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ひとりよがりエッセイ

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ひとりよがりな話をしています。
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2022年2月の記事一覧

【エッセイ】見ずにわかる駄作

【エッセイ】見ずにわかる駄作

作品を見ず、作品に言及する人に許しがたい感情を抱いてしまう。
インターネットで簡単に人のレビューが見られる時代、誰かの感想を借りて何かを語ることは本当に簡単だ。私が積極的に感想を書くようになったのは、そういう人になりたくない気持ちもある。拙くとも、自分の感情や考えを自分の言葉で語れる人間でありたい。

しかし何年か前、その考えを見直す出来事があった。星新一のSSが実写ドラマ化された時の話である。(

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【エッセイ】この気圧はなんだろう

【エッセイ】この気圧はなんだろう

昔より気圧に弱くなった気がする。低気圧だと気分はどん底になるし、高気圧だと訳もなくテンションが上がる。どっちにしろ疲れるので勘弁してほしい。

ただ気圧に弱いと自覚したのは、気圧の変化を気にするようになってからである。
たまに考える。卵と鶏の関係のように、たまたま不調のとき低気圧だったのを勘違いして、それから低気圧に弱いと思い込んでいるんじゃないか、と。

さくらももこ氏のエッセイ漫画で、遅刻のい

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【エッセイ】アウトプットはしんどい

【エッセイ】アウトプットはしんどい

書けば書くほど自分の未熟さがしんどくなってくる。

日々の気圧だとか体調だとか冬の寒さとか、そうした要因で情緒不安定になっているところはある。あるが、吐き出さなきゃ引きずる感覚でもある。なので吐き出してしまいましょう。

書いて、他の人の作品を見ては、打ちのめされている。noteは良くも悪くも他人の作品にアクセスしやすい。自分で量産しているだけの間はいいが、他人の作品を見始めるとダメだ。あまりに洗

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【エッセイ】ベッドにリバース(婉曲)事件

【エッセイ】ベッドにリバース(婉曲)事件

疲れて帰った日、家に帰ると猫が勢いよく出迎えてくれた。それだけで精神的HPが大幅回復する。
そして気分よく寝室に向かうと、自分のベッドに猫のゲロがぶちまけられていた……。

猫を飼いたい、と人から相談されたら絶対に伝えようと決めているのが上のエピソードである。まさに天国から地獄であった。
猫飼いなら知っていることだと思うが、猫は本当によく吐く。近頃の我が家の猫は、吐き始めると断続的に4回吐く。1回

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【エッセイ】読解と解釈

【エッセイ】読解と解釈

読解は誰から見ても揺るぎない事実であり、解釈はその事実を下敷きとしたものである。
「解釈は人それぞれ」とされるが、「読解は人それぞれ」とはならない。読解は人それぞれのものじゃないからだ。

例えば
「A氏はカレーが食べたい」
とあったなら、A氏が食べたいものはカレー、これ以上の読解はできない。

そのカレーが甘口か辛口か、牛か豚か鶏かシーフードかは不明だ。
家庭の味なのか、定食屋のカレーなのか、は

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【エッセイ】聞くも聞かぬも恥

この諺を絶妙な塩梅に感じるのは、聞いても聞かなくても恥としているところだ。例えば「聞かぬは一生の恥」だけだったなら、他人が知らないことをバカにしているだけにも感ぜられる。どちらも恥ずかしいからちゃんと聞いた方がいいぜ、と、負の感情を認めた上で教え諭す形なのが絶妙に感じるのである。

負の感情(恥)を認めたがらない人は大人でもいる。
小学生の頃、「わかった人は手を上げて~」「間違えても恥ずかしくない

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【エッセイ】ネコ様はひなたのかおり

【エッセイ】ネコ様はひなたのかおり

日向ぼっこした猫からは、よく干した布団のような良いにおいがする。かといって人間の体臭ほどにおいが強くないので、相当近づかないとわからない。よく毛に顔を突っ込んでにおいを嗅いでいるが、こういうキモい動きをしても猫は嫌がらない。猫の方も人間のにおいを嗅ぐからお互い様だと思っているのだろうか。

