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【「食べる」の、その先にあるもの】

近年の食生活における課題を挙げると、栄養の偏りや不規則な食事などによる肥満を始め、さらにはそれらが原因となる生活習慣病の増加、また行き過ぎたダイエットなどの低栄養傾向等の健康面での問題も無視できません。

その他にも、食の安全や信頼に関わる問題や、食料輸入の依存問題など、食環境は年々大きく変化していると言えます。

しかし、こうした状況下でも、一人一人が「食」に関する知識を身に付け、 健康的な食生活を実践することに意識を置けば、おのずと心と身体の健康および、活き活きとした暮らしが実現できるのです。

つまり、「食べる力」とは「より豊かに生きる為の力」だということです。

そしてそこには、人間と動物の決定的かつ重要な違いがあります。

フランスの法律家でありながら、美食家としても名を馳せたブリヤ・サヴァランは「美味礼讃」(1825年)の中で、「食べる快楽」と「食卓の快楽 」をしっかり分けています。

食べる快楽は、飢えを満たす喜びで、これは人間も動物も同じですが、 食卓の快楽とは、食材選びやテーブルセッティング、場所、もの、誰と共にするか、などから生まれるものであり、この喜びは人間に限られるという考え方です。

飲食店の起源もまた、単に飢えを満たすだけのものではなく、 レストランという名詞は、1765年のパリにおいて、ブーランジェという人物がお客様に供した、元気を回復させるという意味のスープを「レストラン」と名付けたことが始まりと言われています。

現代に置き換えてみると、内食、外食および最近では中食の需要も多いでしょう。

いずれにも共通することとしては 、

命の恵みをいただくことに感謝すること、
愛情のこもった、それでいて栄養バランスのとれた料理の尊さ、美味しさを共有、共感することで
精神的、肉体的にもエネルギーが湧いてくること。

さらには、そこから生まれる会話、空間から食卓に笑顔が溢れる。ひいては日々の暮らしがもっともっと豊かになる。

これこそ、素晴らしい「食」の相乗効果です。

忘れられない食事の思い出を、たくさん増やしましょう。

             ※写真はイメージです。

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