Jリーグ2022シーズンブレイク候補生大全
先日代表戦がありました。久しぶりに見るサッカーに楽しさを再確認した方も多かったのではないでしょうか(もちろん海外サッカーも見ている方は除く)。実は年末からリヴァプールの応援を始めまして、新鮮な雰囲気を楽しんでいます。そちらの方面で新たな人とも仲良くなれて、チャレンジしてよかったなという感じです。唯一のデメリットは次の日眠いってことです。僕はいつも24時ぐらいまでには寝るんですが、欧州サッカーがその時間までに終わることなんて今はほぼ無いんです。シーズン初めの方とかになればもうちょっと見やすくなるんでしょうが、今は次の日の授業が辛い日々です。そんな感じで本編やっていきます。
松井蓮之 (川崎フロンターレ)
大卒:法政大学
推定ポジション:アンカー
代表歴:U-23AFC選手権予選
法政大学から加入。大学サッカー界でも注目銘柄であったが、王者への加入を決めた。理想のプレーヤーには元川崎の守田英正を挙げており、同じように大卒でアンカーとしてブレイクすれば重なるものがある。力強いボール奪取、セカンドボールの回収、ゴール前への侵入などマルチにこなすことができてスタミナも豊富な為、攻守様々な場面で顔を出すことが出来る。川崎の大卒ルーキーはここ数年毎年ブレイクしている為にかかる重圧は大きいが、1年目から頭角を現すだけの実力はあると言える。更に加入が内定した昨年二月頃からは川崎でのプレーを見据え技術面のパワーアップにも注力。王者の一員としてトップリーグの舞台に殴り込みをかける。
樺山諒乃介 (横浜Fマリノス)
レンタルバック:モンテディオ山形
推定ポジション:左ウイング
代表歴:U-16,U-20
昨シーズン、高卒ルーキーとしては異例の開幕スタメンを掴んだトリコロールのホープ。シーズン途中に山形へとレンタルされ、16試合で2G2Aの成績。高卒としては良さげなプロ初年度を過ごした。そんな彼の最大の武器はご存知の通りドリブル。細かいタッチでボールを扱い、縦突破からのクロス、カットインからのシュート、両方の選択肢を持ち、局面局面で主導権を握ることができる。最終局面での精度には課題を残すものの、プロの水になれた今期にその特大のポテンシャルが爆発する可能性は十分。左ウイングでは昨季大ブレイクを遂げた吉尾海夏に注目が集まっているが、ポテンシャル的には同等かそれ以上のものがあると言っても過言ではないだろう。3年ぶりの王座奪還を期すトリコロールの左翼は、高卒二年目のドリブラーが担うかもしれない。
小林友希 (ヴィッセル神戸)
推定ポジション:CB
代表歴:U-17W杯,U-19AFC選手権,U-20W杯
神戸のユースが産んだ左利きのCB。上記の代表経歴からも分かる通り国際経験が豊富で、ユース年代から将来を渇望されてきた。高校三年時に本職ではない中盤の位置でデビューを果たし、2度のレンタルを経てリーグ戦43試合に出場。順調に経験を積み重ね、昨季神戸の街に帰還。フェルマーレンと菊池の壁を越えることは出来なかったものの、フェルマーレンの離脱時には堂々としたプレーを見せた。最大の強みは空中戦の強さで、FootballLabのPlayingStyle指標では16/20の高数値を記録。また足元の技術に優れ、加えてレフティということからビルドアップでも貢献できる。迎えた今シーズン、フェルマーレンが引退。開花の条件は出揃った。
関川郁万 (鹿島アントラーズ)
推定ポジション:CB
代表歴:U-17,U-20
流通経済大柏から加入したのは2019年。1年目はリーグ戦で出番なし、2年目で15試合に出場。そして三年目の昨季は勝負の年だったが、苦戦を強いられることに。8月終了時点でリーグ戦の出場数はたったの4。このまま終わってしまっても何ら不思議ではなかった。そんな彼を奮起させたのは、他でもない相馬監督。出番に恵まれない中、「腐るなよ」と声をかけ続けた。それを受け関川も発奮。自身の課題である集中力を見つめ直したことでミスが減少し、フィードを含めたボールの配給や空中戦の強さなどの武器を存分に発揮して終盤戦で9試合連続先発出場。レギュラーの座を掴み取った。迎える2022シーズン、新たに託された背番号は"5"。そうそうたるディフェンダーが背負ってきた常勝軍団の歴史と重みある番号を身にまとい、更なる絶対的な存在へと成長を期す。
