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地球儀と私(父との思い出)

幼稚園児の時から、地球儀をグルグル回して遊んでいた。
 
その時は、地理的なことなど深く考えずに、キレイな色の模様が描かれている丸いボールに魅了されていただけだったと思う。
 
やがて、小学生になり、北半球・南半球から始まり、アジア・オセアニア、ヨーロッパ、アフリカ、北米、中南米、南極と世界には様々な大陸があるということを知った。

 
最近は地球儀をあまり目にすることはないが、地球儀という言葉を聞くと亡き父との思い出がよみがえる
 
父親は、自身は海外に行ったことはないけど、歴史や外の世界に関心のある人で、自分が読んだ本の知識から、チンギスハンや三国志やフランス革命の話などよく聞かせてくれた。私が海外に関心を持つようになったのも、そこが原点だと思う
 
世界各国の首都当てクイズを出してきたり、生まれ変わるとしたら次はどこに生まれたいか、なんて地球儀をグルグル回して、指で止めて遊んでいた私にとことん付き合ってくれた。
 
海の向こうにはどんな人がいて、どんな景色があるのだろう、ひょっとして空気の味まで違うのではないか、なんて私のイマジネーションはどんどん膨らんでいった。
 

私の最初の「おもちゃ」だったともいえる地球儀は今どこにあるかわからない。あったとしても、その時から、ソビエト連邦も崩壊し、ドイツも統一され、地図が大きく変わってしまった。独立国も増えたし、首都を移転した国も多くある。
 
今は、インターネットで、世界地図から、その場所の様子もみることができるし、世界がより身近に感じられる。
それでも、地球儀は父との大切な思い出が詰まっているので、ネット上のどんな詳細な世界地図よりも特別な存在だ。

遠い世界に想いを馳せていたあの頃が懐かしい。
 
https://x.com/ATF_TOKYO
 

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