工藤順平

職業、ソムリエ。 食卓に彩りを、食で未来をもっと明るく。

工藤順平

職業、ソムリエ。 食卓に彩りを、食で未来をもっと明るく。

記事一覧

固定された記事

【食文化の継承は食の安全に繋がる】

私はソムリエを生業としている為、味覚のスペシャリストだと思われることが多いですが 、自分では特に味覚が人より優れているとは思っていません。 しかし、「味わう」こ…

工藤順平
4年前
32

【 想像力と創造力 】

最近、偶然見たテレビ番組で著名な経営者の方が仰っていた「Purposeパーパス」という言葉が頭の中から離れずにいます。 ビジネスにおいて、会社および企業の存在意義を意…

工藤順平
2年前
6

【日常にサステナブルな取り組みを】

今年は124年ぶりに2月2日が節分でした。豆まきのイメージが強い節分ですが、本来は季節の分かれ目を意味し年4回(立春、立夏、立秋、立冬の前日)あったようです。 昔は、こ…

工藤順平
3年前
12

【食の喜び、レストランでの愉しみ】

テーブルマナーと聞くと、堅苦しいイメージを抱いてしまうのはなぜでしょう? おそらく、典礼などの正式な場における、儀式的なルールや作法が思い浮かび、食事そのものが…

工藤順平
3年前
20

【資格は自覚、ソムリエバッジを外して気がついたサービスマンの心得】

私がソムリエになったのは11年前。「資格取得はゴールではなくスタートである」という言葉をよく聞きますが、当時の私は正にそれを実感し妙な焦りを覚えていました。 ソム…

工藤順平
3年前
31

【ワインの熟成と飲み頃は、至高、嗜好、志向?】

ワインも人も、時の経過とともに変化してゆくものだということは、以前にも記しました。 https://note.com/jp_kudo1985/n/n76e3a26be099 では、実際にワインの「熟成」と…

工藤順平
3年前
12

【味蕾(みらい)を意識して未来を楽しく】

ワインは完成されてからも尚、時間が経過することで「熟成」され、味わいはより奥深いものへと変化していきます。 それがワインの最大の魅力と言っても過言ではありません…

工藤順平
3年前
6

【気候風土と食の関係性とは】

ワインの世界では「テロワール」という言葉がよく使われていますが、これは原料となる ブドウが栽培される畑の気象条件、土壌、地形など、取り巻くすべての自然環境を意味…

工藤順平
3年前
22

【旬を食すということ】

梅雨。。。 この時期は気圧の変化によって体調を崩してしまう方も多いのではないでしょうか。 原因の一つとして、まず自律神経の乱れが挙げられます。 自律神経とは、交…

工藤順平
3年前
6

【「食べる」の、その先にあるもの】

近年の食生活における課題を挙げると、栄養の偏りや不規則な食事などによる肥満を始め、さらにはそれらが原因となる生活習慣病の増加、また行き過ぎたダイエットなどの低栄…

工藤順平
4年前
19
【食文化の継承は食の安全に繋がる】

【食文化の継承は食の安全に繋がる】

私はソムリエを生業としている為、味覚のスペシャリストだと思われることが多いですが 、自分では特に味覚が人より優れているとは思っていません。

しかし、「味わう」ことが大切な仕事の1つでもありますので、現在味覚を維持するために心掛けていることは、「食品添加物を意識して見極める」ということです。

私は幼少時代、両親の意向でいわゆる「ファストフード」はほとんど口にした記憶はありませんし、学生時代の野

もっとみる
【 想像力と創造力 】

【 想像力と創造力 】

最近、偶然見たテレビ番組で著名な経営者の方が仰っていた「Purposeパーパス」という言葉が頭の中から離れずにいます。

ビジネスにおいて、会社および企業の存在意義を意味する用語だと認識していますが、

これからはそうした「組織」だけではなく「個人」にこそ当てはまる時代になっていくのでは?というような内容だったと思います。

私の職業は「ソムリエ」です。
強く憧れを抱いた若き時代に想像したソムリエ

もっとみる
【日常にサステナブルな取り組みを】

【日常にサステナブルな取り組みを】

今年は124年ぶりに2月2日が節分でした。豆まきのイメージが強い節分ですが、本来は季節の分かれ目を意味し年4回(立春、立夏、立秋、立冬の前日)あったようです。

昔は、こうした季節の分かれ目には邪気が入りやすいと考えられており、その邪気を祓う行事として、豆まきが今に受け継がれています。

節目や季節 それぞれの「旬」を大切にする日本の誇らしい文化ですね。

しかしここ数年、毎年話題になるのは、同じ

もっとみる
【食の喜び、レストランでの愉しみ】

【食の喜び、レストランでの愉しみ】

テーブルマナーと聞くと、堅苦しいイメージを抱いてしまうのはなぜでしょう?

