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有識者検証会は農林中金の課題を検証できるだろうか?① 顔ぶれは「一見」豪華

有識者検証会は農林中金の課題を検証できるだろうか?① 顔ぶれは「一見」豪華

 農林中金の投融資・資産運用に関する有識者検証会という名称の会議が27日発足して、東京・霞が関の農林水産省の会議室で初めての会議を開きました。

証券界OBが2人も委員に

 メンバーは荒川隆食品産業センター理事長(元農水省)、稲野和利日本証券奨学財団理事(元野村証券)、川村雄介グローカル政策研究所代表理事(元大和証券)、佐々木百合明治学院大学経済学部教授、丸田洋ライトフィールド代表取締役(農業経

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政治と宮沢賢治~羽田孜さんが懐かしい

政治と宮沢賢治~羽田孜さんが懐かしい

 ミスター政治改革とも呼ばれた元首相、羽田孜(つとむ)さん(2017年没)は宮沢賢治の愛読者でした。

 戦前、朝日新聞記者から政治家に転身した父・武嗣郎さんが政治活動の資金を作るために「羽田書店」を創立し、1939年(昭和14年)に賢治の童話集「風の又三郎」を出版しました。

 そんな環境のもと、羽田さんはまだ、字を習い始めたころから賢治の童話に親しんでいたようです。著書「志」(朝日新聞社、19

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政治家が選挙民との関係づくりを統一教会に丸投げしてはいけない

 おこがましいことですが、日本会議と関係の深い衛藤晟一参院議員が衆院落選中、私が勤務していた新聞社の支局に訪ねてこられ、私は彼に選挙必勝法としてシンガポールの与党・人民行動党(PAP)が全国会議員に義務付けている週2回の地元選挙区での住民との対話の方法を解説して差し上げたことがあります。

 対話のうち1回は相談会、もう1回は戸別訪問です。相談会は公民館の会議室を借りて、何十人来ようと順番に一人ず

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金融紙編集長処分~日経は報道機関にふさわしい人材を育てているのか?

金融紙編集長処分~日経は報道機関にふさわしい人材を育てているのか?

週刊文春記事で知る古巣の醜聞  週刊文春最新号に日経新聞‘‘金融専門メディア”編集長が「二代連続処分」~という記事が掲載されていました。新聞の論説委員と専門紙「日経フィナンシャル」の編集長を兼務するXという記者が今年8月23日、就業規則第77条1項11号に基づきけん責処分を受けたというのです。

 週刊文春の取材では、取材先との会食中に店主と揉めてトラブルになり、店主から日経本社にクレームが入った

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備忘録 2015年3月13日 ティーシーワークス不正経理事件の真相を株主に説明すべきだ〜総会屋・小川薫の日経本社来訪で何があったのか?

備忘録 2015年3月13日 ティーシーワークス不正経理事件の真相を株主に説明すべきだ〜総会屋・小川薫の日経本社来訪で何があったのか?

 
 今年春、日経社員が大量に退職している、編集局でのパワハラの横行もその原因の一つだ、とする月刊FACTAや週刊文春の報道が続きました。日経は20年前の子会社不正経理事件を機に大がかりなガバナンス改革に取り組んだはずですが、まだ改革が不十分だったということなのでしょう。考えてみれば、不正経理の始末にだってずるずる十数年もかけた会社です。2015年3月13日、今から7年前の日経株主総会より二週間ほ

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1993年のビーンボール:TPPの源流〜APEC「アジア太平洋における自由貿易目標」のスクープをつぶした男

1993年のビーンボール:TPPの源流〜APEC「アジア太平洋における自由貿易目標」のスクープをつぶした男

A VISION FOR APEC; 
TOWARD AN ASIA PACIFIC ECONOMIC COMMUNITY 

 そんなタイトルの文書が日本経済新聞の韓国・ソウル支局からFAXでシンガポール支局に送られてきたのは1993年10月8日でした。米国のクリントン政権の政策ブレーンの一人で、米国の著名なエコノミスト、バーグステン氏が座長を務めたAPEC賢人会議(EPG、エミネント・パーソン

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スマートニュースと新聞の違いについて考える――グローバルな人材を育てる

