9.退職日に取りあえずイタリアへ出発!
私の退職は上司の強い要望により当面の間、2人だけの秘密となりました。
後任者の段取りを付けたりクライアントへネゴシエーションしたり、様子を見ながら役員や社長へ報告しようとしたのでしょう。
でも今になって考えてみると、もしかしたら私の気が変わっても大丈夫なように配慮してのことだったかもしれません。
私が円満退社できるように最後まで寄り添ってくれて、本当に良い上司だったと思います。
退職日が決まって航空券を買う
6月の終わりに退職を申し出たとき、上司の出した条件はしばらく内密にしておくこと以外にもう1つありました。
それは、後任者をリクルートして完全に仕事の引き継ぎをすること。
しかも通常業務との同時進行です。
リクルーティング会社への登録は会社の名前じゃないとできません。
夏が過ぎ私の退職も社内で公となったので、さっそくリクルート活動に入りました。
最終的に後任者が決まったのは12月末。
出社日は年明けからです。
充分な引き継ぎの時間を考慮し、会社的にもキリの良い3月末が退職日ということになりました。
今は卒業旅行シーズンが加味されてか、日本発着の航空運賃は3月から値段が上がり始めているようです。
でも2005年当時、ヨーロッパ便は4月に入ると高くなるという設定でした。
というわけで冬休み中に、3月31日に日本を出る航空券を購入。
とにかくこれでイタリア行き確定です。
断捨離して身軽になる
有給休暇が溜まっていたので、実質的な最後の出社日は2月末でした。
イタリアへ出発するまで1か月しかありません。
マンションの部屋を賃貸に出すことにしたので、とにかく片付けが大変でした。
要らないものは捨て、取っておきたいものは両親の家へ持っていきます。
ただ、そんなにたくさんのスペースがあるわけではないので、本当に多くのものを捨てました。
いわゆる断捨離。
後にも先にもこのときほどモノを捨てたことはありません。
洋服と靴はその最たるものです。
スーツもハイヒールも会社を辞めたので必要なし。
100着、100足とは言わないけれど、それに近い数があったのをほとんど捨ててしまいました。
私の中でまた会社員に戻るというイメージがまったくなかったのです。
それまで欲しいものは手あたり次第買っていたのですけど、この引っ越しで将来的にモノはあまり買わないようにしよう、ミニマルな暮らしを心がけようと思うようになりました。
最初のうちはせっかく買ったのに手放さなくてはいけないことが耐えがたく、次第に捨てる、捨てないの判断を下すのが面倒になっていきました。
最終的にはモノを手放すという感覚もマヒしてきて、熟考せずにバンバン捨てられるように。
モノへの執着を断ち切って、捨てて、そこから離れていく感じ。
これが断捨離効果なのでしょうか。
名実ともにこの引っ越しで、身の回りの全てがリセットされたように感じました。
さよなら、港区
港区役所に転出届を出しに行ったついでに、目の前にある増上寺でお参り。
会社もクライアントも港区にあったし、転職しての約2年間は港区内だけで生きていたようなものです。
お礼の気持ちを込めてお参りしました。
下町で生まれ育った私にとって、港区は憧れの地。
どこへ行くにも便利だし、有名スポットは多いし、夜景はきれいだし、本当に大好きな場所でした。
不動産会社と交わしたマンションの賃貸契約期間は4年間。
それまで港区に戻って来ることはないでしょう。
上の写真を撮ったときも、ものすごくセンチメンタルな気持ちだったのですけどね。
思っていたより早く舞い戻って来ることになりますが、その話はまた別の機会に。
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