おそらく、典礼などの正式な場における、儀式的なルールや作法が思い浮かび、食事そのものが楽しくなくなるから、かもしれません。

しかし、レストランや普段の食事においてのマナーとは、そのような難しいものでは決してありません。

周囲に不快感を与えず、エレガントに食事を遂行するための常識、つまり「気遣い」です。

食事が進む中で

もっとみる
【資格は自覚、ソムリエバッジを外して気がついたサービスマンの心得】

【資格は自覚、ソムリエバッジを外して気がついたサービスマンの心得】

私がソムリエになったのは11年前。「資格取得はゴールではなくスタートである」という言葉をよく聞きますが、当時の私は正にそれを実感し妙な焦りを覚えていました。

ソムリエバッジは手にすることができたけれど、これで本当に「ソムリエ」と名乗っていいのだろうか?という感覚に陥りました。

ソムリエ試験の範囲には「ワインと料理の相性」の知識も当然求められます。

しかし、教本に登場するそれぞれの郷土料理とワ

もっとみる
【ワインの熟成と飲み頃は、至高、嗜好、志向?】

【ワインの熟成と飲み頃は、至高、嗜好、志向?】

ワインも人も、時の経過とともに変化してゆくものだということは、以前にも記しました。

https://note.com/jp_kudo1985/n/n76e3a26be099

では、実際にワインの「熟成」とはどのような変化がもたらされるのでしょうか?

ワインの液体は、基本的には全てブドウの果汁です。造る際に、仕込み水を用いることはありません。それが、ワインは生鮮食品と並べて考えられる所以でもあ

もっとみる
【味蕾(みらい)を意識して未来を楽しく】

【味蕾(みらい)を意識して未来を楽しく】

ワインは完成されてからも尚、時間が経過することで「熟成」され、味わいはより奥深いものへと変化していきます。

それがワインの最大の魅力と言っても過言ではありません。

我々人間もまた、年齢を重ねるごとに円熟味が増していきますが、それは外見に限った話ではなく「味覚」も当然変化していきます。

味覚には大きく分類すると、甘み、酸味、塩味、苦み、旨味の五味が挙げられますが、私たちは舌にある味蕾(みらい)

もっとみる
【気候風土と食の関係性とは】

【気候風土と食の関係性とは】

ワインの世界では「テロワール」という言葉がよく使われていますが、これは原料となる ブドウが栽培される畑の気象条件、土壌、地形など、取り巻くすべての自然環境を意味するもので、「気候風土」という言い方もできます。

そこには「人間の習慣」という文化的側面も含まれ、そこに住む人間の食生活や味覚嗜好も、その土地の風土、気候に大きく左右されるということは想像に難しくありません。

-------------

もっとみる
【旬を食すということ】

【旬を食すということ】

梅雨。。。
この時期は気圧の変化によって体調を崩してしまう方も多いのではないでしょうか。

原因の一つとして、まず自律神経の乱れが挙げられます。

自律神経とは、交感神経と副交感神経の2つに分かれますが、
交感神経は活動時に活発化するもので、副交感神経は休息時によく働くものです。

この時期は気圧が下がることによって、後者である副交感神経が優位になり、怠さや体調不良を感じることが多くなるようです。

もっとみる
【「食べる」の、その先にあるもの】

【「食べる」の、その先にあるもの】

近年の食生活における課題を挙げると、栄養の偏りや不規則な食事などによる肥満を始め、さらにはそれらが原因となる生活習慣病の増加、また行き過ぎたダイエットなどの低栄養傾向等の健康面での問題も無視できません。

その他にも、食の安全や信頼に関わる問題や、食料輸入の依存問題など、食環境は年々大きく変化していると言えます。

しかし、こうした状況下でも、一人一人が「食」に関する知識を身に付け、 健康的な食生

もっとみる