藤井陽也 (名古屋グランパス)
推定ポジション:CB
代表歴:U-16,U-17
赤鯱のアカデミー育ちの長身CB。リーグ戦初出場の2019年ガンバ大阪戦での堂々としたパフォーマンスはサポーターに大きな驚きを与え、1年目からJ1で4試合出場。続く2年目、飛躍が期待されたが大きな期待とは裏腹に出場は僅かに一分。順調に登れていた階段で足が止まってしまった。勝負の3年目となる昨季は出場機会を増やし11試合に出場。が、未だ十分な活躍ができたとは言い難い。11試合に出場とは言ったが、実際に先発したのは2試合、リーグ戦は124分の出場。日本代表の中谷を間近で見て学び、守備に妥協を許さないマッシモフィッカデンティ前監督をして、「常に使いたいくらい評価している」と言わしめた事実が示すとおり、確かな実力はある。だが、それを示すだけのプレイタイムが用意されていないのだ。その影響もあってか経験不足を露呈する場面も散見。やはり残るピースは経験だけ…
迎えた2022シーズン、若手育成に定評のある長谷川健太氏が新監督に就任。覚醒の瞬間が訪れるかもしれない。
木原励 (浦和レッズ)
高卒:京都橘高校
推定ポジション:FW
高体連ナンバーワンストライカーと呼ばれた大器。スピード、フィジカル、体格とあらゆる要素を併せ持つ。その中でも1番の売りとなっているのが動き出しの部分。周囲の状況を確認し、ゴールへの最適解を選びとる能力に優れ、そのスタイルは元浦和の武藤雄樹を連想させる。初めての練習参加の際にはプロとの差を痛感するも徐々に順応し、スケールの大きさを感じさせた。そんな彼の仕事場である最前線は浦和の中で層が薄いポジション。エースであるユンカーとマルチな江坂、そして木原の三人のみ。純粋なFWとしてはユンカーと木原の二人のみとなっている。この強気な編成からも、木原に対するクラブからの期待の大きさが伺える。また、加入内定の際に西野TDが「力強さ、プロの激しさに慣れてもらえれば、時間がかからずに活躍してもらえるんじゃないかと思ってます」とコメントしており、こちらもやはりクラブの期待の大きさを裏づけている。近年優秀なレッズのフロントの事だ、確証も無しにルーキーに誤った見込みはしないはず。一年目からの活躍は必死か。
西川潤 (サガン鳥栖)
レンタル:セレッソ大阪
推定ポジション:
代表歴:U-17W杯,U-20W杯
バルサから視線を送られたこともあった未完の大器。U-20W杯の大舞台で飛び級招集、名門レヴァークーゼンの練習に参加するなど国際規格のキャリアを歩んできた。結果的にセレッソ大阪でプロ生活を開始、高卒初年度からプロ初ゴールをマーク。しかし飛躍が期待された昨季は伸び悩んだ感があり、22年は鳥栖へのレンタル移籍が決まった。もっとも、長所であるチャンスメイクは既にJでは通用するレベルにある。主戦場の右サイドに留まらず中央エリアにも入り込み、豊富なアイデアを左足で体現。行き詰まった攻撃に変化を加える事が出来る。昨シーズンもそんな一面が垣間見えることが少なくなかった。また主力級の選手が抜けた鳥栖であるが、中でもゲームメイクができる選手の放出は著しい。10番の樋口が鹿島へ、全試合出場の仙頭が名古屋へ、ベテランの梁が仙台へそれぞれ完全移籍、途中加入の白崎はレンタルバックした。もちろん補強を行っているとはいえ、西川の能力は重宝されることになるのではないか。彼が攻撃を舵取れる役割を与えられた時、未完だった器が完成するかもしれない。
前嶋洋太 (アビスパ福岡)
完全移籍:横浜FC
推定ポジション:RSB,RWB
昨季の最重要パーツだったサロモンソンの穴を埋める形で加入。前任者の重要度がチーム最大級だった為にかかる期待は非常に大きい。もとはサイドハーフの選手だったため、攻撃における破壊力は申し分無い。しかしタイプは微妙に異なる。サロモンソンがクロスだとすれば、前嶋はドリブルとクロスのハイブリッドだと表現すべき。特に前任者と比較した時に推進力が上回る。
