自由が丘翻訳舎

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記事一覧

100分de名著 ジョーゼフ・キャンベル『千の顔をもつ英雄』

NHK Eテレの番組『100分de名著』にて、ジョーゼフ・キャンベル『千の顔をもつ英雄』(訳:倉田真木他)が紹介されています。 放送は、7/1、7/8、7/15、7/22(再放送は7/5…

循環系?ホラーコミック、コワい話は≠くだけで。

読んだ本について、特に深い考察もなく、感じたままに書くだけの緩い記事です。今回はホラー系コミックスを読んでみました。noteの中で素晴らしい考察をされている方がいら…

『鳥が人類を変えた――世界の歴史をつくった10種類』(スティーヴン・モス著、宇丹貴代実訳、河出書房新社)の書評が掲載され…

「図書新聞」No.3644・ 2024年6月22日に『鳥が人類を変えた――世界の歴史をつくった10種類』(スティーヴン・モス著、宇丹貴代実訳、河出書房新社)の書評が掲載されまし…

『絶海──英国船ウェイジャー号の地獄』

ノンフィクション作家デイヴィッド・グランの最新作、 『絶海──英国船ウェイジャー号の地獄』(早川書房)が発売されました。 1740年9月18日にポーツマスを出航したウェ…

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海外ロマンス温故知新3 元祖婚活女子が火花を散らす、きらびやかなロンドンの舞踏会へようこそ!

華やかで優美なロンドン社交界で夜ごと繰り広げられる舞踏会は、ヒストリカル・ロマンスの目玉といえるのではないでしょうか。貴族の子女たちにとって、社交シーズンの舞踏…

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海外ロマンス温故知新2 野性味あふれるハイランダー、いかがですか?

ハイランダーは通常、スコットランド北部に住む戦士たちです。ロマンス小説でハイランダーものの表紙にはたいてい「筋骨隆々で上半身裸にタータンチェックのキルト」という…

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海外ロマンス温故知新1 俺様系ヒーローに翻弄される快感がたまらない

ロマンス好きの方ならご存知でしょうが、海外ロマンス小説は「愛を知った侯爵」だの「愛を知らない侯爵」だの、似たようなタイトルが多いです。うっかりしていると、一度読…

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【2023年】私の推し本(岡田ウェンディ)

今年は西東京読書会に2回参加させていただき、その時の課題図書2冊と、翻訳家で西東京読書会世話人をされている小林さゆりさんの訳された1冊をご紹介します。 『誰?』 ア…

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【2023年】私の推し本(本間綾香)

今年は仕事のためアルコール依存症関連の本をたくさん読みました。その中からオススメしたい本(&映画1作)を紹介します。 まんきつ『アル中ワンダーランド』(ノンフィ…

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【2023年】私の推し本(曽根田愛子)

初めて書くnoteが、今年の終わりにあたってのnoteです。 私の推し本は、和書、洋書から一冊ずつ。 どちらも新刊ではないのですが、個人的に今年買ったもので、何回も読み返…

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【2023年】私の推し本(古森科子)

今年1年間で読んだ本のなかで、とくに印象に残った7冊を紹介したいと思います。 アーザル・ナフィーシー『テヘランでロリータを読む』(市川恵里訳、河出書房新社、2021…

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【2023年】私の推し本(倉田真木)

今年、私が読んで目から鱗が落ちた本や、誰かと感想を語り合いたくなった本たちです。どの本とも出会えてよかった~。 藤吉豊/小川真理子『「文章術のベストセラー100冊…

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『昨夜の記憶がありません アルコール依存症だった、わたしの再起の物語』

その昔、残業から帰宅して深夜にワインを飲み、中森明菜の「駅」をYouTubeで見ながら泣く(まりやじゃダメなんです、明菜なんです)→そうしてTwitter(当時)にポエムなこ…

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クリーピーパスタ2はこんな本!第17夜SLUMBER PARTY (仮題:スランバー・パーティー)

