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【読書感想#23】湖畔の愛/町田康(2018)【ネタバレなし】

【概要】

作品名:こはんのあい
著者:まちだやすし
発行所:新潮社
発行年:2018年3月
頁数:304頁(文庫本)
ジャンル:コメディ、恋愛、純文学

【あらすじ】

龍神が棲むという湖のほとりには、今日も一面、霧が立ちこめて。創業100年を迎えた老舗ホテルの雇われ支配人の新町、フロントの美女あっちゃん、雑用係スカ爺のもとにやってくるのは――。自分もなく他人もなく、生も死もなく、ただ笑いだけがそこにあった。響きわたる話芸に笑い死に寸前! 天変地異を呼びおこす笑劇恋愛小説。

【評価】

3/5

【感想】

※ネタバレは含みませんのでご安心ください

本作は、純文学界の異端児・町田康が描く抱腹絶倒の超絶恋愛コメディ。
瀟洒な湖畔のホテルの一風変わった従業員と、これまた一風変わった来客たちが創り出す、吉本新喜劇的笑いが町田康の独特な文体で紡がれていた。
いい意味で純文学っぽくない町田康の文章は、本作のために生み出されたものではないかと思えるほど自然に適合していた。

この小説は湖畔のホテルで働く新町という男を軸に三編の物語からなっている。
そのホテルには愉快なものたちが働き、愉快なものたちが来店し、愉快な出来事が次々と発生していく。
「純文学コメディ」というのは私自身経験のないジャンルだったので、まっさらな気持ちで読むことができ、それゆえの可笑しさがたまらなかった。 

純文学に対して、読みづらい、理解しづらい、と苦手意識を持つ方もいらっしゃると思う。
しかし、本作はそれがよりマイルドに笑いに溢れた内容になっているので、とても満足のできる作品となっている。

ぜひみなさんも読んでみてはいかがでしょうか。

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