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死に滅んでゆくおれを最後まで見届けてくれるか?
「どうした、酔っ払って電話を掛けて来るなんて君らしくないじゃないか」
「……うぅ。おれが書かなくたって、世の中に小説はいっぱいある」
「え? ど、なに。急にそんなこと言うなよ! 僕は君のファンだぞ!」
僕が声を張り上げて宣言しても、電話越しの彼はズルズルと洟をすすっている。
「占い師と同じなんだ。彼女らは、占いをすればするほど当たらない恥ずかしい瞬間を世間に見られる可能性が高まる。そもそも占いな
わたしたちは似ている。
目の前の同僚男は、瀟洒なカフェで、フルーツティーのポットの底に沈むブルーベリーを、緩慢な動きで取ろうとしていた。
「昔は、人に優しくされたり良くしてもらうと『自分にはそんな価値はないのに』と思って、ものすごく申し訳なく思ってたな」
わたしは残りわずかになった抹茶ラテの表面を、ストローで撫で続けている。
「分かるよ。自分のために相手が頑張ってるのを見ると、自分は人に負担を与える存在なんだと考えた
大人と子供に平等な犯罪を考えている兄弟の話
時々思うのだ。大人が罪を犯すより、未成年者が犯罪行為に手を染める方が簡単じゃないか? と。
だって、酒を飲んだだけで違法になれる。子供はやっちゃいけないことだらけで、ちょっとでも大人にしか許されないことをしたら、それだけで御用だ。
……ということを、16歳の弟に言ったら、ひどく叱られた。
「お前はなあ! 高校生が酒を買うことのハードルの高さを分かってない。コンビニ店員ってすぐ、『身分証の提示
昼寝で見た夢のやつ。蛍のイベント
昼寝の夢は妙だ。
地元の川に蛍を呼ぶイベントの計画があることを3ヶ月ほど前に知った。テレビ局が主催だが、ほとんどの人は知らなくて、一部の熱心な人や関係者以外気にもとめていない。わたしはそのイベントを異常に待ち望んでいた。
夏が近づき、わたしは蛍を楽しみに毎日を過ごしていた。
区内に蛍が住んでいる川があるのは知っていた。地元の川は一級河川で橋桁から5mはあるし、蛍が住むような場所ではないが、区内に
枕辺探偵事務所の鍛錬記録〜クリスマスイブのQRコード合戦〜
「おい、弥山。事件だ」
そう言って枕辺さんは、デスクチェアに座ったまま、汚い床を蹴った。
キャスターがゴロゴロと音を立てて、冴えない名探偵を運んでくる。その右手には、何やら薄いものが握られている気がした。
「……ちょっと、きょうは予定があるので、事件は無しでいいですか?」
「ダメだ、ふざけんな。きのうの失態を忘れたわけじゃねえだろ? お前にはキビシ~イ鍛錬が必要だ」
僕はうっと言葉に詰まる。
#いいねの数だけ自キャラを振り返る2021
ツイッターのハッシュタグがあったので、書き出してみました。
おかげさまでたくさんのいいねをいただけて、全部紹介できます。
ほとんど没作です。
以上です。
ほんとはもっとというか、かなり没作があるのですが、プロットがっちり作ったのにキャラ名をつける前に没にしたものが多くて、振り返ることもできず。
ごめんな、名無したち。dropboxの中で安らかに眠ってくれ。
12月現在、書き途中の数作でざっと
あの赤い板について(•ಲ•ʔ⋚⋚)و
かごの中から見える世界は、八畳半の部屋の半分にも満たない。でも、僕にとってはそれで十分だし、さして見たいものもない気がする。
元はと言えば、外の世界から来たはずなのだった。
どこかの国で生まれて空輸されて、ペットショップのガラスケースの中に並べられて、そして赤ちゃん時代の旬を過ぎ、生後六カ月という殺処分ギリギリのところで、珍妙な人間に飼われた。
そういう経緯は知っているものの、記憶にはない
微熱は悪魔の魔具である
絶対に休めない日の朝に、風邪を引いたかもしれないと思ったとき、人は何をするだろうか。
薬を飲む、冷却シートを貼る、ねぎを首に巻く……。
色々あると思うけれど、僕は、『熱があると信じないように、何度も計る』だと思う。
要するに、三十六度台が表示されるまで、何度も計り続けるのだ。
完全に挟まないように少し浮かせてみたり、うちわで顔をあおいでから計ってみたり、あとは、犬のように舌を出して口から