第17夜 SLUMBER PARTY (仮題:スランバー・パーティー) 作者:Ashley Franz Holzmann 〈ストーリー〉 僕、ダン、トーマス、ランディは仲の良いグループで、ダンの13歳…

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クリーピーパスタ2はこんな本!第16夜THE STRANGEST CASE OF DR. HENRY MONTAGUE (仮題:ヘンリー・モンタギュー博士の一番奇…

第16夜 THE STRANGEST CASE OF DR. HENRY MONTAGUE (仮題:ヘンリー・モンタギュー博士の一番奇妙な事件) 作者:The Right Hand of Doom 〈ストーリー〉 モンタギュー博…

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クリーピーパスタ2はこんな本!第15夜I COULDN’T AFFORD A TATTO, SO I FOUND SOMEONE WHO WOULD DO IT FOR FREE (仮題:タ…

第15夜 I COULDN’T AFFORD A TATTO, SO I FOUND SOMEONE WHO WOULD DO IT FOR FREE (仮題:タトゥーを入れるお金がなかった僕が、タダで入れてくれる人を見つけた件) …

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100分de名著  ジョーゼフ・キャンベル『千の顔をもつ英雄』

100分de名著 ジョーゼフ・キャンベル『千の顔をもつ英雄』

NHK Eテレの番組『100分de名著』にて、ジョーゼフ・キャンベル『千の顔をもつ英雄』(訳:倉田真木他)が紹介されています。

放送は、7/1、7/8、7/15、7/22(再放送は7/5、7/12、7/19、7/26)の計4回です。第1回は「神話の基本構造「行きて帰りし物語」」、第2回は「冒険への合図にどう気づくか」、第3回は「イニシエーション――試練をどう乗り越えるか」、第4回は「帰還――社会

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循環系?ホラーコミック、コワい話は≠くだけで。

循環系?ホラーコミック、コワい話は≠くだけで。

読んだ本について、特に深い考察もなく、感じたままに書くだけの緩い記事です。今回はホラー系コミックスを読んでみました。noteの中で素晴らしい考察をされている方がいらっしゃいますが、これはあくまでも単なる感想です。

コワい話は≠くだけで。1~3
梨/影山五月

今回はすでに有名なホラーコミックを読んでみました。
漫画家の影山五月さんが、編集者の依頼により、「様々な方法で」提供される怪談話を漫画にす

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『鳥が人類を変えた――世界の歴史をつくった10種類』(スティーヴン・モス著、宇丹貴代実訳、河出書房新社)の書評が掲載されました 

『鳥が人類を変えた――世界の歴史をつくった10種類』(スティーヴン・モス著、宇丹貴代実訳、河出書房新社)の書評が掲載されました 

「図書新聞」No.3644・ 2024年6月22日に『鳥が人類を変えた――世界の歴史をつくった10種類』(スティーヴン・モス著、宇丹貴代実訳、河出書房新社)の書評が掲載されました。「図書新聞」編集部の許可を得て、投稿します。書評は下記のリンクよりお読みいただけます。(古森)

強欲にまみれた人間の性に翻弄されてきた、そして現在も翻弄され続けている鳥類に思いを馳せる非常に得難い機会となりました。本書

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『絶海──英国船ウェイジャー号の地獄』

『絶海──英国船ウェイジャー号の地獄』

ノンフィクション作家デイヴィッド・グランの最新作、
『絶海──英国船ウェイジャー号の地獄』(早川書房)が発売されました。

1740年9月18日にポーツマスを出航したウェイジャー号を含む小艦隊は、行く先々で伝染病や嵐など幾多の困難に襲われる。壮絶な航海の末、無人島に辿りついた船員たちは生き残りをかけた熾烈な争いを繰り広げる。絶海の孤島でいったい何が起きたのか。そして生き延びた33名の船員の運命は…

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海外ロマンス温故知新3 元祖婚活女子が火花を散らす、きらびやかなロンドンの舞踏会へようこそ!

海外ロマンス温故知新3 元祖婚活女子が火花を散らす、きらびやかなロンドンの舞踏会へようこそ!

