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おわりと始まり

2024年になった。社会でいろんなことが起きている。時代が変動していることを肌で感じる。通念などは、自分たちの意識しない間に形を変え、意識した瞬間には別のものへと変わってしまう。

これまで私はずっと殻に閉じこもっていた。目を塞いでいた。気がつくと私は取り残されていて、誰もなにも来ないし聞こえない。どういう時にどう感じ、どう表現したいのか。いろんな雑音にかき消され、理性と感情のバランスを欠いていた。自分という柱を立てた気になっては、やっぱりダメだのくりかえしであった。合間に光を感じる瞬間はあっても、自分がどういう存在なのかがわからない故、なにがどうなっていたのかさえわからなかった。

でもそのたびに音楽や本、何よりも言葉に支えられていた。私がほっとするのは、人と話している時よりもずっとひとりの時間にあった。活字の中に、賛同者や解答者がいるような。そんな気がして、それを生み出した人々を知りたくなった。本や音楽、言葉、それだけを見れば、ものであるのかもしれないけど、それを作り出しているのはなによりも人である。どんな体験や経験を通して、こんなすてきな表現に繋げているのだろう。凍った心が温度を感じられるようになった時、隣にはいつも表現者たちが残してくれたものに救われ、支えられていた。

表現されているものや人に支えられていた。でもやっぱり人間だから、いちばん近しい人に自分を理解してほしいという気持ちを諦めることはできなかった。というより私がしていたことは、人に自分を理解してほしいという名を借りた、本当の私と向き合うことから逃げていただけだった。目の前にある超えたはずの、幾度もなく襲ってくる幻想の壁に辟易して。そんな壁はどこにもなくて、ただ自分で作り出しただけだというのに。なにかを奪われたような気がして、奪われたのだという証明をしたくて、私といういちばん向き合うべき相手から逃げていた。他者のことを考えた風に見せることだけが上手くなっているだけで、本当は相手のことなんて考えていない。自分がいちばんかわいい。相手に刺激される傷は、相手がつけたものだから、相手が悪いのだと思い込んでいたのだろう。自由を履き違え、こちらを見てくれている目の前の相手の心の機微を見逃していた。

でももうそれも終わりなのだ。なぜなら、すべては自分次第でどうにでもなると気がついたから。そう気がつくと、なにもかも一掃したい気持ちになった。まずはモノを捨てまくった。ありがとうと別れを告げて。その次に思考の整理をした。noteを書きながら、静かに心の声を聞き続けた。そこから自分は本当はなにを大切にして生きていきたいのかをゆっくり内観するようになった。どんな人々に囲まれ、どういう場所、環境で生きていきたいのか。そう考えていくと自然に、囲まれたくないモノや人、環境も明確になっていった。

いろんな感情の動きがあって、今わたしは一度死んだような感覚になっている。決して変な意味とかではなく、第二章がはじまるような、自分という存在が本来あるべき、いくべき場所にいくための準備が整ったような。

そう思う中で、今こうして自分がこの場所にいるのは、自分ひとりの力ではないと強く思う。どんなときも公平な目で私を見つめてくれていた家族。昨年祖母の死を経験し、故人の口からは語られることがなかった事実を知った。だれかの犠牲の上で家族が成り立つことに対する無力感。幼い頃からそう感じていた自分との決別。

わたしがここに存在しているのは、そうしてでも命をつないでくれた祖母をはじめ、生まれたときからこの世にはいなかった祖父。以降の先祖の人たちの存在があるからこそ、今わたしはここに存在できているのだということ。少し大袈裟かもしれないけど、今はいない人々の結晶として私が存在しているのだということ。だから、私の生きたいと思う人生を生きねばと強く思うのだ。バトンを繋いでくれた、現在の走者はこの私である。もう会えないけれど、亡くなった祖母は私に強く生きろ、お前はどう生きていきたいのかと問われているような感覚になったのは確かである。

上に行くまでの数十年、行ったときに胸を張ってゴールテープが切れるような、大満足であった、私に生まれることができてよかったと心から思えるような、そんな未来の自分に恥じぬよう生きていきたい。お墓参りはもちろん大切だけれど、今はなんとなく、本当に行きたいと思う方向へ人生の舵を切ることがいちばんの供養になるのではないかと思っている。

2024年からは新たなはじまりになるのだと思う。ほんとうの声に耳を傾けながら、なにひとつ取りこぼさぬよう、一歩一歩着実に進んでいく。自分の選んだ道を自分のものさしで正解にしていく。他者のものさしはいらない。いろんなものやことを刷新する。表面上でなぞるように物事を捉えない。奥底にある心を見る。見えないことを大切にし生きていく。

最後に2024年の抱負を書いて終わりたい。

・直感を信じる
・心の声をいちばん大切にする
・他人の意見に惑わされない
・自分に戻れる時間を定期的に作る
・距離感を大切にする
・頭ではなく心でみる
・日々丁寧に生きる


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