疵物(きずもの)の価値
人間誰しも失敗はあるものだ。そして最も後悔しているのは本人なのである。いつまでも咎め立てをせず、新たにチャンスを与えれば、名誉挽回を期して全力で取り組むはずである。人は自分が信頼されていると感じたときほど、心に張りを覚えるときはないからである。
「一度誤りたる者に候故請に立ち申し候。誤一度もなきものはあぶなく候。」と言って、過去の失敗のため昇進が絶望的になっている人物を敢えて擁護し、失敗の経験があるからこそ、今後の働きに期待が持てると言い切ってはばからない度量の何と大きいことか。
将来ある若い人に対しては取り分け寛大でありたいものである
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