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人生を豊かにするキャリアプラン!キャリア資本の視点からAND思考の戦略を学ぶ〜マネプロ#38

こんにちは!
DeNAでHRビジネスパートナーをしている坪井(@tsubot0905)です。

マネジメントの進化を探求するnote
『マネプロ』は今回が第38回目です。

このマネプロnoteのシリーズでは、5分で分かりやすく学べるシンプルな構成と、相手とのコミュニケーションで使えるようなシンクロしやすい問いを意識した内容を心がけています。

さて、以前のマネプロで
"キャリアとはなにか?"をお伝えしました。

キャリアの語源は轍(わだち)。
つまり「いままで歩んできた足あと」。
その意味では、キャリアとは過去のこと。

一方で「キャリアプラン」という言葉になると
未来への考え方へと変化するから面白いですね。

これからどんな足あとを残したいか。
戦略的に考えるプランニングをするわけです。

というわけで、
今回のテーマは「キャリアプランニング」。

キャリアを形成する蓄えとなる
キャリア資本についても解説します。

目次はこちら!


<どのアドバイスを聞けばいい?>

私はいったいどこに向かいたいんだろう?
あるいは、どこにたどり着くんだろう?

あなたも時々、考えるのではないでしょうか。
過去に身近な人に相談してたかもしれませんね。

そんな時、複数の人に相談してみた結果、余計にゴチャゴチャしてわからなくなった。こんなことがあるのではないでしょうか。

ある人は「目標を決めて突き進め!」と言い、またある人は「いやいや、目の前のことを一生懸命やるんだ!」と助言される…という具合で。

一体、どっちの話を参考にすればいいのか。

結論から言うと、キャリアプランの考え方には2つのタイプがあって、「今の」あなたと相性が合っている方を選びましょうという話になります。


<あなたは「山」と「川」どっちタイプ?>

キャリアプランには2つの考え方があります。

シンプルなイメージで表すと、
「山」と「川」です。

あなたは
マウンテンピープルか?
それともリバーピープルか?
というお話。

※それぞれの考え方を「キャリアデザイン」と「キャリアドラフト」という概念で後ほど詳しく説明します。

マウンテンピープルというのは、山を登る人。

「あの山のテッペンを目指して突き進むぞー!」と夢や目標を描き、そこに向けて準備して邁進する人です。こちらが「キャリアデザイン」タイプに当てはまります。

リバーピープルというのは、川を下る人。

川の流れに身を任せながらも「ココだ!」というポイントが目の前に現れたら最善の判断や行動をする人です。こちらが「キャリアドリフト」タイプに当てはまります。


あなたはどちらのタイプでしたか?

ちなみに、
私は山を登ぼることをメインにしながらも、
時には川を下ることも楽しむ人です(笑)

どちらのタイプか決めつける必要はなく、今までの足あとを客観的にみて、いまの自分は山と川、どちらを楽しむのかを決めたら良いと思います。

さて、イメージを持ってもらったところで、
それぞれの考え方の背景について説明します。


<キャリアはデザインとドリフト>

<キャリアデザイン>

ビジョンを決めて、
逆算的にキャリアをデザインする考え方です。

未来の自分と現在の自分とのGAPを埋めるために、いつ・何を・どのようにするかを決める。

イチロー選手や本田圭佑選手などのエピソードが有名ですよね。どちらも、小学生時代に将来の夢を語る作文で、明確な目標を掲げています。

目標を掲げているだけでなく、いつまでにこうなっていて、そうなるために今こうする、とハッキリ書いています。

幼い頃から人生を賭けるゴールを見つけ、
他のことには脇目も振らないカッコイイ生き方。

累計発行部数が1億部を超えている
ナポレオン・ヒルの世界的な名著である
『思考は具現化する』の世界観とも言えますね。


<キャリアドリフト>

こちらは聞きなれない方も多いと思います。
ですが、体験したことはあるかもしれません。

例えば、あなたは
今の仕事を始めたときのことを覚えていますか?

よく考えてみると、あなたにとって何か運のいいこと/わるいこと、偶然の一致がいくつか重なるようなことがあって、その仕事や役職にたどり着いたのではないでしょうか?

いかがでしょう。実は、この推測。
ほとんどの方が"そうかもな"と感じるもの。

なぜなら、「キャリアの8割は偶然で決まるもの」だから。1999年にスタンフォード大学のクランボルツ教授が計画的偶発性理論と発表しています。

キャリアが偶然なら、綿密な計画などできない。
できるのは、チャンスに巡り合う確率を上げることだけ。

意図的な行動によって、
偶然という形で舞い込むチャンスを増やし、
行動と努力でチャンスをつかもう。

これが、キャリアドリフトの考え方です。

ご興味のある方は、
クランボルツ教授の本を読んでみてくださいね。

キャリアプランとキャリアドラフト。自分が山登りタイプか川下りタイプか。状況によっても異なると思うので、両方の考え方を知っておくことには意味があると思います。



<プロティアン思考とキャリア資本>

2016年に出版され爆発的に売れた
『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』。

この本と共に必ず上がる
キーワードが、“人生100年時代”。

一度は耳にしたことがある人も多いのでは?