華やかで優美なロンドン社交界で夜ごと繰り広げられる舞踏会は、ヒストリカル・ロマンスの目玉といえるのではないでしょうか。貴族の子女たちにとって、社交シーズンの舞踏会はまさに戦場。優雅に踊りつつも、相手の品定めに余念がありません。
今回は、貧乏な下級貴族のヒロインが、妹たちの生活を守るためにお金持ちの結婚相手をゲットしようと奮闘する、よく似た設定のお話を二作、ゆるい感想でご紹介します。二つとも人気作な

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海外ロマンス温故知新2 野性味あふれるハイランダー、いかがですか?

海外ロマンス温故知新2 野性味あふれるハイランダー、いかがですか?

ハイランダーは通常、スコットランド北部に住む戦士たちです。ロマンス小説でハイランダーものの表紙にはたいてい「筋骨隆々で上半身裸にタータンチェックのキルト」という姿で描かれ、つい「ムキムキマンのエンゼル体操」を思い出してしまうのですが(若い人、わかるかな?)、身長は2メートル近くあり、さっきも言いましたが筋骨隆々、非常に寒い地域に暮らしているせいか寡黙で口下手。大事なことを言わなかったりして時々誤解

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海外ロマンス温故知新1 俺様系ヒーローに翻弄される快感がたまらない

海外ロマンス温故知新1 俺様系ヒーローに翻弄される快感がたまらない

ロマンス好きの方ならご存知でしょうが、海外ロマンス小説は「愛を知った侯爵」だの「愛を知らない侯爵」だの、似たようなタイトルが多いです。うっかりしていると、一度読んだものをまた買ってしまったりします。そういうわけで、読んだ本の記録をつけようと思い立ち、書きためていたものを少しずつ投稿したいと思います。ただ感想を書くだけのゆるい記事です。軽くネタバレあったりしますので、これから作品を読みたい方はご注意

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【2023年】私の推し本(岡田ウェンディ)

【2023年】私の推し本(岡田ウェンディ)

今年は西東京読書会に2回参加させていただき、その時の課題図書2冊と、翻訳家で西東京読書会世話人をされている小林さゆりさんの訳された1冊をご紹介します。

『誰?』
アルジス・バドリス著
柿沼瑛子訳
山口雅也=製作総指揮
国書刊行会
2022年12月20日発行

東西冷戦下、アメリカの天才物理学者ルーカス・マルティーノは、極秘計画の実験中に大爆発に巻き込まれ、ソ連側に救助(拉致?)され、大手術の末に

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【2023年】私の推し本(本間綾香)

【2023年】私の推し本(本間綾香)

今年は仕事のためアルコール依存症関連の本をたくさん読みました。その中からオススメしたい本(&映画1作)を紹介します。

まんきつ『アル中ワンダーランド』(ノンフィクション漫画)/飲んだときの暴走ぶりに爆笑。翌日の祭りの後の虚無に首がもげるほど共感。

町田康『しらふで生きる 大酒飲みの決断』(エッセイ)/自分を普通以下のアホと思うことで味わえる人生の幸せ、解放感がある。なるほど!

岡康道&小田嶋

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【2023年】私の推し本(曽根田愛子)

【2023年】私の推し本(曽根田愛子)

初めて書くnoteが、今年の終わりにあたってのnoteです。
私の推し本は、和書、洋書から一冊ずつ。
どちらも新刊ではないのですが、個人的に今年買ったもので、何回も読み返したもの、という共通点で選びました。

Tillie Walden 『Are You Listening? 』(First Second、2019年)
今年、三辺律子さんの訳が話題になった本で、原書のほうで読みました。
どのコマも

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【2023年】私の推し本(古森科子)

【2023年】私の推し本(古森科子)