しかし近頃、我が家の猫は無臭である。冬場は日が弱いこともあって、日向ぼっこをしていてもにおいが強くならない。

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【エッセイ】好きだけど好きじゃないカカオ70%

【エッセイ】好きだけど好きじゃないカカオ70%

チョコレートはカカオ70%がいい。
80%も美味しいけれど、甘すぎず控えめすぎない70%ぐらいが一番いい。
70%より低いカカオ含有率でもコーヒーと一緒に食べると格別の美味しさになる、これもまたいい。
結局ほとんどのチョコレートを美味しく頂けるのである。

しかしながら、70%がいいと言っておきながらチョコレート効果があまり好きになれない。
カレ・ド・ショコラとかカカオの恵みとか、ほかの約70%チ

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【エッセイ】マスク生活は七難隠す

【エッセイ】マスク生活は七難隠す

コロナ禍によるマスク生活が続く。
最初は煩わしくて仕方がなかったが、もはやマスクに慣れすぎてしまった。しばしば「マスクなしでの生活が考えられない」と話題になる。
感染対策の他にも色々とメリットの多いマスク生活だが、個人的に大きなメリットの一つが「他人のにおいが気にならない」点である。

体臭の話はどうしてもセンシティブな話題となる。
昔、アルバイト先の人がバイト前日に焼き肉をしこたま食べてきて、す

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【エッセイ】美味しいエッグタルトを食べたい

【エッセイ】美味しいエッグタルトを食べたい

マイブームを人に知られると大体終焉を迎える。我ながら天邪鬼も甚だしいものだ。

過去、人に知られて終焉を迎えたマイブームのひとつはカップワンタンである。
社会人なりたての頃、お弁当を作ったりもしていた。秋頃だろうか、汁物が欲しくてカップワンタンを添えることが増えたのである。
毎日同じようなものを食べていると認知されるもので、ある時「かび丸さんそれ好きだよね」と言われた途端、何故か持っていくのが嫌に

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【エッセイ】いっぱい食べる君になりたい

【エッセイ】いっぱい食べる君になりたい

食べることは、好きだ。好きだが、けして大食いではない。大盛りなんて頼んだことがないし、初めて行くお店では「ご飯少なめで」と頼むぐらいだ。

一般的に食べることが好き、というと大食いのイメージがあるので、あまり主張することはない。私自身、だれかの自己紹介を聞いたときに「趣味は食べることです」なんて言われたら「じゃあたくさん食べられるのかな、羨ましいな」と思うだろう。
成人してそこそこなので、学生の頃

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【エッセイ】「推し」って言えない

【エッセイ】「推し」って言えない

応援しているアイドルのことを「推し」と呼ぶ文化がある。

人が使う分には全く気にならないが、自分では使う気にならない過渡期の言葉がある。
「性癖」がそのひとつである話を前に書いたが、同じようなポジションにいるのが「推し」である。

使う気にならない大きな理由として、「推し」という言葉には人に薦める、推薦する意味合いが含まれるからだ。
私は"自分が"好きであればいいと思っているので、人に薦めたい気持

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【エッセイ】猫にとっての幸せのかたち

【エッセイ】猫にとっての幸せのかたち

野良猫の寿命は5年ぐらい、らしい。
我が家の猫は元野良猫で、今度の春に推定10歳となる。

もし野良猫のまま生活していたらどうなっていたんだろう。もうこの世から去っていたかもしれない。地域でかわいがられて野良のまま長生きしたかもしれない。
我が家に来たことが良かったかどうかは本人(本猫)にしか判断ができない。人間だって「長生きするより、太く短く生きたい」と言う人もいる。知人の猫は、何度も保護しても

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【エッセイ】ロールケーキの丸かじり

【エッセイ】ロールケーキの丸かじり

ケーキを1ホール食べるとか、ロールケーキ丸かじりとか、「一度やってみたい食べ方」があったらなるべく早くやった方がいい、という説に激しく同意する。
今後の人生で、一番若いときは今だ。

私も中高生の頃には、ヤマザキ製パンのスイスロールを一人で丸かじりするぐらい甘いものが大好きだった。今も美味しいと思うが、丸かじりはできない。一切れで満足してしまう。
高校生の頃は今よりムダにエネルギーを使うお年頃だっ

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