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波紋
人は誰しも
水面に投げた石が波紋をつくり
最後は消えてしまうことを知っている。
波紋の大小、かたち
違いはあっても
最後は何事も無かったが如く
同化する。
けれど
人に投げられた石の先は
誰にも分からない。
波紋は取り込まれるのか
形を変えるのか
投げた人には分からない。
あなたがその瞳に写し
差し出すものに
私は涙する。
その瞳の奥に潜むあなたを
つまびらかにするあなたに
私は涙する。
あなたの強さに
私は涙し
洗われる。
もっと、もっと自分を解き放って
そんなに自分に言い聞かせないで
自分を慰めないで
自分は恵まれているとか、
自分は‥ 自分は
って‥
比べないで
そのままで
あるがままで
みんな違って
みんな同じだからね。
私の心の中にあるのは扉じゃない。
蓋だ。
時々、沸々とその存在を奥深くから知らせる。
でも、蓋は開けない。
誰にも開けさせない。
開けたらどうなる?
想像しかけて、やめる。
苦しくなんかない。
それが私だから。
たぶん死ぬまで、そうだ。
時々、沸々。
ああ、言葉が見つからない。
どんな言葉? どの言葉?
言葉を手繰り寄せ、ほんの一文でもあなたに届けられたらと。
だけど、たったのひと言が一瞬であなたの心を重くしてしまう事もあるんだよね。
見つからないから、寄り添う。
あなたはありがとうと言ってくれた。
言葉はいらなかったんだ。