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【#4】娘の心に潜む孤独を引き出し抱きしめる。

拒食症が治癒に時間を要する原因には
心の問題がある。
娘の場合も、【#3】で挙げた
精神的特徴でも見られるように、
性格なのか後天的環境要因なのか
ただ単に「太りたくない」という
思いだけではない
本人にも意識できていない何か潜在的な
深い問題を抱えているように思えた。

私がそう思う理由には、
ずっと気になっている事があったから。

それは離婚の際、私は精神疾患を患い
心療内科に通っており、
その時の家庭環境が娘に
何らかの心的影響を与えているのでは?
ということ。

今まで娘の精神的な部分が気になりながらも、
生活することに精一杯で
じっくり娘と向き合って
本音で話をすることもなく、
ただ時間だけが経過してしまっていた。

しかし今回、娘が拒食症になったことで
仕事をセーブし、しっかりじっくり
娘の心に深く寄り添おうと決めた。

娘の性格と後天的環境要因の側面から
娘の心の闇を引き出すべく
丁寧に丁寧に心に寄り添い対話を続けた。

対話を続けていく中で
娘が自分の内側を深く見つめるようになった。
そして、本当の自分・ありのままの自分を
認め受け入れる作業を始めた。

娘の日記の一部を転載します。

《娘が分析した娘自身》

私はプライドがめちゃくちゃ高い。
人と比べて優越感を得ることで自分の価値を見出そうとする。
そのプライドと優越感は自分の弱さを見て見ぬふりする為の蓋、あるいは埋め合わせになってる。

ほんとの自分はめっちゃ寂しがり屋で甘えたがり屋。
我慢なんかしたくないし、コツコツ計画立てて何か物事を成し遂げることもやりがいを感じるから苦痛ではないけど、出来れば感情の赴くままに楽しく生きていたい。でもそれを表に出せない。

出せないからプライドと優越感で偽の価値を自分に与えて心を満たそうとする。実際は全く満たされることないのに。
だから自分に自信が全くないし、自分の好きな部分もない
ほんとの自分を自分もちゃんとわかってないから、軸がないし、本当に興味のあること、好きなこともわからない。

今まで全部プライドが自分の本心を無視して勝手な思い込みで物事を捉え、実行してきた。優越感を得るために周りより上を目指そうとした。
誰かに褒めて欲しいからというより、自分の自己満足のためにそうしてきた。


この日記を読むだけでも、今まで娘がいかに
孤独と虚無と戦ってきたかがハッキリとわかる。
娘の孤独と虚無感は、離婚をした私たち両親の
影響から来るもの
であるなと感じた。

確かに親から見た、表面的な娘は、
非常に頑張り屋で、自分の決めたことは
とことん最後まで粘り強くやり抜く。
そしてこだわりも強い。

大学は授業料免除・給付型奨学金で、
母子家庭の私の経済力では賄えない部分を
自分の夢を叶えるために努力で得ている。

精神が未熟だった私は
そうやって頑張ることが娘の本心で、
好きなことなんだなと思ってきた。
娘自身がそのように話していたから。
しかし、いつも自分のことが認められず
自分嫌いだとも話していた。
過去の私は、頑張って結果を出してるのに
なぜ自分を好きになれないのだろうと
不思議に思っていた。

娘が弱さだと思っている
甘えたい気持ちやわがままな気持ち、
感情に正直に楽しく生きたい気持ちは
決して弱さではなく、人の自然な感情。
そんな自然な感情を弱さだと思わせて
しまってきた親である私の責任は大きい。

娘は非常に真面目で優しいから
「ひとり親で頑張ってくれてるママに
余計な心配をかけたくなかったし、
早く自立してママの負担を減らそうと思って
今までは色々と我慢してきた。
だけど今は、自分1人の力では
どうにもできないから
ママに助けて欲しい!甘えたい!」
と泣きながら私に訴えた。


自分を好きになれないというのは
心に満たされない深い孤独を隠しているんだなと、
今の私ならハッキリとわかる。

振り返れば私自身がそうだった。
精神が非常に未熟で
自己確立できていなかった
親の私は
他にも嫉妬・不安からくる無神経な言葉で
娘を傷つけてきている。

今、2人で意識的に過去に還って
一つ一つお互いの素直な本音を出し合い
心の穴を埋める作業をしている。

子どもにとって両親はいつでも
大好きな存在だし
いつでも笑顔でいて欲しいし
自分を信頼して見守っていて欲しいと思っている。

親にとって子どもはいつでも
ただ元気で生きていてくれるだけで幸せな存在。
いつだって無条件の愛で包んでいたい。


今回、拒食症になったことで、やっと
娘が少しずつ本心を表に出すことができた。

そして私も母親として
今まで気づいてやれなくて
してやれなかったことを
これから時間をかけて
しっかり取り戻していこうと決めた。

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