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電話応対と掛けて車の運転と解く
電話応対とはこういうもの、とそれぞれに思っているものがあります。電話が苦手、うまくいかない、という場合、自分で決めた業務内容にこだわりすぎてしまい、お客様や会社と噛み合わなくなっていることがあります。
そこで、無意識に作り上げてしまった枠をリセットしてもらうために、電話とは関係ない例を使って説明することがあります。(以前に何度か、電話応対をスポーツになぞらえたのも、そのひとつです)
今回は、電話
相対敬語を使うことで、メタ認知を手に入れる
先週は、「人智を超えた何か、人の都合では変わらない何かを想定しましょう」と書きました。
その想定によって、俯瞰した視点を手に入れることができます。
敬語は善悪をも超える敬語は、自分の個人的な判断にはとらわれずに敬意を表するので、自分から見て相手が善人か悪人かは気にしません。
「いやいや、悪人と分かっていて敬語を使うなんて、ヤクザの子分くらいなものだろう。犯罪者に敬語を使うなんて、俺は絶対にしな
入電者の良いところはどこですか?
私は、嘘はいけないと思っています。
でも、同じ事実でも、どこを強調するかは選べます。
であれば、電話をくださった方が良く見えるように工夫をしたり、そもそも良いところはスポットライトを当ててより目立たせてあげるのはいかがでしょうか。
同じ情報ならより良く見えるように例えば、「ヤスコ」という名前の漢字を確認するだけでも、「安売りの安に子どもの子ですか?」と聞かれるより、「安心の安に子どもの子ですか?
敬語を使うには”自分を超えた”ではなく”人智を超えた”何かを想定する
先週は、「敬語は不平等か?」というテーマで、敬語が表す上下と人間としての尊厳は関係ないと書きました。
それならば、何に対して敬意を払うのでしょうか。
それは、人智を超えた”何か”です。
自分には分からないものがある、と考えると自分だけが愚かなような気がしてしまいます。ですので、人間は全知全能ではないのだと広く捉えましょう。かつ、その人間の向こう側に”何か”とのつながりを見て、その”何か”に敬意を
電話の向こうに垣間見えるものが辛い時
電話をかけてくる人のうちには、客の立場を利用して不当な利益を得ようとする人も、残念ながらいます。
フリーダイヤルをいいことに話し相手を求めるお年寄りならば、あまりむげにはできません。業務に支障が出ないくらいは話を聞いてあげて、なるべく傷つけないように話を切り上げます。それでも、この電話が実は喜ばれていないことを、かけてくる方も分かっているんだろうなと感じられる瞬間が、時にあります。そんなときは、
コールセンターには黒と白とグレーがある
「白黒はっきりつけようじゃねぇか!」
テレビで聞いたことがあるようなセリフですが、現実には白黒がはっきりしている事柄などそうそうあるものではありません。
しかし、仕事がそれでは困りますので、すべきこととやってはいけないことをはっきりさせるべくマニュアルを整備します。それは、コールセンターでも同じです。
ただし、人を相手にするコールセンターでは、どうしてもマニュアルどうりにいかないことがあります。
敬語が世界を平和にする『日本語が世界を平和にするこれだけの理由』〜読書感想文#41の④
この本の著者は金谷武洋。カナダで25年日本語を教え続けた先生です。
先週は、他動詞のSVO構文を基本とする言語が二元論と支配につながるという著者の説を受けて、敬語はそれを否定すると述べました。
自己主張には自己主張を、敬語には共感をそれでは、英語では平和になれないのでしょうか。私はそんなことはないとも思っています。
もし、相手を単に支配することが目的なら、こちらが自己主張をし、相手は自己主張をし
コールセンターで一番敬語が上手かったのは
コールセンターで働いている方、コールセンターでなくとも接客だったり社外の人と話す機会がある方なら、大概は敬語を使うことがあるでしょう。
この敬語が曲者で、私の経験上、どこのコールセンターに行っても過剰敬語や間違った敬語が飛び交います。
そんな中、とてもきれいな敬語を話すオペレーターが一人いました。
その人は韓国人留学生でした。
大学生は若くて物覚えもよく、また自分で学費を稼がなければならない
支配は力と正義を欲する『日本語が世界を平和にするこれだけの理由』〜読書感想文#41の③
この本の著者は金谷武洋。カナダで25年日本語を教え続けた先生です。
先週は、母語の重要性についてご案内しました。
日本語が世界を平和にする理由今回取り上げたいのは、以下の言葉です。
この文章を読んで心が震えました。
私が敬語を広めたい理由が、まさに書かれていたからです。
別に英語であるに限らず、たとえ日本語であっても、SVO構文は「支配」と「力」と「正義」を伴いやすくなります。そして、「支配
二次対応は必要以上に行わない
コールセンターにはクレームが付き物です。
一次対応者の手に負えなければ、二次対応者が引き継ぎます。
このとき、本来二次対応者が引き継ぐ必要のないものまで対応してはいないでしょうか。
例えば、返品を希望する客に対し、それはできないと回答してクレームになったなら、二次対応者に代わり納得してもらった時点で通話も終わります。
一方で、本人確認に協力したくないとのクレームで上司に代われと言われたなら、上司
日本語で考えるために日本語を知る『日本語が世界を平和にするこれだけの理由』〜読書感想文#41の②
この本の著者は金谷武洋。カナダで25年日本語を教え続けた先生です。
先週は、日本語に主語はいらないという主張をご紹介しました。
思考は言語に影響されるさて、サピア=ウォーフ仮説なるものをご存知でしょうか。
母語によって、その話者の思考や概念のあり方が影響を受けるという仮説のことです。
人は、母語によってものごとを考え、母語によって世界を把握します。だから、母国外で子どもを産み、自分たちの母語で
電話に出ると緊張します。どうしたらいいですか?
誰でも、初めてもことは緊張するものです。
まして、今は一人一台スマホの時代。級友に電話するのに家に架けて、電話に出たご家族に取り次いでもらうなんて経験をせずに大人になった人たちが、初めて見ず知らずの他人に電話したり、誰か分からない人から電話を受けるのですから、おっかなびっくりでも当然です。
そんな、コールセンター勤務が初めての人によくあるのが、緊張して頭が真っ白になってしまうことです。
ロープ
過ちを繰り返さない『日本語が世界を平和にするこれだけの理由』〜読書感想文#41の①
この本の著者は金谷武洋。カナダで25年日本語を教え続けた先生です。
私はよく、敬語を使うことで上下関係が明確になり主語を省くことができます、と説明していますが、著者によると、「日本語に主語はいらない(p.143)」のだそうです。
省くことができるというのは、本来必要ということですが、それは英文法を基本に考えるからそういう発想になるのであって、本来の日本語に主語は不要なのであり、主語がないと意味が通
上達の近道~上手い人から学ぶ
先週まで、いろいろと分かりやすい説明のためのノウハウをお伝えしてきましたが、やはり電話はうまい人の応対を聞いてそれを真似てみるというのが一番です。百聞は一見に如かずと言う通り、「漢字よりも和語のほうが伝わりやすい」ということを情報として知るのと、実際にそうしている人の応対を見聞きし、相手の反応の違いを目の当たりにしたほうが、納得もできますし、真似もしやすいでしょう。
とあるコールセンターに、とて