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【読書感想#14】ルールなんて越えられる。伊坂ワールド全開の傑作小説。(ネタバレなし)

【概要】

作品名:重力ピエロ
著者:伊坂幸太郎
発行所:新潮社
発行年:2006年
頁数:485頁
ジャンル:ミステリ、家族

【あらすじ】

兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは――。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。

【評価】

4.5/5

【感想】

※ネタバレは含みませんのでご安心ください

本作は、第129回直木賞候補作にも選ばれた傑作長編ミステリ。
なんとも「伊坂幸太郎らしさ」全開の作品だった。
軽快で愉快なタッチ、機知に富んだ引用、爽快な伏線回収、一癖も二癖もある登場人物たち。実家のような安心感と、日本車のような安定感を感じさせた。

ミステリという枠組みの中に入る作品ではあるが、本作は紛れもなく家族小説である。
家族というつながりの脆さや、家族であるからこその強さの両方を感じさせる本作は、どことなく哀切も含まれていた。
その儚さとラストの怒涛の展開が合わさることで、凄まじい感動の渦を巻き起こしている。
伊坂幸太郎作品の中でも屈指の感動作品だ。

読んで絶対損はしない。
ぜひみなさんも読んでみてはいかがでしょうか。

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