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業務効率化なんてしないで、定時で帰ってやんよ

ホワイトカラーのサラリーマンなら誰しも、自分に与えられたブルシット・ジョブを素早く終わらせて、さっさとYouTubeの鑑賞やKindleでの読書に専念したいはずだ。ならば、仕事なんて早く終わらせるに限る。

僕は、仕事をさっさと終わらせることにかけては、そこそこ自信がある。別に僕はWindows95もiPhoneも開発していないので、大した仕事はしていないと言われればそれまでだが、まぁとにかく自信がある。

僕は仕事をしているときは効率厨だ。しかし、最先端のITツールを導入したり、デュアルディスプレーを導入したり、ノートパソコンの角度をちょっと傾けるための台座を使用したりはしない。

僕はそういうことを考えている人ほど、仕事が遅いように感じている。なぜか? 心の中に言い訳を作っているからだ。「なんか、集中できないなぁ…パソコンの画面が見づらいからだ!」「システムが悪いからだ!」というわけだ。そうこうしている間に、タバコを吸いに行ったりする。

僕は仕事のスピードというのは、システムの問題ではなく、メンタルコントロールの問題だと思っている。

仕事ツールなど、最低限でいい。集中できないなんて嘘だ。人間は爆音が響く地下のダンスフロアだろうが、図書館の中だろうが、集中しようと思えばできる。

どうやって集中するのか?それにはいくつもの手法が存在する。僕なりのやり方を、メモしておこうと思う。


仕事が0の状態が、基本

仕事が0なら、1つの仕事が入ってきたら、1つの仕事しか存在しなくなる。そしてきたものを処理する。これが基本の心構え。仕事を溜めるのは癖になる。仕事が0でなければ気持ち悪い。それくらいの気持ちで挑むことが大切だ。


一度仕事を始めれば、効率のことは考えない

リビングからキッチンへ皿を運ぶとき、一度で全てを運ぼうと試行錯誤するより、さっさと諦めて何往復もする方が早いことの方が多い。それと同じで、「とりあえず始めてしまう」方が結果的に早いというのが僕の実感だ。あれこれ効率のことを考えるのは、仕事が終わってからでいい。終わった後に、「あ、このやり方効率悪かったなぁ」と反省すればそれでいい。次回同じことに取り組むときは、勝手に改善される。頭で考えただけの小手先の効率化は、大した効率化にならないことの方が多い。


コーヒーを飲むのは、仕事が全て終わってから

コーヒーをダラダラ飲む習慣を持っていれば、常にコーヒーが「仕事から離れる理由」として僕たちの前に立ち現れることになる。加えてコーヒーは尿意を催すことになる。尿意も「仕事から離れる理由」だ。「仕事から離れる理由」は少なければ少ないほどいい。タバコも同様だ。


昼飯は抜き、間食を一気に摂る

満腹感も空腹感も敵になる。できれば何も食べずに集中するのが好ましいが、どうしても空腹感が邪魔をしてくる場合もあるので、そういう場合は手軽なポテトチップスを食べたり、コーラを飲んだりすればいい。特にコーラは血糖値がグッと上がるので、空腹感が消えてオススメだ。この程度の食事なら、空腹感が「仕事から離れる理由」として立ち現れることもないし、満腹感が集中力を損なうこともない。


電話はサイレントモードで固定

電話は集中力にとって害悪であることはもはや常識となった。しかし、それでも電話は鳴る。なので、サイレントで固定。同時にLINEやチャット、メールなども通知を出さない。1つのタスクが終わってから一気にチェックする。


