見出し画像

電話では、なんでも聞いてよい

「対面接客はいいけれど、電話は怖い」という人がいますね。「相手の顔が見えないから、何を考えているのかわからない」と。

私は、だからこそ電話のほうが楽だと思います。

店頭では他の人の目もあるので泣きながら怒ることも難しいかもしれません。でも電話なら話の内容に応じて適切な場所からかけることが可能なので、正直な感情表現をしてくださる場合が多くなります。

泣きながらかけてきてほしいわけでもありませんし、そういうことがしょっちゅうあるわけでもありませんが、相手とコミュニケーションをするためには、正直に思ったことを表現してもらえるというのは、大きなメリットです。

電話では、その場に”出されたもの”を扱う

電話では、必要な情報はすべてお客さまがその場に出してくださいます。

もちろん、登録された情報(購入履歴・お問い合わせ履歴など)があれば、それは通話中に確認する必要があるかもしれませんが、基本的には初めて会った“わたし”と“あなた”が何らかの問題解決に向けて協働するのです。

だから、その場に出されたものだけに集中すれば良いのです。
ただし、“出されたもの”とは、お客さまがおっしゃった文章の意味のみならず、イントネーション・間合い・周囲の音・不自然な言い回しなど、すべてを含みます。“意図して出されたもの”なのか、“意図とは関係なく電話が拾ってしまったものなのか”という判別も必要です。もし、お客さまの問題がわからなければそれを理解しなければなりませんから、“出されたもの”の意味をなるべく正しく捉えなければなりません。

“出されたもの”の意味を正しくとらえるためにすべきこと

そのために電話でできる行為は“質問”です。

●事柄だけを説明された場合でも、店頭で面と向かって「そのとき、どんなお気持ちでしたか」と聞かれたら違和感があると思いますが、電話ならそれができます。
●赤ちゃんの泣き声がしたときに、対面なら誰の子どもか、他に面倒を見る人がいるのか察しなければならないかもしれませんが、電話なら「赤ちゃんの泣き声がしますが、このままお話を続けて大丈夫ですか」と質問できます。
●「これにそう書いてあるのよ」と言われても、お互いに“見えない”という共通認識を持っている電話なら「何をご覧になっていらっしゃいますか」と質問できます。

気持ち・状況・情報など、どんなことでも質問することができるのです。

対面で質問したら鬱陶しく感じさせてしまうようなことでも、電話で嫌な印象を与えることはまずありません。

そのための重要なポイントをひとつだけ。
「お客さまのために質問すること」
もちろん、自分がそう思っているだけではいけません。お客さまのための質問であることがお客さまに伝わっていることが肝心です。

次回は、そのような質問の仕方についてもっと詳しく説明したいと思います。
では、また。

もっと詳しく知りたいという方は、どうぞ以下のバナーからお申し込みください。ささやかですが、500円OFFでお申し込みになれます。


世界や自分自身をどのような言葉で認識するかで生き方が変わるなら、敬意を込めた敬語をお互いに使えば働きやすい職場ぐらい簡単にできるんじゃないか。そんな夢を追いかけています。