スマートニュースと新聞の違いについて考える――グローバルな人材を育てる

  日本経済新聞12月3日付朝刊の報道によると、ニュース紹介サイトなどを運営するスマートニュース社(鈴木健CEO)の推定企業価値は2017億円ということです。

  5年ほど前にマレーシアの知人から会社名を教わり、そのアプリの感想を聞かせてくれ、と言われました。彼は日本語ができないからです。インターネットで調べたら出てきたのはロシアの会社のサイトで、すぐに見つけることができませんでした。

「だか

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「文春の流儀」を読む〜記者は普通の人間であるべきだという心構え

「文春の流儀」を読む〜記者は普通の人間であるべきだという心構え

情報提供者を徹底的に守る 週刊文春、文藝春秋の編集長を務め、3年前に退社し、いまは女子大で教鞭をとる木俣正剛さんの著書「文春の流儀」を読んでいます。

 スゴイ本です。文春の記事の出来上がり方をここまで明かしていいのかなと思う半面、これは他のメディアにはなかなかまねのできない仕組みだということにも気が付きます。衰退する新聞を含めてメディアの将来を考えていくためのヒントを得ることもできます。

新聞

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公正、寛容、人権を重視します~記事・投稿についての私の考え方

公正、寛容、人権を重視します~記事・投稿についての私の考え方

記事・投稿についての考え方 スマホのデータ通信機能が災害時にとても頼りになると実感した東日本大震災からまもなく10年です。私がSNSを利用し始めたのもその直前くらいでした。

 その後も、凋落を続ける新聞のようなマスメディアを飲み込む勢いでインターネット媒体の情報発信力は大きくなっています。

 2年前に新聞社を退職したあとの報道との関わりを模索する中で、私自身、クリエイター向けの投稿サイトnot

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「消えた800頭」の行方を説明を!ピースワンコに期待する誠実な情報公開

 広島県健康福祉局の中村満食品衛生担当監に会ってお願いしたのはNPO法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ、広島県神石高原町、大西健丞代表理事)の適切な情報開示ですが、その中で特に念を押したのが、いわゆる「行方不明の800頭」の問題です。

〇ハッキリ知りたいところ、その2「行方不明の800頭」

 その問題はnoteでも一度紹介していますので、詳しく知りたい人は2019年10月に書いたこの記事をお

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岡山県開示文書から読むピースワンコの諸問題⑩義務の履行・行政指導への対応はのらりくらり(終)

岡山県開示文書から読むピースワンコの諸問題⑩義務の履行・行政指導への対応はのらりくらり(終)


 鳴き声うるさくキャンプ場利用客帰る
 2019年4月17日、岡山県高梁市役所の備中地域局から岡山県動物愛護センターに一本の電話が入りました。

 「住民やキャンプ場利用者から鳴き声がやかましいという苦情があり指導のため同行願いたい」

 ピースワンコ西山犬舎のある備中地域局は、県動物愛護センターと共同で立ち入り検査したいと考えていたのです。対象は市営キャンプ場の敷地に隣接する通称「ロッジ犬舎」

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岡山県開示文書から読むピースワンコの諸問題⑨地権者が断り白紙~「犬のサファリ」候補地は愛媛県上島町の佐島だった!

岡山県開示文書から読むピースワンコの諸問題⑨地権者が断り白紙~「犬のサファリ」候補地は愛媛県上島町の佐島だった!

PWJは2度、岡山県に説明 認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ、広島県神石高原町、大西健丞代表理事)が2019年4月、岡山県動物愛護センターによる西山犬舎(岡山県高梁市)立ち入り検査を受けた際に説明したという「四国地方の有人島」での「犬のサファリパーク」計画について最後にもう一度取り上げます。

 PWJの保護犬事業、ピースワンコの西山犬舎担当者は、岡山県動物愛護センターには2度、この

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上限「15頭」が一人歩きする環境省犬猫数値規制⑨義務で縛る~これまでの無策の代償、ペット業者に押し付け

上限「15頭」が一人歩きする環境省犬猫数値規制⑨義務で縛る~これまでの無策の代償、ペット業者に押し付け

 再び、情報公開制度を利用して環境省から入手した行政文書の紹介です。今回紹介する行政文書は「飼養管理基準案」です。超党派の犬猫殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟(尾辻秀久会長)からの要望を受けて、環境省案、つまり環境省を事務局とする専門家の会議「動物の適正な飼養管理方法等に関する検討会」の報告とりまとめに向けて、議連案の内容を検証した資料です。

 いくつか事例を紹介します。

寝床(犬)の構造議

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