話しかけられたら、そのタスクはその流れで終わらせる

人間にはマルチタスク能力が備わっていないのは有名な話だ。できれば1つの仕事に集中し続ける方が好ましい。しかし、できるだけ話しかけられないような環境を構築しようとも、どうしても話しかけられることはある。そうなったときの対処法はこれだ。例えば、Aのタスクを取り組みながら、Bという新しいタスクの依頼について話しかけられればもう既にBのモードへ強制的に移行する。そのあとAに戻って終わらせてから、またBに移行するとなると、A→B→A→Bと3回もタスクを移動することになる。一方で、話しかけられた流れのままBを終わらせてからAに戻れば、A→B→Aで、2回という最小限のタスク移動で済ませることができる。


忘れるために、メモを取る

優先順位の関係で、依頼されたままスグに終わらせることができないタスクは、全てテキストで参照可能な状態に保存し、意識から締め出す。意識下に複数のタスクを残留させてしまえば作業効率が一気に下がるため、アクティブなタスクは1つに絞る。


デスクトップと、ウィンドウを渋滞させない

デスクトップがこんがらがっていたり、ウィンドウがいくつも開いていたら、必要な情報にスグにアクセスできなくなるばかりか、1つのタスクから意識を逸らせる罠を自ら用意することになる。その作業で必要なものしか視界に入らない状態を作り、1つのタスクを終えればそのタスクに関連する情報は全て見えないところにしまうべきだ。


会話は情報収集のためで、相談のためではない

人と話しながら何かの結論に辿り着くことは稀だ。だから、意見を聞くことも、その人が持つ知識を引き出すことも、情報収集と割り切る。その後、自分の中で整理して、自分で暫定的な結論を出す。それをもとに再び議論の場を設けるのが良い。そして、再び出てきた意見をもとに、こちらで次の結論を出す…これを繰り返してゴールを目指す。暫定的な結論がなければ話は抽象的になり、無意味に時間が過ぎることになる。だからまずは結論を出すことを重視する。その結論を見てから話し合った方が早い。


とにかく手をつけたものは、終わらせる

一度手をつけた仕事が終わるまで、中断しないこと。良いアイデアが思い浮かばない場合でも、ゴミみたいな完成度でとにかく形にする。どうせ、良いアイデアが浮かばないなら、その場でどれだけ考えても浮かばない。そして、中途半端なまま手を離した場合は、その仕事がずっと頭から離れずに、結局、ずっと悩み続けるような状況に陥る。ならば、一旦形にし終えて「最悪この状態で納品すればいい」という状況にしておいてから手を離す。そうすれば綺麗さっぱり忘れられる。提出納期の少し前くらいに見直すようにメモで自分を促しておけば、その時には脳内がリフレッシュされていて、また新しいアイデアが生まれるかもしれない。もし生まれなければゴミみたいな完成度で納品すれば良い。納期に遅れるよりはマシだ。


結論、1つの仕事に集中する。

どうすれば目の前のタスクを1つに絞れるか。僕はそれだけを考えてきた。できるだけ仕事のストックは1つにし、どうしても2つ3つになってくるなら、他のものは綺麗さっぱり忘れる。1つに絞れば、人は勝手に集中する。

最近、僕は人を教える立場になって、世の先輩方と同様に、後輩たちの仕事の遅さにイライラしているが、僕は人の能力なんて、大差がないと思っている。せいぜいIQも90~110くらいの間に過ぎないし、所詮はホモ・サピエンスなのだ。

しかし、なぜ仕事のスピードに差が生まれるのか。システム的に効率化しようとしたり、マルチタスクを実行しようとしたり、そういう余計な考えが、仕事の遅延を生む。

仕事のスピードは全てメンタルコントロールの問題。人は1つのタスクにしか集中できない。これを認識するだけで、仕事の速度は上がる。

…と、三流サラリーマンが講釈を垂れてみたところで、きっと興味を示してくれる人は少ない。でも、書き残してみた。

書き終えて思ったのは、もうちょっと上手く纏められたのではないか?という疑問だ。でも、終える。

とにかく終えて、定時で帰るのさ、僕はね。

1回でもサポートしてくれれば「ホモ・ネーモはワシが育てた」って言っていいよ!