マガジンのカバー画像

音楽の話

11
運営しているクリエイター

記事一覧

ジョン・レノンの命日になると蘇る想い

ジョン・レノンの命日になると蘇る想い

今日12月9日はジョン・レノンの命日。公式には12月8日なので昨日が命日と報じられる。しかし彼が狙撃されたのはニューヨークの22時50分ごろ。なので日本時間では今日12月9日が命日だと私の心に強く刻まれている。

1980年12月9日のことはかなりはっきり覚えている。ジョンが狙撃された時刻は日本では12時50分。私は17歳の高校二年生で、昼休みに校内放送でRCサクセション特集が流れていた。もちろん

もっとみる
1964年のマイルス・デイヴィス・クインテット

1964年のマイルス・デイヴィス・クインテット

数日前、名古屋のスウィングというジャズ・クラブで、トランペットの松島啓之さんをリーダーとするクインテットの演奏を楽しんだ。メンバーは他にドラム倉田大輔さん、ベース島田剛さん、ピアノ後藤浩二さん、テナーサックス横原由梨子さん(当日松島さんがメンバー紹介した順)。リーダーの松島さんいわくトランペットとテナーのフロントは王道の組み合わせだと。

確かにその通りで、私が好きなジャズ・コンボを思い起こせば、

もっとみる
キャンディ

キャンディ

昨晩土曜日の夜は、名古屋のスターアイズというジャズ・クラブで、トランペットの村田千紘のワンホーン・カルテットの演奏を楽しみました。メンバー全員がジャズ・ミュージシャンとしては若く、アコースティック・ジャズでありながら新鮮な感覚の演奏でとても楽しく聴くことが出来ました。

(当日の写真)

リーダーの村田千紘ちゃん(あえて”ちゃん”と呼びます)とは、実は10年以上前からの顔見知りです。10年ほど前、

もっとみる
2年前にカマラ・ハリスが選んだ大統領のテーマ曲

2年前にカマラ・ハリスが選んだ大統領のテーマ曲

昨日、「バイデン大統領のOne Nationという言葉に感じる空疎」https://note.com/kamonegiblue/n/n6a72f8df620a という文章に、バイデン大統領の就任式で、One Nationと言うなら、もし私なら音楽はアメイジング・グレイスではなく、Funkadelicの”One Nation Under A Groove”を選びたいと書いた。

同じ文章をnoteや

もっとみる
バイデン大統領のOne Nationという言葉に感じる空疎

バイデン大統領のOne Nationという言葉に感じる空疎

バイデン大統領の就任式のスピーチは、抜粋をラジオで聞いただけで全体を通しては聞いていない。私が接した報道では”One Nation"という言葉が何度も繰り返されたということと、ガース・ブルックスがアメイジング・グレイスを歌ったというTBSラジオの深井慎一郎記者の報告が記憶に残った。

One Nationという言葉をキーワードとして繰り返すなら、ガース・ブルックスのアメイジング・グレイスよりも、盛

もっとみる
ラスト・ダンスは私に

ラスト・ダンスは私に

7〜8年前、仕事も私生活もどん底だった頃、デザイナー・カメラマンの知人が「最近面白いと思ってるミュージシャンがいて、今度私の事務所でライヴをやるので来ませんか?」と誘って下さった。「古我地」という沖縄出身で沖縄民謡を主体にそれ以外の歌も彼流のスタイルで歌う歌手。「ラストダンスは私に」もしばしば歌われる曲のひとつだった。

彼はこの歌を“越路吹雪”の日本語の歌として知ったそうだ。女性が男性に向けて語

もっとみる
前夜

前夜

前回noteに文章を残したのは4月の半ば。それからほぼ3ヶ月、コロナ禍で変容した日常の中で、積極的に文章を書く気持ちになれずに今日まで過ぎてしまった。

そして今日、何かを書き留めてみたいと思わせてくれたのは、またしても音楽の力だった。

今日は在宅勤務で、朝からメールを読んで書いて送って、ZOOM会議をこなして、3時ごろ一区切りで、夕刻の地球の裏側とのZOOM会議の前に気分転換にコーヒーを淹れて

もっとみる
話したくない

話したくない

もう20年ほども前、当時私はパキスタンという国のカラチという街に住んでいた。日本に出張するにはカラチからバンコック経由で成田に向かう便が常道だった。その日は夕方カラチを発ち、夜中の12時ごろにバンコックに着き、空港併設のホテルで仮眠して早朝に日本に向かう便に乗り換えるスケジュールだった。

夜12時頃、バンコックの空港、当時は今の空港ではなく古い空港だった、に着き、ホテルにチェックインし、眠りに着

もっとみる

アメリカの歌

(2016年Oyazine2号への寄稿再録)

今年の夏、出張で日本に戻った時、私は一人、今年で29年通い続けているカフェに行った。

そこで音楽好きの店主夫妻に「これ、もう聴いた?」と一枚のCDを見せられた。昨秋亡くなったアラン・トゥーサンの遺作がつい最近出たのだそうだ。「え?アラン・トゥーサンが亡くなったことすら知らなかったよ」と答えると、すぐにその場でそのCDを聴かせてくれた。

アラン・ト

もっとみる

私の清志郎

note初稿はフリーペーパーOyazine創刊準備号への寄稿文の再掲だった。Oyazineは1000部限定発行で総て配布済み。現在は編集長が本業多忙で休刊状態。そんな状態なので、過去にOyazineに寄稿した文章をここに順に再掲しておこうと思う。

以下は2015年の創刊号への寄稿文。

************************

去年の今頃、仕事でパキスタンに向かう機上に備え付けてあった

もっとみる
音楽の力

音楽の力

Don't trust over thirties. =30歳以上の奴など信じるな。

ミック・ジャガーかピート・タウンゼントか、誰が言ったかは諸説があるけれど、1960~70年代、ロックが世界を変えるかのような勢いだった頃、ロックに感化された若者の心情を見事に表した言葉として有名だった。

ところが今や自分が50歳を超えた。50歳になった秋、70歳になったポール・マッカートニーが日本に来るとアナ

もっとみる