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雑記

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2022年9月の記事一覧

世界を好みの形に変えてる間におじいさんになっちゃうぞ

世界を好みの形に変えてる間におじいさんになっちゃうぞ

リコリコの最終話。世界を変えようとするテロリストに対して、主人公の千束が放った言葉が、タイトルの言葉だ。

千束はかわいい。でもこのセリフは、すんなりと受け入れることができなかった。

言わんとすることはわかる。そんなことよりも今の世界を受け入れて好きなことをやっている方が幸せだという理屈も理解できる。

だがそれでも、あからさまに現状維持を肯定しすぎている。僕は千束の、権力を無視してすらもなお好

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不都合な歴史はそこらじゅうに書かれているが、何も変わらないのさ

不都合な歴史はそこらじゅうに書かれているが、何も変わらないのさ

ワンピースの熱心な読者なら、「空白の100年」「ある巨大な王国」といったキーワードにワクワクせずにはいられない。ワンピース世界の成り立ちは、謎に満ち溢れていて、それらが解決されるかもしれないという期待で胸を高鳴らせて、毎週ジャンプの早バレをチェックしている読者も少なくないはずだ。

フィクションの世界の「成り立ち」には、誰しもが興奮する。しかし、いざ実際に自分たちが暮らすこの世界の「成り立ち」に話

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資本主義が生み出した文学を愛する

資本主義が生み出した文学を愛する

資本主義がなければ、マルクスは『資本論』を書かなかったし、資本主義を批判する天文学的な数の書物も存在しなかった。

つまり僕の本棚を埋め尽くす書物の半数は、消えてなくなる。たぶん、資本主義が加速した社会を描いた『サイバーパンク2077』や『ブレードランナー』といった作品も存在し得ない。

なんやかんやと資本主義を批判しがちな僕たちは、批判そのものを楽しんでいる。これは部落解放運動が部落差別を渇望す

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アナキストは農業とアートを登竜門にするのをやめればいいと思う

アナキストは農業とアートを登竜門にするのをやめればいいと思う

都市派アナキストはバンクシーみたいなことをやり始めて、自然派アナキストはマーク・ボイルみたいなことを始める。

都市派アナキストは、「あ、なんだかややこしい現代芸術ね」と一瞥され、自然派アナキストは「環境に優しくて素敵ね、ふふふ」と微笑みを投げかけられる。

どちらも変人の奇行にしかなれないのだ。このままでは、アナキズムが市民権を得ることはない。

かつてはモブによる暴動を意味していた民主主義(デ

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IQ、いる?

IQ、いる?

ヴィーガン食はIQが下がる可能性があるらしい。へぇ‥。

あれを食ったらIQが高くなるとか、これをやったらIQが下がるとか、そういう言説は人の不安を煽るわけだが、その前提としてあるのは「IQは高ければ高い方がいい」という考えだ。

僕は生きてきて、今より頭が良くなりたいと思ったことはないし、今より多少馬鹿になってもそんなに問題ないと思っている。

僕は記憶力が皆無で、引っ越してから1ヶ月くらいは家

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おれは能力を使いすぎたので、一息つく(だらだら)

おれは能力を使いすぎたので、一息つく(だらだら)

ここ数日、僕は酒を飲んだり、畑仕事をしたり、友達の引っ越しを手伝ったり、息子と遊んだり、予定を詰め込みすぎた。

慣れない肉食と深酒を経て寝不足の状態で体を動かして全身が筋肉痛だ。

今日はようやく予定がない休日。

朝から本を読んでいたが、どうにも頭に入らない。ならばこの前読んだ『レンマ学』という本の感想でもnoteに書こうかと思うが、それもどうにも纏まりきらない。書きかけのネタを無理やり完成さ

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業務効率化なんてしないで、定時で帰ってやんよ

業務効率化なんてしないで、定時で帰ってやんよ

ホワイトカラーのサラリーマンなら誰しも、自分に与えられたブルシット・ジョブを素早く終わらせて、さっさとYouTubeの鑑賞やKindleでの読書に専念したいはずだ。ならば、仕事なんて早く終わらせるに限る。

僕は、仕事をさっさと終わらせることにかけては、そこそこ自信がある。別に僕はWindows95もiPhoneも開発していないので、大した仕事はしていないと言われればそれまでだが、まぁとにかく自信

