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ふる里のゼロ地下で

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エルトポ、寺山修司、ガレージパンク、カルトGS、シュールレアリスム好きな方と交流したいです。
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#現代詩

キーポン!キーポン!ジャストキーポン!

「キーポンロッキン!」
こう言われて何のことか、 
思いあたらない人もおりますまい。

甘いだけのグルーヴには、もう、うんざり!

え?ノンノンノン、
「昭和」なんてもう古い。 
え、なに?「大正」?
古い古い! 
俺たちは新しい明日に向かって走るのさ。

そう、「平成」さ!

「平成」こそが俺たちの時代。
ニューロックの幕開けってわけ。  

ヘイヘイそこのベイビー、うつむいてなん

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「いぐどわ」の同時性

 権太郎おごそか。
「おえもぎえでいーがらそろそどわいぐどわ」
 冷たいオレンジジュースに囁く。
「ごえもいぐどわさって、だぺした」

 新首都である津軽都(ツガルミヤコ)から来た記者はインタビューにならず、肩をすくめている。ちょっとカッコつけた彼は、
「憂鬱な午後はセメダインで出来ている」
と確実に感じていた。
 
 山々に抱かれたこの古民家で行われている、暗く、下らなく、血なまぐさい人間ドラマ

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天国行ったらなんと居酒屋

鍋の湯気の向こうには懐かしい顔が並んでいた。
みんな笑顔で、中には生前見たこと無いくらいに顔がほころんでいる奴もいた。
座敷の遥か彼方では、滝をバックに金色のオーケストラが演歌のインストゥルメンタルを荘厳に奏でてていた。

便所に行ったら、俺の好きなグリーンアップルの芳香剤が使ってあった。
便器から「カニシテー、カニシテー」と低い声がたくさん聞こえてきていたが、 あれは多分地獄からのものD

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B♭→D

1 
きのう君が見たという夢の木に、
「果実はなっていたかい?」なんて、
学者ぶってたずねても 
俺らの関係、何ら進展はない。 
でも君の夢の木にもし、
果実が豊かに実っていたとしたら  
それはきっと   
俺らを笑っていることだろうな。

2
「ある意味で、」と前置きすれば 
世の中のたいがいのことは言えてしまう。
君は俺、俺は君を何とかしながら、
毎日というはるか昔生まれた
馬鹿デカイ敵と闘

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Merroven

 朝、耳から血が吹きだす音で目がさめた。案の定メルロベンの葉っぱがまた庭で絶叫しているので、「そこまで無理しなくてもいいよ」と言いに行ったらなんとゲルリロが生ぬるい趣味の集いを開くついでに殺人事件まがいの果物ナイフでグサグサしていた。

 いっそのこと引っ越してしまおうかと思ったが、遷都するのも面倒だしなぁ。とりあえずグースカ立ったまま死んでいるビッグ蛙ママの腹の縫い痕に手を突っ込んで何か無いかな

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ジ・エンド

 空気の中に塵があり、それが淡い、儚い感じで漂っている時に
 「ピンポーン」って鳴ってお客さんが来た。

 「コロッケ5個だけどすぐできる?」って、
 こちとら近所の肉屋だから大チャンスだ。
 でもそんなチャンス、君にも掴めるはずさ。ショーケース世界に手を伸ばして御覧。ううん、そこには無いよ、もっと右。ポテトサラダ方面3スパゲティーサラダ方面7だよ。

 昼のラジオのお姉さんの声が仏間を通って聞こ

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十月はまぁまぁだ

 ニセの季節はつまらない、いつか買ったカップを見てる。肩口から入ったアドヴァイスが、心臓で弾丸に変わる。「約束が違う」と詰め寄ると、アンチクショウめ、空き瓶に変わって風に吹かれて転がってった。それから元号が2回変わった。

 そんなこんなで遊んでいると、結び目の顔をした彼女はもう、サイレンと一緒に遠くへ引っ越した後のまつりだった。
「ビデオの中の鏡の中の雑誌の中のお便りの中で誕生会をする家を訪ねる

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レコードを聴きながら

 もう一生会うことはないであろう田舎の叔父貴のスコップには、遠い昔に俺がつけた傷が今も残ってるはずで、刑事さんそれで、俺の無実が証明されるはずなんだが。

 たき火の向こうにニセの案内所が見えるだろうが、そこに行って訊いてくれ。
「道順はこのラジオが丁寧に説明してくれるはず」と、渡そうとしたら、豆腐みたいにグズグズ崩れやがって。

 アンテナだけが手のひらに残る。

 不快感と残念感いっぱいの俺を

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ゲジロック

ゲジロックの弟ゲジゲジロックが
キミドリ色のチビッ子達を引き連れて
町へやってきました。

殺されてしまった兄の敵を討つために
メガホン片手にドクガス散布や
マシンガンでの一斉攻撃が 始まります。

町中ガイコツだらけになったけど
一口サイズでチョコ味なので
子ども達はポリポリおやつ代わりです。

大喜びで万歳しながらスキップです。
中にはオシッコしてる子や
落書きに夢中になって

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サトキ・キヌマサに関する40年

どしゃ降りのラーメン屋で
希望という名のナルトをさがして40年 
サトキ

彼はサトキでありまたキヌマサでもあった
三面記事の行間で立ち止まる

ふる里行きのバスを待つ間
サトキ・キヌマサはしっかりと胸に刻む
「俺は、人間嫌いだ」と

日本晴れの酒をのみほしてため息ひとつ
捨てられたムードをまとう 
サトキ

記憶が始まってからずっと
そうさ彼はサトキ、
サトキ・キヌマサ

明日を鼻で笑って、

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家庭のココロエ

ほうれん草のお浸しA軍が
怒りの交響楽と共に
全てのお茶の間をアルトラ暴力で
超破壊しに やってきた。

キンモクセイの香りの強大な力Bにより
周辺のトイレは全て吹き飛ばされてしまい
軽自動車のハンドルにぎりながら 、
俺と俺の排泄物との悶絶格闘していた日々。

上記の事に関連してかは分からないが、
首だけのソフビ怪獣Cに
息子が「うんこザウルス」という
名前をハッキリと付けた。

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ほめる

 大した事無い、或いは、興味の無い事を言っている相手を褒めるのは立場上しょうがないが、幽体離脱し少し上空から見ると、気持ち悪いほど我が身がカッコ悪いですね。

 その時はもう十中八九、社会で生きていくうえでは欠かせない「悲しいニヤニヤ」という表情をしている。

 ふと思い出すのが、
「アルバム『かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう』1969年
 発表作品」
ということわざであるが、よく考えると

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くぁいそう

可哀そうに嫌味に消極的
彼女
わざとらしく奥手と言う事で、
ショー極的とも言われ、
リス化してしまったとも聞く
花開いてしまった場所が悪いのか

残念ながら場違いに積極的

急に出てくるものだから、
ヌッ極的とも言われ、
ストー化してしまったとも聞く
好きで発現したわけでもあるまいに

でも、花は花ということで
どうせ泥の河を渡るにせよ
少し陽の射すほう

そう、逃げて行けば良いのだ

そしてそ

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