深く切り込んでのマイナスのボールも得意としており、今までとは違った形で右サイドを活性化することだろう。昨季はチーム事情も苦しく守備に奔走する時間も長かったが、守備システムが整った新天地で前任者を超える大爆発を起こす可能性は少なくない。
紺野和也 (FC東京)
推定ポジション:サイドハーフ
代表歴:ユニバーシアード2019
昨季最終盤の広島戦で衝撃的なコントロールショットを叩き込んだ24歳。GKの位置を確認した上で、ループ気味かつ隅を打ち抜き、なおかつスピードも申し分ない完璧な一撃。プロ入り後は大怪我もあり苦しんだが、二年目のラストに覚醒を匂わせた。プレースタイルが由来となり、高校以降は常に○○のメッシと呼ばれてきた。そんな彼の特徴は、自慢の左足から繰り出す機知に富んだプレー、加えて最も自信を持つ小気味よいドリブルだ。細かいステップを織りまぜたり、持ち前のスピードも活かしつつゴールへと迫っていく。また守備の貢献度も高く、素早いプレスバックでチームを助ける。過去二年は厳しい時期が続いたが、今季東京に就任したアルベル監督の元で気合十分、「数字にこだわる」と宣言。名実共に、東京のメッシと成る。
田中宏武 (北海道コンサドーレ札幌)
大卒:立正大学
推定ポジション:左ウイングバック
近年1年目からのブレイクが続く札幌の大卒プレーヤーであるが、今オフも2人が加わった。一人は筑波大から加入の井川空、そしてもう1人が彼、田中宏武だ。既にルヴァンカップの舞台を経験しており、即戦力と言って差し支えない。3バックでの職場は左のウイングバック。最大の特徴であるアグレッシブなドリブルで相手守備網をかき乱す。自他ともに認める長所であり、そこの部分なら当然のようにJ1でも脅威となるだろう。他、両足が遜色なく使いこなせるのも大きな武器になる。走力にも優れ、サイドでタフに上下動を繰り返す。またプレーだけでなくメンタル面もタフであり、菅大輝、青木亮太などの実力者が揃うクラブへ入団したことなどからもそんな一面が伺える。そして彼から切っても切り離せないのは、最大のライバルと語る弟:田中渉(レノファ山口)の存在。先にJリーガーとなった弟に追いつく形で自身もプロの世界に突入。夢である直接対決に向け、北の大地で自分の居場所を確立させる。
川村拓夢 (サンフレッチェ広島)
レンタルバック:愛媛FC
推定ポジション:トップ下,ボランチ
代表歴:U-15,U-18,U-19,U-20
3シーズンにも渡るレンタルから復帰した紫の生え抜きMF。3バックならシャドー、ボランチのポジションでプレーすることが予想される。愛媛ではリーグ戦で77試合に出場。昨季は弱冠21歳で副キャプテンを務めるなど中心軸として活躍。中盤での起用がメインながら8ゴール3アシストを記録し得点力を発揮。配給力にも優れている為、ロングボールで局面を一気に変えることもできる。守備能力も平均的に高いため、攻撃偏重になる心配も要らない。ここまででも十分優秀だが、加えて183cmとサイズが大きく、レフティでもある。新たにスキッペ監督を迎えたサンフレッチェに、特大スケールの生え抜きが改革の旗手となるべく帰還した。
喜田陽 (セレッソ大阪)
推定ポジション:ボランチ
代表歴:U-16AFC選手権,U-17W杯,U-20W杯
育成年代から高い将来性を評価されてきた逸材ボランチ。U-15からは年代別代表の常連で、二度年代別W杯に出場。国際経験に富み、いつ大化けしても不思議ではない。またボランチを主戦場に守備的なポジションならどこでもこなすことができ、クルピ政権下ではサイドバックでの出場も多かった。もちろん長所は守備力で、的確なタックルやセカンドボールの回収には目を見張るものがある。それらが活きるのもポジショニングの良さが前提にあり、それはまた攻撃でも真価を発揮する。的確に位置取り、機を見た縦パスを供給していく。J1での出場機会には恵まれていなかったものの、小菊監督の元では出場機会が飛躍的に増加。今季はいきなり骨折という大怪我を負ってしまったものの、復帰後にチームの軸となっていくであろう要注目の存在だ。