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東洋哲学的な直観と、オジサンの直感の違い

東洋哲学的な直観と、オジサンの直感の違い

大乗仏教的な縁起の発想から、直線的な因果関係ではなくさまざまな関係性を含んだ全体の秩序をガバっと掴みにかかる、いわゆるレンマ的な直観が注目されつつある。論理を緻密に組み立てていくロゴス的な発想(≒西洋的な発想)の限界を越えるリーサルウェポンとして。

この発想自体は悪くないと思いつつ、僕はその先に希望的な未来を思い描くことができない。

「いや、なんとなく‥こうなのだよ」というバイアスまみれの直感

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アメリカインディアンと僕たちの違い。あるいは加速主義について。

アメリカインディアンと僕たちの違い。あるいは加速主義について。

アメリカインディアンは面白半分でマンモスを皆殺しにして、満腹感をたっぷり味わった後に、ようやく後戻りできないほどに自然を破壊したことに気づき、自然の美しさに思いを馳せたらしい。そういう意味では、アメリカインディアンは加速主義者だった。

僕たちも同じだろうか。

アマゾンを丸裸にして、石油を掘り尽くして、太平洋をプラスチックで埋め尽くした後にしか、本気で自然を大切に使おうという気分にはならないのだ

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「お前ほんまに読んだか?」的「いいね」についての一考察

「お前ほんまに読んだか?」的「いいね」についての一考察

「いいね」をつけてくれた人がどんな人なのかを知るために、その人のページを覗く。

するとその人のページでは、自分と真逆の主義主張が展開されていることに気づく。僕がその記事でボロクソに書いたような典型的な人物だったりすることもある。

「お前ほんまに読んだか?」という感想を抱かずにはいられない。そんな経験、皆さんにもないだろうか?

いや、別に構わないのだ。読まずにいいねしてくれても(いいねが増える

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発表する機会がないのでビジネスアイデア集をまとめておく

発表する機会がないのでビジネスアイデア集をまとめておく

誰しも温めているビジネスアイデアの1つや2つくらいあると思う。しかし、その99.99%は実行されることはない。

なんと言ってもめんどくさい。それに、ひとたびそんな話を誰かにすれば「それ、もうあるよ‥(だから参入障壁を設定されているからやめときなはれ)」と言われるか「そんなサービス聞いたことないけれど、誰もやっていないってことは、儲からないってことや、わかるか?」と言われるかのどちらかだ。

だか

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多くの日本人のブルシットジョブ論がいつも微妙にズレているのはなぜか?

多くの日本人のブルシットジョブ論がいつも微妙にズレているのはなぜか?

「そうそう無意味な仕事多いよねー、ウチの会社も1円にもならないような無意味な会議や資料づくりばかりで‥」

ブルシットジョブについて話すと出てくるこのセリフは、微妙にブルシットジョブ論からズレていて、僕はいつも歯がゆい想いだ。

恐らく、ブルシットジョブ論がいう「無意味」と、この人が言う「無意味」は違う。

この人のいう「無意味な仕事」とは、会社が金銭的な利益を得ることに直結しない仕事を意味してい

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ミックスナッツと後輩くん

ミックスナッツと後輩くん

「リアクション薄いって言われるんですよね」

と、会社の後輩が話していた。たしかに、彼は暖簾に腕押しを体現した人物で、会話に手応えを感じない。

ただ、解決策は単純だ。大袈裟にリアクションすること。それだけなのだが、どうにも抵抗があり、まるで自分を偽るかのような気分になるらしい。

ここで僕は彼の過ちに気づく。彼は自分の「真に自然な心理を表現する、真に自然なリアクション」とやらが存在すると思い込ん

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ラッダイト運動をしてみたくなることだってある

ラッダイト運動をしてみたくなることだってある

ラッダイト運動は、メタバースの時代にFAXに固執するような、ブロックチェーンの時代にハンコに固執するような、そういう馬鹿馬鹿しさの代名詞として扱われる。

僕は、この扱いには違和感がある。

だったら何か? 嫁子どもと共に低賃金で搾取されながら1日16時間も工場で働き詰めていることがスマートな生き方だったとでも言うのだろうか?

かつて、仕事は職人たちのものだった。自分で裁量を持って、自分の腕一本

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