今年1年間で読んだ本のなかで、とくに印象に残った7冊を紹介したいと思います。

アーザル・ナフィーシー『テヘランでロリータを読む』(市川恵里訳、河出書房新社、2021年)
最初にタイトルを見たときは何とも思わなかったが、読み進めるにつれてイランという国で『ロリータ』を読むということがどういうことなのか、じわじわと伝わってきた。途中から戦争がはじまり、ただでさえ生きづらい過酷な環境下にある筆者や女生

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【2023年】私の推し本(倉田真木)

【2023年】私の推し本(倉田真木)

今年、私が読んで目から鱗が落ちた本や、誰かと感想を語り合いたくなった本たちです。どの本とも出会えてよかった~。

藤吉豊/小川真理子『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた』(日経BP、 2021年)
小出祥子編『オタク用語辞典大限界』(三省堂、2023年)
遠田和子『フローチャートでわかる英語の冠詞』(研究社、2022年)
小林健治著/辛淑玉企画『最新 差別語不快語』(に

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『昨夜の記憶がありません アルコール依存症だった、わたしの再起の物語』

『昨夜の記憶がありません アルコール依存症だった、わたしの再起の物語』

その昔、残業から帰宅して深夜にワインを飲み、中森明菜の「駅」をYouTubeで見ながら泣く(まりやじゃダメなんです、明菜なんです)→そうしてTwitter(当時)にポエムなことを書き散らし、翌朝恥ずかしくて死にたくなる、までがセットの儀式でした。

このほど発売された拙訳書『昨夜の記憶がありません アルコール依存症だった、わたしの再起の物語』は、アメリカ人女性ライターのサラ・ヘポラが飲みすぎて何度

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クリーピーパスタ2はこんな本!第17夜SLUMBER PARTY (仮題:スランバー・パーティー)

クリーピーパスタ2はこんな本!第17夜SLUMBER PARTY (仮題:スランバー・パーティー)

第17夜
SLUMBER PARTY (仮題:スランバー・パーティー)
作者:Ashley Franz Holzmann

〈ストーリー〉
僕、ダン、トーマス、ランディは仲の良いグループで、ダンの13歳の誕生日を祝って、トーマスの家の地下室でスランバー・パーティーをすることにした。トーマスの父はアルコール依存症で、その日も家を空けて近所のバーで飲んだくれていたので、トーマスの家で大騒ぎをするには好

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クリーピーパスタ2はこんな本!第16夜THE STRANGEST CASE OF DR. HENRY MONTAGUE (仮題:ヘンリー・モンタギュー博士の一番奇妙な事件)

クリーピーパスタ2はこんな本!第16夜THE STRANGEST CASE OF DR. HENRY MONTAGUE (仮題:ヘンリー・モンタギュー博士の一番奇妙な事件)

第16夜
THE STRANGEST CASE OF DR. HENRY MONTAGUE (仮題:ヘンリー・モンタギュー博士の一番奇妙な事件)
作者:The Right Hand of Doom
〈ストーリー〉
モンタギュー博士は、大きな実験装置を研究所に残したまま逃げ出そうとしていた。長い年月をかけて完成したその実験装置は、本来は天空をのぞき、宇宙を占うためのものだったが、予期せぬ結果を引き起

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クリーピーパスタ2はこんな本!第15夜I COULDN’T AFFORD A TATTO, SO I FOUND SOMEONE WHO WOULD DO IT FOR FREE (仮題:タトゥーを入れるお金がなかった僕が、タダで入れてくれる人を見つけた件)

クリーピーパスタ2はこんな本!第15夜I COULDN’T AFFORD A TATTO, SO I FOUND SOMEONE WHO WOULD DO IT FOR FREE (仮題:タトゥーを入れるお金がなかった僕が、タダで入れてくれる人を見つけた件)

第15夜
I COULDN’T AFFORD A TATTO, SO I FOUND SOMEONE WHO WOULD DO IT FOR FREE (仮題:タトゥーを入れるお金がなかった僕が、タダで入れてくれる人を見つけた件)
作者:Leonard Petracci

〈ストーリー〉
僕は18歳になった記念にタトゥーを入れることにしたが、金がないため困っていた。そこへ、無料でタトゥーを入れてく

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