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私の中東冒険記①旅立ちと洗礼

東欧ブルガリアから中東パレスチナに渡った日本人はもしかしたら史上初だったかもしれない。遡ること2年と少し前、私は格安航空の恩恵を受けてパレスチナを初体験していました。

初対面でほぼ毎回尋ねられることといえば「なんでパレスチナ行ったんですか?」。最近では話し過ぎて自分でも「あれ、なんでだったっけ」と思ったりするけれど、突き詰めたら「好奇心」だったろうなぁ。パレスチナ問題という言葉を知って、いろいろ気になって本を読んでみるうちに、知ったつもりにはなった。でも現地の様子は想像するしかなくて、私の当時の頭の中のパレスチナは「紛争地」でした。だから、本当のことを知りたくて渡航したというわけです。

でもですよ、日本にいるととてもじゃないけど行かせてもらえないだろうと思っていたので、海外から行くという手段を使ったわけですが、やはり周りには随分心配されました…。打ち明けるのも勇気が要ったし、大変でした。私の場合奇跡的な出会いがあり現地で勉強中の日本人に案内してもらうことになっていたので、それが安心要素にはなったものの、それでも電話越しに伝わる重圧…!!爆弾に当たるんじゃないかとか心配されているうちにこっちもなんだか不安になってきて、ひとりナーバスになっていたところをドイツの友人にツっこまれるという。笑 ヨーロッパの人的には、「パレスチナ行くの?いってらっしゃーい」以上!なんだなぁこれが。危ないという認識は、無い!メディアの伝え方とか、受けてきた教育の内容が違うんでしょうね。

そうして期待半分心配半分でパレスチナの地をさくっと踏みしめた彼の地への第一印象を日本的に説明するなら、愛媛のポンジュースです。

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ポンジュース。美味しいですよね。なにがポンジュースかというと、①距離感②顔面の圧③それらを合わせたアラブ感がぎゅっっと濃縮されていて、爆弾の心配より濃さを受け止めることが目の前の課題だった訳です。日本人の女性が1人でほっつき歩いているとパレスチナでは非常に目立ちます。そもそも外国人が多くないうえ、アジア人で女性なのでおっちゃんたちは「見かけない顔だが誰だ??」と思い、「ニーハオ」と声をかけてきたりするのです。苦笑いでスルーしてしまったので、次回はちゃんとニーハオで返そうと思います。ごめんねおっちゃん。ただ、そうじゃない場合もあります。東京と地方みたいなもので、都会に行くといろんな人がいるのでそんなに目立ちません。ひとりカフェも余裕です(カフェはそもそも男性の社交場です。ムスリムが多い地域でそれをするとまぁ浮きます)。地方に行くと外国人は注目の的です。笑

でも、ほっつき歩いていて危険に遭遇したことはありません。中東は戒律上のこともあって盗みはご法度なので、スリがほぼない!✨旅行者垂涎ですね。3回現地に行ってますが、最大限に困った瞬間は紛争だとか犯罪ではなく「イスラエルとヨルダンの国境が早じまいして締めだされ、砂漠っぽい何もない場所で行く宛てが無くなった」こと。いやーーー、先に言ってよ!開いてないなら来ないやん!日本はきっちりした国なので世界中大体どこへ行っても渡航先のほうが適当なわけですが、ここでも遺憾なく発揮。まぁ細かすぎるよりはこれくらいのほうがいいと思いますけどね。この時は優しいような無情なような、イスラエルの女性職員相手に粘った結果キンキンに冷えた水をプレゼントされ「5キロ先の町まで歩け、がんばれ、じゃあ私は帰るわ」という結果に。ちなみになんで早じまいだったかというと、この日はちょうどイスラエルの大統領選だったからです(だからってひどいわ)。

ほっつき歩いていてもうひとつ困るのは、いや、目的地があって歩いていたとしても、方向音痴で地図が読めない私には迷子になる特技があります。そういうとき、イスラエルでもパレスチナでも常にだれかが助けてくれました。最初の頃なんてパレスチナでの自分の家(ホームステイ先)への帰り方が分からなくなって、近くのお店で助けを求めたら、ベランダからの景色の写真で場所を理解してくれて車で送ってもらったこともありました(いやごめんなさい)。

またある時には知人と待ち合わせをしていたら、レストランから店員さんが出てきてコーヒーをくれたこともありました。アラブのおっちゃんたちは、総じて顔が濃い!普段見慣れている大和顔と比較してその威圧感はすごい。けれど皆優しくて面倒見が良いんです。

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もしパレスチナに知り合いができたら、必ず呼ばれるのが結婚式。子だくさんで親戚が多いうえ、結婚式の垣根が低くご近所にも招待状を送るため(しかも「今週やります」みたいな気軽さ)、その機会はしょっちゅう訪れます。ムスリムの結婚式しか参加したことは無いのですが、そこでは男女は別の部屋に分かれています。女性の会場はDJが選曲して皆が踊りまくってます。特に花嫁に近い親戚や友人は普段ついぞ目にしないような露出の多い派手なドレスを着て、濃い化粧をして、結構踊り慣れた様子で楽しんでいたり。日頃そんな素振りを見せない私のホストシスターも、ばっちり踊りをキメてなんだか嬉しそう。

音楽と言えば私が2度目に行った頃(2018年夏)はちょうどK-POPが流行していて、パレスチナで逆輸入的にBLACKPINKを知りました。フリを教えてもらって一緒に踊っていたら、ホストマザーに120%優しさ由来で「なかなかサマになってるよ~」と微笑まれました。それで、K-POPって日本語も多いじゃないですか。その日本語を聴いて単語を覚えたり、会話を理解したりしていると言われたのはびっくりでした。あとはアニメも入って来てますし、日本はパレスチナで意外と知られてます。それでもニーハオと呼び掛けられるのは、まさか日本人がパレスチナの通りを散歩しているなんて思っちゃいないからだろうなぁ。

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パレスチナとの出会いや最初の頃に受けた洗礼をこうしてつれづれなるままに書いてみたきっかけは、先日開いたゆるい集いから。パレスチナに行った時の話を聞かせてほしいということだったので、ああでこうでそうなって〇×※△%・・・としゃべっていたら、「危ないとこだと思ってたけど、なんか印象が変わった。パレスチナに行きたくなりましたー」という一言をいただいて。改めてお礼が言いたい。そしてこうして書くことに繋がったのも有難うございますと。

とりあえず、彼女におすすめしたくせ自分もまだ行けていないタウベ村のオクトーバーフェスでパレスチナ地ビールと音楽に浸りたい!

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