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セックス・アンド・ザ・シティは華やかに私を突き放すと思っていた|シングルの私に寄り添い、あたためてくれたエピソード

女性の生活を赤裸々に描いたドラマ・映画というと、何を思い浮かべるだろうか。

私にとって、そんな作品のひとつが「セックス・アンド・ザ・シティ」(Sex and the City)だ。言わずと知れた、ニューヨークに住む4人の女性たちの友情、恋愛、キャリア、ファッションなどが赤裸々に描写されたドラマである。(映画も作られたので映画でもある)

現在26歳の私は、今更ながら同作フィーバーの真っ最中だ。もちろんセックス・アンド・ザ・シティについては昔から知っていたのだが、なんともゴージャスでバブリーな雰囲気に気圧されていたのだ。

アッパーイーストで暮らす、ハイヒールラバーに感情移入なんてできないと思ってた

主人公のキャリーブラッドショーは、ニューヨークはマンハッタンのアッパーイーストに住んでいる。しかも、彼女の住む部屋は十分な広さがあり、大きなクローゼットまでついている。つまりは高級住宅街で、高い家賃を払って暮らしている(と想定される)のだ。

また、彼女は大の靴好きで知られ、ヒール、特にマノロブラニクの大ファンである。マノロブラニク、つまり高い靴が大好きで、実際たくさん持っているのだ(それが原因で家賃払えないかも騒動を起こしたこともある)

そして彼女たちは友人たちと、人気のバーやレストランに繰り出しており、ナイトライフも楽しんでいる。交際費もしっかり使っている印象を私たちに与えている彼女は、どう見てもゴージャスな高給取り。お金持ちがしっかりお金を使って楽しんでいるドラマに感情移入することはできないと思っていたのだ。

だが、ふらっと観たいくつかのエピソードに、すっかり心を奪われてしまったのだ。

確かにキャリーとその友人たちは華やかなライフスタイルで、ゴージャスな恋愛や交友関係を楽しんでいる。それは事実なのだが、彼女たちの孤独や葛藤、生きづらさなどもしっかり描かれているのだ。時として、共感に胸が痛んで映像を停止したくなるほどに。

ニューヨーク暮らしのファッショニスタで恋愛も友情も充実しているキャリーなんて、私との共通点は何もないだろうと思っていた。でも、女性の生きづらさやステータス・価値観の違いにより生まれる孤独感やジレンマは、きっと世界共通なのだ。

未婚で(シングルで)いろんな外圧を感じながらも、堂々と生きたい人へ、おすすめのエピソード


主人公キャリーのシューズ愛が炸裂している、ほろ苦いエピソードがこちら。シーズン6 エピソード9「女の特権、シューズマジック」

(2022年8月15日現在、U-NEXTで独占配信中なのでリンクをこちらに)

https://video.unext.jp/episode/SID0056447/ED00313634

概要をざっと説明するとこうだ。

キャリーが既婚で子持ちの友人宅で行われたパーティに向かうのだが、そこで大切な、買ったばかりのシューズを盗まれて(なくして)しまう。

だが主催者の友人は靴がなくなってしまったことを大事件として認識せず、むしろ靴に大枚をはたくキャリーを非難し、子供中心の自分の生活を「本当の人生」と言い切る。そんな中で彼女は、シングルの生きづらさに向き合い、自分の人生を考えていく。

既婚で子どものいる女性と、シングルライフを楽しみ、自由にお金を使えるキャリーの生活の違いや価値観の違いがはっきりと描かれており、どちらの価値観にも共感できる。

20代も半ばを越えた私には、既婚・パートナーと同棲中・実家暮らし・一人暮らし・ルームシェアなど様々なステータスの知人がおり、彼らの価値観は様々に異なっている。

年を経るにつれ、価値観を異としていく人もいれば、似てくる友人もおり、そこには寂しさや心強さを感じつつも、自分を鼓舞して生きていかねばならないと感じながら暮らしている。

そんな私の身勝手な寂しさを、このエピソードが静かに癒してくれ、私を肯定してくれたような気がする。


セックス・アンド・ザ・シティにまつわる私のnote


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