読書感想文#41の①

        この本の著者は金谷武洋。カナダで25年日本語を教え続けた先生です。 私はよく、敬語を使うことで上下関係が明確になり主語を省くことができます、と説明していますが、著者によると、「日本語に主語はいらない(p.143)」のだそうです。 省くことができるというのは、本来必要ということですが、それは英文法を基本に考えるからそういう発想になるのであって、本来の日本語に主語は不要なのであり、主語がないと意味が通りづらいときなど、必要に応じて付けることができるというのです。 このように書く

        • 上達の近道~上手い人から学ぶ

          先週まで、いろいろと分かりやすい説明のためのノウハウをお伝えしてきましたが、やはり電話はうまい人の応対を聞いてそれを真似てみるというのが一番です。百聞は一見に如かずと言う通り、「漢字よりも和語のほうが伝わりやすい」ということを情報として知るのと、実際にそうしている人の応対を見聞きし、相手の反応の違いを目の当たりにしたほうが、納得もできますし、真似もしやすいでしょう。 とあるコールセンターに、とても対応の上手い人がいました。 謝罪するにしても、相手が怒っているポイントにズバッ

        日本語で考えるために日本語を知る『日本語が世界を平和にするこれだけの理由』〜読書感想文#41の②

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          『お白洲から見る江戸時代』~読書感想文#40の⑤ 「仕来り」から現代へ

          表題の本をご紹介しながら、敬語と共通する考え方、現在にも通じる組織運営の在り方を考察しています。 先週は、治者が自らを厳しく裁く自浄作用が、民の信頼を生んでいたであろうこと、治者の目が民を向いていたように思われることなどを書きました。 今回はその最終回です。 「仕来り」とは「仕来り」というと、古めかしく役に立たないもの、打破すべきものと捉えられがちですが、江戸時代は「仕来り」を大事にした時代でした。では、その「仕来り」とはどういったものでしょうか。 今、受け継ぐべき本質を

          『お白洲から見る江戸時代』~読書感想文#40の⑤ 「仕来り」から現代へ

          分かりやすく説明する12/12~笑顔で話す

          笑顔で話せばさぁ、いよいよ最終回です。 最後は、笑顔です。 分かりやすく説明するのと笑顔と、何の関係があるのでしょうか。 もちろん、ありますとも。 辛気臭い話と楽しい話なら、どちらが聞きたいですか? 自分のことを嫌っている人と、自分と話すのを楽しんでくれている人と、どちらの人の話を理解したいですか? 後者ですよね。 もちろん、遊びに行くような楽しい話ではないかもしれませんが、それでも、なるべく笑顔が伝わるように話せば、多少の言い間違いも許してやろうという気持ちにもなり、も

          分かりやすく説明する12/12~笑顔で話す

          『お白洲から見る江戸時代』~読書感想文#40の④ 組織の自浄作用

          表題の本をご紹介しながら、敬語と共通する考え方、現在にも通じる組織運営の在り方を考察しています。 先週は、身分の上下に応じて席を決めるが、それは責任の重さをも表し、罰は重くなるという話をしました。ふさわしくない行動をしたとお裁きがくだされた治者は高いところから文字通り引きずり降ろされ、そして、それによって被治者である民は納得したろうと書きました。 今回はその4回目です。 本書は私に、新たな江戸時代のイメージを与えてくれました。そして265年もの間、平和に統治ができた理由を垣

          『お白洲から見る江戸時代』~読書感想文#40の④ 組織の自浄作用

          分かりやすく説明する11/12~ポジティブに話す

          ネガティブな話し方とは誰もわざわざネガティブに話そうとは思っていませんよね。 だから、ネガティブな話し方とはどんな話し方か確認しておきましょう。 「契約していない人は使えません。」 「赤なら在庫がありますが、白はありません。」 施設を利用しようと出かけていったのに、「使えません」と言われ、 白が欲しかったのに「ありません」と言われたら、なんだか世の中で自分一人が嫌われているような、不運な星の下に生まれついたかのような気がします。 そして、そんな人の話は聞きたくなくなりま

          分かりやすく説明する11/12~ポジティブに話す

          『お白洲から見る江戸時代』~読書感想文#40の③ 引きずり降ろされる為政者 

          表題の本をご紹介しながら、敬語と共通する考え方、現在にも通じる組織運営の在り方を考察しています。 先週は、上下関係を正しく可視化してお白州に表現することで、天皇や神仏の権威に頼ることなく現実の秩序を守ろうとしたと書きました。 今回はその3回目です。 権威に頼らずとは言っても、斬り捨て御免の武士においそれとは逆らえないし、江戸時代は非常に罰が厳しくて、すぐに死罪や流刑になったとも聞きますから、やはり民衆は怖くて逆らえなかっただけなのではないでしょうか。本心は虐げられて不満が溢

