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ミシェル・フーコー監獄の誕生

2021/4/25

学校や会社は、監獄が元になって設計されたシステムである。
= 刑務所が元になって学校や会社が作られた。

監獄のシステムが社会の一部としての個人を管理するのに有用だと権力者が気付いた。権力者は、監獄のシステムを社会(学校・会社)に転用した。

そのなれのはてが、監視し合う現代社会である。

監獄の歴史〜罪と罰の変遷

1)罪は、王様への反逆である。

王様の権威を回復する目的のため、罪人を見世物として残酷な公開処刑をした。

2)罪は、社会への反逆である。

王様の権威を回復する目的
→ 社会を乱した処罰へ変化

罪人の公共土木での労働は、社会の利益に貢献する効果がある。

罪人の身体を効率的に利用するので、経済的である(処刑では経済的価値は生まれない)

罪人に社会貢献の意識を植えつける

罪人の労働が人目に触れることで、人々の犯罪抑止の見せしめの効果が得られる

3)罪は、社会の反逆である。

罪人の " 意識を、変革させること " によって、更生させるという目的
→ 罪人の " 身体を、管理し、改革すること " によって、無意識レベルでの更正・服従へと変化

罪人の身体・行動を管理し教育する。それにより、社会に適用するように更生する。

しかし、実際には再犯率は高い。それは、監獄がうまく機能していないのではない。

監獄の本質は、罪人の更生ではない。罪か否か、社会的正常か異常かの分別での結果である。

社会的正常:権力者にとって、都合の良いルール

教育の時点

罪人には、罪を犯した後では、教育の効果がないことが、再犯率が高い理由である。罪人が、罪を犯すのは、個人的思想の結果である。

だから、罪を犯す前に、教育する必要がある。個人的思想が確立する以前に、社会的正常な教育する必要がある。

監獄を転用

身体を管理し、社会的正常な教育を施すことで、無意識レベルで服従する個人を育成する。

代替が利く社会の歯車としての個人を量産する。量産された我々個人は、無意識レベルまで刷り込まれた社会的正常に沿って行動している。

ディシプリン

ディシプリンとは、身体を管理することにより、従順な個人(機械)を作り出す技術である。規律・訓練によって、個人の身体を管理することで自動的に精神を支配しようとする。権力者の新しい統治の方法である。

【具体的なイメージ】
一部の屈強を身体の持つ人を兵士にするのではない。
→ 個人の身体を管理することで、一般人を兵士に改造する。

ディシプリンの内容

[1]人間を空間に入れ所属すべき場所に配置
[2]時間割に従わせ行動を管理
[3]年齢やレベルに応じた段階的教育
[4]歯車人間を量産
[5]歯車人間による効率的な社会

人間を1つの完成品としではなく部品として作りあげる。
・部品なので代替え可能である。
・命令の内容や意図の理解は不要である。
・命令通りに機械のように動けばいい。

ディシプリンのポイント

[1]監視
管理者によって、ルールを遵守しているか監視される。
[2]制裁
ルールを外れたら制裁を受ける。制裁とは、訓練という名のもとに、何度も同じことを反復させられる。
[3]試験
個人情報が管理され、レベルや成績によって区分け配置される。「人より上にあがらなければいけない」という価値観を植え付けられる。

ディシプリンの象徴

ディシプリンという監理システムの象徴が、パノプティコンという監獄

【パノプティコン】
「監視される罪人」は常に見られ、「監視する刑務官」は、姿を消し罪人からは見えない。

パノプティコン

画像引用元:ダイヤモンドオンライン
https://diamond.jp/articles/-/102656

権力を自動的なものにし、権力を没個人化する。管理者が監視しなくても、個人が監視されていると感じてルールに従う。

[1]視線の内面化
[2]自分の行動制限
[3]自分の視線と他人の視線が同質化する
[4]自分の視線の消滅

パノプティコンは、一般化が可能な作用モデルである学校、軍隊、病院、工場、会社、一般人、国民全員に適用できる。


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