中村仁郎 (ガンバ大阪)
昇格:ガンバ大阪ユース
推定ポジション:右サイドハーフ
代表歴:U-15,U-16,U-20,U-22(飛び級)
18歳ながら既にU-22日本代表に飛び級で選出されている逸材アタッカー。堂安律(PSV)以来史上二人目となる高校二年生でのJ1デビューを果たした。和製メッシとの呼び声もあるように、ドリブルには光るものがある。最大の武器である素早いシザースを駆使して相手をぶち抜く。代表戦でもカットインから左足を振り抜き得点を奪った。体格こそ小さいものの、それすら感じさせない程の破壊力がある選手だ。片野坂監督を招聘し再起を図るガンバ大阪。新たに作り上げられるチームの中心に中村仁郎はなれるだろうか。
山原怜音 (清水エスパルス)
大卒:筑波大学
推定ポジション:RSB,LSB,RSH,LSH
代表歴:ユニバーシアード2019,U-22
既に特別指定選手として五試合で経験を積んでいる有望サイドバック。2019年にはユニバーシアードに選ばれ金メダルを獲得。持ち前の攻撃力から、一列前での出場にも対応。左右両方のサイドで遜色なくプレーすることが出来るのも相まってマルチぶりが光る。ディフェンダーとしては小柄であるものの、持ち前の超人的なアジリティはそれを補う以上のもの。技術的にも優れたものがあり、シュートやクロスの精度は一級品。自分で仕掛ける際にも、推進力のある縦突破と切れ味鋭いカットインの両方が可能だ。とにかく攻撃時の破壊力が凄まじい。個人的には将来的にサイドハーフとして大成しそうだなと感じているが、どこで出場しようが得点へのパワーを全面に押し出すスタイルは相手の脅威となる。即戦力との期待を受けて臨む今季、一気に階段を駆け上がる可能性は十分だ。
佐々木雅士 (柏レイソル)
推定ポジション:GK
代表歴:U-16AFC選手権,U-17W杯,U-23
安心安全レイソルユース産のGK。もちろん逸材。世代別代表でも大きな大会に出場しており、高校2年時からトップチームに2種登録選手となっていた。そして満を持して昇格した昨季、3月のルヴァンカップでいきなりデビューを果たす。緊張するであろうプロ初戦だったが、「いつも通りに出来た」という強心臓ぶりが伺えるコメント。実際に柏にシーズン初のクリーンシートをもたらし、その後もルヴァンを中心に経験を積んだ。待ちに待ったリーグ戦のデビューは6/19に行われたサンフレッチェ広島戦。チームの不調もあり21本ものシュートが打ち込まれたにも関わらず、失点を"1"に抑える圧巻のプレーを披露。続く浦和戦、湘南戦でもセーブを連発。また左足での組み立てへの関与も得意としており、J1の舞台でも巧みにビルドアップに貢献した。期待を上回る活躍の一年目を経て、二年目での本格ブレイクを期す。
平岡大陽 (湘南ベルマーレ)
推定ポジション:インサイドハーフ,ボランチ
球際の激しさが光るハードワーカー。高卒1年目の昨季は監督交代後に主力級に成り上がった。ラスト10試合中7試合に先発出場すると、ボール奪取や豊富な運動量で中盤を活性化。また攻撃面にもセンスを感じさせた。相手の間でボールを引き出して、推進力のある運びやラストパスを供給。ゴール前に入っていくという意識も強く、リーグデビューから六試合目の札幌戦ではバイタルエリアに入り込んでリーグ戦初ゴールを奪った。しかしやはり1番の武器は球際で発揮される強さ、たくましさ、ガムシャラさだ。足を伸ばしてボールに食らいつき、刈り取っては自ら前線へボールを運んでいく。豊富なスタミナを持ち、チームの為に献身的に走り続ける。正に湘南スタイルに合致した選手であり、二年目の今期は田中聡ら新世代の選手達と共にベルマーレを引っ張る。
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