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【コラム】「さかとケ」は、親戚達が何気なく帰る場所、帰る宿

こんにちは。「帰る旅研究会」共同代表、一般社団法人 雪国観光圏代表、そして旅館を2軒経営する井口智裕です。

お金をとらない宿「さかとケ」をつくりました

今年、南魚沼で経営する「古民家ホテル ryugon」の一角に、泊まりながら宿しごとを担うプロボノワーカーのためのワークインレジデンス「さかとケ」をつくりました。宿の仕事5時間のワークを手伝うことで、宿泊料代わりになる新スタイルの施設です。なぜ旅館を経営する私が「お金をとらない宿」をつくったか。その背景には幼少期から見ていた風景、感じていた想いがあります。その話をここに書いてみます。

●NEWS
さかとケ公式サイトがOPENしました!(2023年1月更新)


旅館業を代々経営する家に生まれた

私の実家は越後湯沢で4代にわたって旅館業を営んでいる。当時は旅館の一部に住んでいたため、家の中には常にお客様や宿で働く仲居さんがおり、家が留守になることはなかった。両親や祖母も一緒に働いてたので、休みの日でも家族がそろって出かけることなどなかったが、近所には私と同じように家が商売している幼馴染みも大勢いたので、不思議と寂しさを感じることはなかった。

親戚がそろっての記念撮影

旅館=家は、親戚、外から来た人たち
みんなが集う接点だった

親戚達が一堂に集まるお盆とお正月は、旅館は泊まれるテーマパークに変わる。世代が近い従兄弟同士が集まり、旅館でみんなで遊ぶ。旅館全体を使った「隠れんぼ」は鬼役が発見するまでに時間がかかり、隠れた本人が布団部屋でそのまま寝込んでしまうこともあった。
宿が忙しくなる夕暮れはみんなで料理の盛りつけや布団敷きを手伝い、誰が一番うまくできるか競争する。さらに親戚たちの滞在が長くなると、近所の子供たちとも仲良くなり、一緒に遊ぶこともしばしばあった。それぞれ近所の親戚同士がチームに分かれ、一族対抗で野球大会をすることもあった。
夏休みや冬休みにはどこかにいくことはできなかったが、それでも遊びに飽きることはなかった。親戚達の里帰りをいつも待ちわびていたし、旅館という場所が地域の人と外から来た人を結びつける接点になっていた実感は私の原体験の中に明確にある。

実家だったいせん旅館

「さかとケ」を、あのころのような帰る宿に

帰る宿「さかとケ」では、まさに私が子供の頃に楽しみにしていたような繋がりが持てたらと思う。
何かの目的のために訪れるというよりも、何気なく立ち寄り、何気なく時間を過ごす中で新しい関係性が生まれ、それが遊びであれ、仕事であれお互いにわくわくする時間。そんな時間がこの龍言荘で取り戻せたらと思っている。

「ぼっちゃん刈」が私



「さかとケ」のご利用・申し込み方法はこちら

●さかとケ公式サイト

●さかとケの記事



<プロジェクトの概要>

●「帰る旅」とは?

・何度も、ある地域へ、ある場所へ通う旅・帰る旅、いらっしゃいませではなく、おかえり・ただいまで始まる旅
・旅先の人たちと一方通行の関係性ではなく、相思相愛の関係性を築くことで「帰る場所」ができ「帰る旅」となる。
・そのための場と関係性をつくる実験的なプロジェクトを、一般社団法人雪国観光圏がじゃらんリサーチセンター(株式会社リクルート)が協働で取り組んでいます。

●帰る旅公式サイト


●ワークインレジデンス「さかとケ」は
 5時間のお手伝いワークが宿泊料代わりになる新スタイル

入口は隠れ家のようにひっそりしてます
何度も通うと、顔見知りも増えたり
シングルルームが全4室


・帰る旅の拠点となる「さかとケ」は新潟県南魚沼市の「古民家ホテル ryugon」敷地内の一角にあります。全4室のシングルルームに泊まりながら宿しごと(5時間以上)を手伝うことで宿泊料が免除になる、プロボノワーカーのためのワークインレジデンスです。
・例えば、有給休暇をとって異日常体験をしてみたい人、日中はリモートワークをしながら暮らすように旅する体験をしたい人、大学の授業の一環で地域の中で実証実験をしながら滞在したい学生、など使い方はさまざま。
・この場所を起点に、域外から来た人が、土地に住む人との関係性を育み、「帰る旅」を一緒につくる仲間となればと考えています。

「さかとケ」のご利用・申し込み方法はこちら


<帰る旅プロジェクトの活動>

「帰る森(森の保護+価値創造)」「帰る農園ランチ(ワイナリーでお手伝い)」「雪国 帰る市(のみの市)」など、多様な切り口で活動中
どれも現在は数名の小さなプロジェクトです。それぞれ部活のようなイメージでしょうか。自分の興味ある活動に気楽に参加して、「帰る旅」を楽しむ人を現在募集しています。

「帰る旅」を一緒につくる仲間を募集しています。
まずはフォローから。最新情報が届きます。

●帰る旅公式Twitter https://twitter.com/kaerutabi_prj




だれかがいるから帰る場所になる


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