第二章   ○味噌漬け茄子

 一口に味噌漬けと言いますが、味噌を樽の中に仕込む時に茄子を漬け込む仕方と、味噌を拵えた後、味噌がよい加減となってからその中に漬け込む仕方がありますが、ここで紹介するのは、味噌と共に漬け込む仕方です。

田舎味噌      適量
中位の味噌     適量

 これは分量が決められません。というのも、味噌を樽に仕込む量によるからです。それから田舎味噌と言うのは、東京で言う普通のしょっぱい味噌の事です。
 まず漬け方の手順ですが、例により茄子を水洗いして笊に上げ、よく水気を切って蔕を切り取るか、少々短く蔕を付けて置いても結構です。
 味噌を仕込む時、樽か桶の底に二寸ほどの厚さに味噌を入れ、その上を手で平に均し茄子を列べて入れます。その時茄子と茄子が付着しないよう、程良く距離を空けて列べてください。茄子を列べ終えたら味噌を万遍なく詰め、茄子が隠れるほどに入れては、又茄子を列べます。
 こうして詰め終われば蓋を堅くして紙で目張りをし、そのまま日光の当たらない所に置き、一年ほど経てば食べられますが、なお数年経つと、益々風味は良くなります。ただし漬け込む茄子の量は、四斗樽に仕込む味噌であったら三十〜四十個位が程度でしょう。それより多く漬け込むと、味噌も共にその風味を損じてしまう恐れがあります。


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