米利上げが進む中、新興国は大丈夫?

新興国債券の償還が大きいと言う新聞記事で、あらためて「新興国は大丈夫か?」という質問をよく受けます。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO33850800W8A800C1MM8000/

国によって状況は違いますが、調子のよくない新興国から悪くない国に問題が伝染して通貨危機になる可能性は低いとみます。

いわゆるBRICs、つまりブラジル、ロシア、インド、中国でドル負債の返済が滞りそうという話はあまり聞きません。例えば、中国は政府の「成長から質へ」の政策で成長率が低下しています。でも、政府のコントロールのもとで不良債権処理をし、倒産させるケースも出ていますが、これまでのドル高やドル金利高で、大規模企業や銀行のドル建ての返済が滞るという話は出ていません。

新興国のいくつかが調子が悪いことは確かです。調子が悪い国の代表はBRICsではなくて、例えばアルゼンチンなどです。これから償還が増えるドル建て負債の額が多いのがBRICsだそうですが、それは別の話ですよね。調子のよくない国から連鎖するとしたら、アメリカやヨーロッパの銀行経由で不良債権処理が行われるあおりを食う場合です。でも、いまの欧米の銀行の状態なら、先進国経由の伝染もなさそうに思います。

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