          『お白洲から見る江戸時代』~読書感想文#40の③ 引きずり降ろされる為政者 

          分かりやすく説明する10/12~明確な話し方をする

          曖昧な話し方とは曖昧な話し方とは、「多分、〇〇だと思う」とか「およそ〇〇くらい」などと案内することです。 電話応対だろうと、対面接客だろうと、このような話し方は好ましくないものです。「ん?なんで自社製品の値段が曖昧なんだ??」と入電者の頭の中に疑問符が浮かぶことになってしまいます。 憶測ならちゃんと調べて、曖昧なら確認してから案内しなければいけません。 でも、本当にそこまで正確な情報を客は求めているのでしょうか。 もし、それが分からないなら、相手に尋ねてみるのが一番です。

          分かりやすく説明する10/12~明確な話し方をする

          『お白洲から見る江戸時代』~読書感想文#40の② 4段階で上下を可視化

          表題の本をご紹介しながら、現在にも通じる組織運営の在り方を考察しています。 先週は、刻々と変わるその時々の上下を正しくお白州に可視化することで、お上がいかに民を正確に見ているかを知らしめる場になっていたのではないか、そのために目下が目上の顔色をうかがう必要がなく、生産的な社会になっていたのではないかと推察しました。 今回はその2回目です。 上下を正しく可視化する江戸時代、その人の出自によって尊卑を決めることはなく、その時々の役割によってお白州のどこに座るかという席次が決まり

          『お白洲から見る江戸時代』~読書感想文#40の② 4段階で上下を可視化

          分かりやすく説明する9/12~責任ある話し方をする

          無責任な話し方とは責任ある話し方とは、言ってみれば自分の言葉で話すということです。といっても分かりづらいかと思うので、無責任な話し方の例を挙げましょう。 「〇〇という形になっております」 「〇〇とご案内しなければならないことになっておりまして」 「私ではちょっと……」 下の2つは分かるけど、「〇〇という形になっております」は聞いたことがある、なんなら使ったこともあるけど、特に問題とは思わないという人も、もしかすると、いるかもしれません。 コールセンターでよくあるクレーム

          分かりやすく説明する9/12~責任ある話し方をする

          『お白洲から見る江戸時代』~読書感想文#40の①その人が偉いのではない

          尊いのは人ではなく公務それは、侍の家に生まれたから偉いということではないということです。「士」の仕事を一部担う庶民も、その業務に携わるうえでは同様に尊ばれなければならない、そのように考えられていたのです。これはまさに相対敬語、いや、この本は席次の話であり言葉について書かれているわけではないので敬語とは言えませんが、とはいえ、言葉遣いもこれに準じていたことでしょう。ならばこれはやはり相対敬語であり、相互尊重ではありませんか。 現在に置き換えて考えてみましょう。例えば「年下の上

          『お白洲から見る江戸時代』~読書感想文#40の①その人が偉いのではない

          分かりやすく説明する8/12~短い文章で話す

          短い文章で話す自分の話を最後まで聞いてもらうためにやりがちなのが、話を途中で切らずにダラダラと続けてしまうことです。 「~で、~したら、~になるので、~していただいて、~の後、、、、」 いったいどこまで文章が続くかもわからず、最後に「~というわけではありません」と言われたら全てひっくり返るかもしれないのです。 それでは聞く気も失せようというもの。 目的は、話を最後まで聞かせることではなく、分かってもらうことだったはず。それならば、一文を短く切り、ここまでの説明に疑問点がない

          分かりやすく説明する8/12~短い文章で話す

          「ないでございます」「あるでございます」

          最近の敬語は、とかく過剰になりがちで、不要な「お」の乱用や「いただく」依存症など目に余ります。 特にお客さまが相手だと、「ですます調」ではなく「ございます調」で話しましょうと指導している職場もあるかもしれません。 「ですます調」を使うのか「ございます調」でいくのかはもちろん会社側が決めることですが、指導したあと、実際にどのような話し方をしているかを見る必要があるかもしれません。もしかしたら、「ないでございます」「あるでございます」と言っている部下はいませんか? 例えば、あ

          「ないでございます」「あるでございます」

          分かりやすく説明する7/12~相手の理解度に合わせて言葉を選ぶ

          相手の理解度に合わせて言葉を選ぶ前回の記事で「サイカイヒ」と耳で聞いても分からないと書きましたが、分かる人たちもいます。それは業務でしょっちゅう「再開扉」という言葉を使う人たちです。 誰もその職種に就いたときは知らないことだらけで一生懸命勉強して覚えていくわけですが、数年するとそれが日常会話になってしまいます。 職場には同じ職種の人が集まってずっと仕事の話をしているのですから当然です。 そんなときに何が起こるかというと、今度は専門用語や業界用語を知らない人がいるということ

          分かりやすく説明する7/12~相手の理解度に合わせて言葉を選ぶ