新しいキャリアの見つけ方!心理的成功とキャリア資本から学ぶプロティアン思考〜マネプロ#39
こんにちは!
DeNAでHRビジネスパートナーをしていた坪井(@tsubot0905)です。
マネジメントの進化を探求するnote
『マネプロ』は今回が第39回目です。
このマネプロnoteのシリーズでは、5分で分かりやすく学べるシンプルな構成と、相手とのコミュニケーションで使えるようなシンクロしやすい問いを意識した内容を心がけています。
さて、今回のマネプロのテーマは
「新しいキャリアの見つけ方」です。
プロとのマネプロ対話、第6弾の企画になります。
世の中のプロフェッショナルな方々との対話から
学びを得るマネプロ対話は、毎回とても刺激的。
今回の探求で用意した問い/テーマはこちらです!
その道のプロに4つの切り口で聞いてみました。
この4つの問い / テーマについて対話させていただいたその道のプロは、『今のまま働き続けていいのか一度でも悩んだことがある人のための 新しいキャリアの見つけ方 自律の時代を生きるプロティアン・キャリア戦略』の著者・有山徹さん。
有山さんのことを紹介すると
日本における新しいキャリアの考え方、プロティアン・キャリアを極める有山さんとお話しできることはずっと楽しみにしていました!
では、そろそろ有山さんとの対話から学んだ内容にいきましょう。
目次はこちら!
<キャリアには失敗も成功もない>
プロティアン・キャリアとは、社会や環境の変化に応じて柔軟に働き方を変えていく変幻自在なキャリアのことです。「プロティアン」の語源はギリシャ神話に出てくる、思いのままに姿を変える神プロテウスからきています。
では、まずは、そもそも論から聞いていきます。
有山さんが広めているプロティアン・キャリアという考えにおいて、
「キャリア」とは一体なんなのでしょうか?
実績や成果といった点の考え方ではなく、
人生を線や面として考えるキャリアの視点。
では、そう考えることで
何が変わってくるのでしょうか。
プロセスのどこかを切りとって、成功だとか失敗だとか言ってもしょうがない。絵を点で見ないのと一緒ですね。全体としてどんな軌跡を描いているかが問われる。
聞けば聞くほど「決めつけない」ことが、変幻自在で未来志向なキャリア観に重きをおく、プロティアン思考なのだなという印象を受けました。
<過去に執着する決めつけはダメ>
もし、本人が失敗経験によって「こういう仕事は向いてない」と決めつけてしまった場合、どう考えると良いのでしょうか?
どんな時代だったか、誰といるか、どこにいたか、こういったことが複雑に絡み合って、結果は大きく左右されます。
あの時に出来なかったから、今もできないとは限らないってことですね。あなた自身も世の中も変化するのだから、自分の可能性を狭めてしまうような決めつけをせず、過去はそうだったと「置いておく」。
なんだか、今まで失敗と受け止めていた
重たいものが、軽くなっていく感覚でした。
同じように、プロ野球選手だったイチローだって4割バッターにはなれなかったのですから、ビジネスにおいても、上手くいくことの方が少ないのかもしれませんね。
<プロティアンキャリアの大切な軸>
それでは、
プロティアンキャリアが大切にしている考え方。
軸となる部分はどこにあるのでしょうか?