一人ひとりのキャリアが長くなる時代には、
キャリアプランも長い時間軸を意識する必要があります。

今後、日本では少子化・社会保障の影響を受けて、働ける限りいくつになっても働くことを前提とした社会になるかもしれません。定年で会社を離れた時、誰もがフリーランスになるわけです。

そうなると必要なのは、会社ではなく自分を起点としたキャリア観。変化に対して柔軟性と自律性を持つことを意識する、プロティアン・キャリアという考え方があります。

「プロティアン」とはギリシア神話にある、
思いのままに姿を変える神・プロテウスのこと。
参考記事:『タナケン先生のプロティアン・キャリア講義』


つまり、プロティアン・キャリアとは
変幻自在に形成するキャリアのこと
です。

自らが変化し続けながら、経験をキャリア資本として蓄積し、内面的な変身を遂げていくプロセス。これがプロティアン・キャリアの本質と言われています。


<キャリア資本を蓄積する方法>

まず、キャリア資本とはなにか。
こちらの3つと定義されています。

(1)ビジネス資本
スキル、資格、学歴、職歴

(2)社会関係資本
家族、友人、職場、地域

(3)経済資本
金銭、株式、不動産
『プロティアン 70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術』

見ていただくと分かるように、
キャリア資本は経歴やお金といった
分かりやすい外的なものだけではありません。

家族とのつながりや地域への貢献など、自らのやりがいや目的を達成したことで得る心理的な成功。つまり、自分の大切にしている内的キャリアの充実につながるものがキャリア資本には含まれています。

この3つの資本を高める6つの経験/羅針盤が
わかりやすかったので図解して説明します。

こうやってみると、
キャリア資本の積み重ね方は多様性があります。

ビジネスパーソンなら、
いまの「組織」のリソースを活かす。
いまの仕事を通じて「専門」の領域を伸ばす。
これらのことはすぐにでも実践できそうです。

そして、時に社外に向けて「副業」をしてみる。

さらに意識が変わると「転職」や「起業」といった社外に飛び出すこともキャリア資本を蓄積する選択肢になるかもしれません。こういった社内外での「関係」づくりもまたキャリア資本になるわけです。

<キャリア資本が選択肢をつくる>

VUCAといわれる、
変化の激しい、先行きの曖昧な時代です。

対して、これまでのキャリアプランの立て方は、将来の目標を決めて計画を立て、それに向かってキャリアを積み重ねていく思考が強めでした。

将来の社会や会社の状況は、個人の意思でコントロールできるものではありません。こうしたキャリアプランの立て方は効果的とはいえなくなっているシーンも増えてくるでしょう。

あなたが過去に理想のキャリアを綿密に描いていたとしても、外的な要因のために計画通りにいかないことは珍しくないはずです。

クランボルツ教授は「何をしたいかという目的意識に固執すると、目の前に訪れた想定外のチャンスを見逃しかねない」と指摘しています。

キャリアのチャンスを逃さないために大事なのは、ビジネス・社会関係・経済の3つのキャリア資本をバランスよく蓄積し続けること

そうすることで、先行きが不透明ではあっても、チャンスを呼び込み、キャリアの選択肢を広げることにつながります。


<人生が豊かになるキャリアを歩む>

キャリアプランニングは、キャリアデザインかキャリアドラフトか、という二者択一(A or B)のOR思考で捉えるものではなくなっています。

長い人生において、2つの考え方の良いとこ取りするくらいの気持ちでAND思考を持ちましょう!

状況によって考え方を切り替えながら、キャリア資本を高め続け、戦略的に意思を持って歩んでいくことが大切になっていくのだと思います。

「プラチナキャリア」という言葉もありますね。

自律的な学びや経験を通してスキルを磨き、ビジネスや社会課題の解決に貢献しようとするキャリア像のことだそうです。

キャリアを通じて、自分は何に貢献したいのか?

そこを考えるのが大切なんだと感じた話でした。

キャリア資本への投資を通じて、何を成し遂げたいのか。この答えは自分の中にしかありません。

自ら行動をして、変身し続け、進化をすること。

そのために自分の心の声に向き合い、「心に沿った道」を突き進むことが、仕事を通じて人生を豊かにしてくれるのだと思います。


<今回のQuestions>

以上が38回目のマネプロでお届けしたかったコンテンツでした!
いかがでしたでしょうか?

ということでマネプロ恒例、最後の問いです。

今回のテーマを通じて、リーダーやマネージャーの方々に問いかけたい4つの質問を選びました。忙しい皆さんの思考の整理と、新たな行動の後押しになれますように!


<次回にむけて>

今回は、キャリアプランニングをテーマにお伝えしてきました。キャリアの捉え方は、山か、川か。3つの資本はどんな状況か。みなさんの棚卸しに使っていただける内容になれば幸いです。

次回のマネプロは
「プロティアン・キャリア」がテーマ。

『新しいキャリアの見つけ方』の著者である
有山徹さんと対話した内容になります。

次回は2週間後の水曜日。お楽しみに!
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最後まで読んでもらえて嬉しいです。
ありがとうございました!

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@tsubot0905

2022年から「変化をリードするコーチ」として社外のリーダーへのコーチ業も取り組んでいます。HR経験者限定のコーチコミュニティも運営中です。ご興味ある方がいたら連絡くださいね!

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