マガジンのカバー画像

奥村繁次郎 「諸国漬物法」

64
大正七年五月四日印刷   大倉書店発行
運営しているクリエイター

記事一覧

漬物漬けてみませんか?

大正時代に発行された奥村繁次郎の諸国漬物法。この本の現代語訳をしnoteに時々アップしているのですが、現代語訳はだいたい終わり、あとはどんな形にして出版しようかと。そこでちょっと思いついたのが、掲載されている漬物を実際に作って食べてくれる仲間を募集しようと。漬ける際に写真を撮って貰い、出来上がった漬物の食卓風景を写真に。

漬物に興味のある皆様を募集しています。

如何でしょうか?

第二章   ○上等茄子の塩押し漬け

 これは普通の圧し塩漬けとはややその趣が違うだけでなく、その風味が至って上等な漬物です。

中位の色艶の良い茄子   五十個
川砂           二合
塩            二合

 この川砂は、よく水洗いして置きます。
 茄子は蔕を切り去り水洗いして、そのまま笊に上げて水気を切ります。 
 漬け桶の底に程良く塩を振り込み、その上に茄子を列べて直ちに川砂を振り掛け、又茄子を列べて川砂を振

もっとみる

第二章  ○茄子の雪花菜漬け

 この漬け方は昔よく応用されたが、最近ではあまり賞味されていません。これでも漬け込む材料によっては大いにその風味と色合いを損せず、実に徳用な漬物です。

中位の色よい茄子     二十個
雪花菜(おから)     二升
塩            三合から四合

 まず茄子の蔕を切り去り水洗いし、そのまま笊に上げて水気を切って置きます。おからに分量の塩を加えながら、よく両手で揉みほぐし、充分に混和し

もっとみる

第二章   ○茄子の粕漬け

 これは酒粕付けるのと、味醂粕で漬ける方法があります。ここで説明するのは酒粕を使って拵える漬け方です。

中位の茄子     適量
酒粕(上等なもの) 一.九キログラムを二回使用
塩         一合五勺を二回使用
米糠        少々

 これも茄子の蔕を切り去り、よく水洗いしてから水気を切り、普通の塩加減で圧し塩漬けにして、それを竹簀の上に広げそのまま日光に曝して置きます。一日ほど経っ

もっとみる

第二章   ○茄子の一夜味噌漬け

 これはその名前の如く、実に軽便な当座漬けの味噌漬けですが、一寸急を要する際に、この方法を応用して拵えると至極面白いものです。

小さな茄子     適量
田舎味噌      茄子の量の半分
塩         一合五勺

 例の手順で茄子の蔕を切り去ったらよく水洗いして、そのまま笊にとり水気を切ります。これを普通の塩加減よりやや淡い加減で圧し塩漬けにします。
 それが漬け終わったら再び笊に上げ、

もっとみる

第二章   ○味噌漬け茄子

 一口に味噌漬けと言いますが、味噌を樽の中に仕込む時に茄子を漬け込む仕方と、味噌を拵えた後、味噌がよい加減となってからその中に漬け込む仕方がありますが、ここで紹介するのは、味噌と共に漬け込む仕方です。

田舎味噌      適量
中位の味噌     適量

 これは分量が決められません。というのも、味噌を樽に仕込む量によるからです。それから田舎味噌と言うのは、東京で言う普通のしょっぱい味噌の事です

もっとみる

第二章   ○茄子の甘酒漬け

 この漬物は、甘酒造りから始まります。もちろん甘酒の固練りを購入しても構いませんが、それよりは自家で甘酒を拵えて漬けた方が大いに経済的ですから、まず甘酒の作り方から始めます。

玄米     五合
糀      四合
一口茄子   七合五勺
塩      二合

 まず玄米を良く水洗いし、直ちに普通の水加減で炊きます。壷か瓶の中に炊き上げた玄米と糀を入れ掻き廻し、よく混合したら蓋を固くして、そのま

もっとみる

第二章   ○茄子の楽しみ漬け

 これはその名の如く、実に面白く風雅な漬け方です。これに使用する茄子はなるべく小さなものを選んで下さい。

一口茄子又は花落ち茄子   五合
普通の味噌         三合
芽生姜           二合
味醂            一合五勺

 茄子は例によって蔕を切り去り、よく水洗いをして笊に上げ、再び俎板に載せ縦に二つに切り、それから芽生姜をよく水洗いして、木口から薄く切ります。
 壷か

もっとみる

第二章   ○茄子の深川漬け

 これはその名の如く、実に風雅な漬物です。この漬物は、ある人が大奥の老女から伝授されたと言う、珍品です。

花落ちの茄子     五合
紫蘇の実穂付きのまま 茄子の十分の一
塩          少量
和三盆砂糖      一斤(六百グラム)
水          湯呑み茶碗に一杯
上等な酢       三合

 先ず茄子の蔕を切り取ったら水でよく洗い水気を切ります。穂紫蘇も水洗いします。
 桶か

もっとみる

第二章  ○茄子の切り漬け

 これに使用する茄子は、なるべく皮の軟らかい、色艶の良いものを選んで下さい。大きな茄子は不適当なので、なるべく小さいのがよいでしょう。

小さな茄子     五十個
塩         茄子の十分の一
焼き明礬      少量

 例によって茄子の蔕を切り取り水洗いします。そのまま笊に上げ、暫く水気を切り置きます。水気を切ったら縦二つに切ります。又それを横に置き換えて、木口から五ミリほどの厚さに切

もっとみる

第二章   ○茄子の金平漬け

 金平とは、蕃椒又は山椒、胡椒など香辛料の色々を混入して調理する食品の事です。金平牛蒡とか、金平味噌などがあります。この茄子の漬け方もその一種です。

花落ちの茄子     五合
塩          適量
葉付き生姜     茄子の四分の一
葉付き蕃椒     茄子の三分の一
蓼         茄子の四分の一
青山椒       少量

 沢山の材料ですが、これを用意していずれもよく水洗いして

もっとみる

第二章   ○茄子の糀漬け

 糀漬けにはいろいろの漬物があります。ここで説明するのは、普通町の漬物屋で売っている糀漬けの仕方ですから、比較的永く保存することが出来ます。茄子はなるべく一口茄子か、或いは花落ちと称する至って小さな茄子を使って下さい。

花落ち茄子     五合
糀         二合
塩漬け紫蘇の実   少量
味醂        三合五勺
塩         少量
赤蕃椒       二〜三本

 先ず茄子は

もっとみる

第二章   ○茄子芥子漬け

 茄子の芥子漬けには、甘味漬けと辛味漬けの二種類があり、普通漬物屋で売っているのは甘味漬けの方です。しかしこの甘味漬けは口当たりは良いのですが、永く保存が出来ません。又あまり甘過ぎると風味を損なって
しまいます。

なるべく小さな茄子     八合
塩             少量
味醂            三合五勺
芥子            三合

 これに使用する茄子は、花落ちと称する至っ

もっとみる

第二章   ○鼈甲漬け茄子

 これもその名称の通り、その漬け終わりの色合いが、程良く鼈甲色になるからです。そしてその風味も又特別で、味噌漬けの茄子さへあれば、何時でもお手軽に拵える事が出来る、実に経済的でよろしい香の物です。

味噌漬けの茄子     適量
味醂         茄子の量とすれすれ

 これに使用する味噌漬けの茄子は、あまり古過ぎるのは、その色合いが悪いから風味はよろしくありません。
 味噌漬けの茄子を取り出

もっとみる