キャリアの成功ではなく、
人からみての成功でもない。
自分にとっての
「心理的成功」が大事
ということですね。
たとえば、受験で東大に合格することは目標を達成しているかもしれないけれど、それ自体が心理的成功といえる状態ではないかもしれない、ということです。
ずっと追いかけていくことで幸せを感じる時間を味わえているかどうか。
そっちの方が大事なポイントだそうです。
人生は長い。
だからこそ、「心理的成功」を目指す上では、特定の組織や環境に依存しない、変化への対応力とも言える「アダプタビリティ」が重要とのこと。
<キャリア資本という考え方>
変化への対応力を磨く上で
鍵となるのが「キャリア資本」の考え方です。
私がプロティアンキャリアを斬新だと思ったのは、
キャリアを「資本」で考える視点でした。
掴みどころの難しいキャリア論を、RPGゲームのステータスのように、わかりやすい3つの資本の組み合わせで考えているため、構造が理解しやすくなっています。
キャリアの代表的な視点として
Will/Can/Mustの考え方があります。
ですが、これでは、狭義のキャリアで考えないといけない。お金や人とのつながりという視点がごっそり抜け落ちてしまう、と有山さんは言います。
有山さんが重視する
社会関係資本について詳しく聞きました。
たしかに、言われてみるとその通りです。
同じスキルを持っていても、持っている人脈が違えば仕事をする機会も変わってくるもの。それに、社会関係資本の違いがスキル向上の速度にも影響してくるはずです。
それだけではありません。人生には波があります。自分の挑戦を応援してくれるコミュニティがあるか、心挫けそうな時に支えてくれる人のネットワークがあるかは、長期的にかなりの違いをもたらすでしょう。
<社会関係資本からキャリアを広げる>
社会関係資本の重要性がわかったところで、それをどう築いていったらいいのか、有山さんに伺いました。
有山さんが強調されていたのが、セルフブランディングです。
これを聞いて、「弱い紐帯(ちゅうたい)」という言葉を思い出しました。
アメリカの社会学者マーク・グラノヴェッターが唱えた「弱い紐帯の強み」という考え方が、まさにこのことを説明しているのです。
詳しくいうと、価値ある情報の伝達やイノベーションの伝達においては、家族や親友、職場の同僚のような「強い紐帯」よりも、ちょっとした知り合いのような「弱い紐帯」のほうが重要であるという理論です。
私と有山さんがこうして話せたのもまさに弱い紐帯の力です。マネプロを発信し続けていたからこそ、共通の友達はいても直接の知り合いではなかったのに、つながることができたのですから。
<ビジネス資本を増やす≠勉強する>
続いて、ビジネス資本を増やす話になりました。
有山さんは一例として
「いきなり勉強をするな」と言います。
多くの人は自分に新たな武器を実装しようと思い立った時、まっさきに資格やスキルに走りがちです。「ちゃんと勉強してから仕事を取ろう」と考えるわけです。
しかし、人は必要に駆られていない知識などすぐ忘れます。語学がわかりやすい例でしょう。英語で話さざるを得ない環境に身を置く方が、英語を使いこなせるようになるのは早い。
実戦から学ぶ。
これなら「お勉強」では終わりません。
そこでちゃんとやれば、
信頼関係や実績もできる。
結局、ビジネス資本を築くにも
社会関係資本が鍵を握ってくるってことですね。
<キャリア戦略は永遠のβ版>
さて、そろそろ締めに入ります。
プロティアン・キャリアでは、心理的成功という等身大の幸せを感じ続けるのがポイントでした。
そして、キャリア資本の視点から、今の自分のステータスを可視化し、レベルアップを図る。大事なのは、過去の自分を意識し過ぎて、可能性を狭めないこと。
日本のキャリア論の最前線を走る
有山さんから熱い言葉をいただきました。
「キャリア戦略は永遠のβ版」
常に変化、常に進化を目指す素敵な言葉でした。
ありがとうございました!
<今回のQuestions>
以上が39回目のマネプロでお届けしたかったコンテンツでした!
いかがでしたでしょうか?
ということでマネプロ恒例、最後の問いです。
今回のテーマを通じて、リーダーやマネージャーの方々に問いかけたい4つの質問を選びました。忙しい皆さんの思考の整理と、新たな行動の後押しになれますように!
<次回にむけて>
次回のマネプロは
『being/生き方の探求』がテーマです。
「キャリア戦略は永遠のβ版」ですから
どうやって生きるのかを俯瞰して考えられるよう
きっかけになる考え方をまとめて発信予定です。
次回は2週間後の水曜日。お楽しみに!
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最後まで読んでもらえて嬉しいです。
ありがとうございました!
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