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シニアビジネスとシニアライフについて考える

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「親の雑誌」「つながりプラス」などを通じて、シニアビジネスやシニアとして生きることについての雑感を書きます。
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2019年2月の記事一覧

ある人に言われた言葉。「年齢とは世代を知るためのもの。世代とは共通の思い出や思想を持つ共通項のことで、これがないとコミュニケーションが取りづらい。でもそれ以外の個人の能力や魅力や外見を年齢から判断したり評価するのには意味がない」。至言。

もしも村上春樹の小説の主人公が80歳だったら その2

もしも村上春樹の小説の主人公が80歳だったら その2

その1はこちら

蛍その時僕は78歳で、老人ホームでのボランティアを始めて1か月たったところだった。5月にしては珍しく暑い日に、僕は特攻隊と初めて言葉を交わした。
「ワ、ワタナベくんさ、ちょっとそこにある赤鉛筆をとってくれる?」

どうやら彼は以前から僕のことを知っているようだった。僕も彼のことは何度か遠くから見て気にはなっていた。何しろいつでも学生服を着ているので、この施設では異常に目立ってしま

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もしも村上春樹の小説の主人公が80歳だったら その1

もしも村上春樹の小説の主人公が80歳だったら その1

カード決済殺し編

やれやれ、と僕は思った。

どうして信用金庫の窓口というものは、灰色の壁土を食べた直後のような表情の行員で埋め尽くされているのだろう?

「先月もお勧めしたかもしれませんけど、この信託を続けるなら自動引き落としがお勧めですよ。」銀縁の眼鏡だけに自分の存在理由を認めているような女子行員が、無表情のまま僕に話かけてきた。グレーの制服に白いカラーシャツ。紺のニットベストが、かろうじて

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芸事のファンになること

芸事のファンになること

知人の落語家の後援会メンバーとなり、二つ目昇進披露公演のお手伝いをさせてもらった。学びが多かった。

もともと自分が芸能人や伝統芸能のファンになったことがなく、そうした活動のことを理解していなかったわけだが、裏側から見て実感できることが多くあった。

育成の仕組み一門制度をとっており、師匠や兄弟子が弟子を育てる。もちろん奉公の要素もあるが、一門がなければ芸事を一人前になるまで鍛錬することは難しいだ

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スキーをして加齢について考えた。加齢とは、スキーブーツをはいて歩く不自然さのようなものだ。自分の外側から来る不便さであり痛みだが、確実に行動を変え、考え方を変える。これで毎日外出しましょう!といわれても、しないよな。そしてなんとなくイラつくことは増える。

シニアが月額課金を嫌う理由

シニアが月額課金を嫌う理由

嫌うの?シニアは月額課金を嫌う。意外だと思いません?自分も、ようやく腹に落ちてきたのはここ半年くらいだ。どちらかというと月額課金や定額制を好むのではないかと思っていた。だって1つの商品使い始めると基本的に乗り換えはしないし、頻繁に価格や新商品をチェックすることもあまりない。実際、固定電話にはお金払い続けているし、子どもがいなくなっても衛星放送解約しないとか、ざらにある。

それはその通り。月額課金

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健康に気を使えないシニア

健康に気を使えないシニア

健康はほんと大事シニアの悩み事、といえばお金と健康が常に上位に来る。それはよくわかる。

健康について考えた時に、一つは病気。一つは頑強な体づくり。頑強な体作りは、結果として怪我の予防や生活習慣病の予防、認知症の予防にも役立つ。誰にとっても健康であること、定期的に体を動かすことが良いことは自明だ。
実際、スポーツのサークルに入っていたり散歩を習慣にしている人、農業を健康維持の手段にしている人も多い

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