記事一覧
2023年(あるいは、死後の世界に光る稲妻)
【一月】
神聖かまってちゃんのNGフェスを配信で聴いて、楽曲をひとつひとつメモしていく。短歌研究からの以来に作った短歌のひとつは、このときの経験をモチーフにしている。
・レシートの裏にセトリや猫の手や聖書を書いて 本気だからね
一月に読んだ北山あさひの『崖にて』に「カタカナで採血管に名前を書くみんなミッシェル・ガン・エレファント」という歌があった。このときはまだチバユウスケが死ぬなんて思っても
第五回毎月短歌(2023年11月)
自由詠
突然に「好き」と言われて飛び出したハートは黒ひげ危機一髪だ/くらたか湖春
「好き」と言われて、どきどきする状況になって心臓のある位置からハートの記号が飛び出してきたり、あるいは口からハートが飛び出してきたり、そういう漫画的な描写というのがあって、そうしたリアリズムが現実に逆輸入されているのがまず面白い。さらに、そのハートが「黒ひげ危機一髪」であるという比喩もまた面白さを加速させる。なん
土岐友浩『ナムタル』
ナムタル。聞き覚えのない言葉だ。その正体は、冒頭のエピグラフによって明かされる。「疫病をふり撒くナムタル」。これは中島敦の「文字禍」からの引用であり、アッシリア人の知る多くの精霊の中のひとつであるらしい。このナムタルは、メソポタミア神話では冥界の女王であるエレシュキガルの伝令としてもはたらいている。さらにナムタルについて語るなら、その名前はシュメール語で「運命」を意味し、擬人化した死として扱われて
もっとみる2023.08.26
16時から仕事で、午前はちょっと動いてマウスを買いに行こうかな、と思っていたのだけど低気圧と雷雨に襲われて何も手につかなかった。
仕事の休憩時間にヤマダ電機に行ってマウスは買えた。
大江健三郎の『われらの時代』を読み始めたのだけど、
という描写に感嘆する。
眠れなかったので、『現代の短歌』の佐佐木信綱のところを読んだ。
こういうとき「輝く」「広がる」というような言葉を選択し、「匂う」の意
2023.08.25
余韻の響く楽器が好きだった。それはグロッケンシュピールであり、チャイムであり、羽を回転させたビブラフォンである。特殊奏法ではあるのだけど、ビブラフォンをコントラバスの弓で弾く、というものがある。何の曲だったのかは忘れてしまったのだけど吹奏楽の練習室でそれを聴いて、うっとりとした。このうっとり、というのは我を失いそうになった、つまり忘我に近づいた、ということである。この作用を、当時のぼくはとても不審
もっとみる2023.08.24
最近は夜、薬を飲んでから活動をするので変なものを変な時間に買ってしまったり、勢いで文章を書いて滅裂なことを言っていたりする。日傘は体感が3度くらい低くなるのでうれしい。『阿部岩夫詩集』を読んだ。