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記事一覧

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さいきん、雨がなかなか降らないなって少し心配していたから、外から雨の音が聞こえてきて少し…

お茶
1年前
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新宿の雪

 新宿の路地裏。サラリーマンの胸ぐらを掴んで突き飛ばす。 しばちゃんが倒れたサラリーマン…

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君がそれを諦めないからだよ

「人から叩かれるなら、小説家にならないほうがいいんじゃないか」 少し前にこんな言葉をTwit…

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夜涼みの缶ビール

考えごとをしていて、いつもどおり散歩へ出た。療養期間が明けて久しぶりに吸い込んだ夏の空気…

kaoru
2年前
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雲が夏の顔をしていたので

「なんか……夏の匂いしませんか」 後ろを歩く人が呟いた。声にはほんのりと、ためらいの色が…

翠 はるか
2年前
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【詩】出発の季節

使う言葉が偏ってきたら そろそろ出発の季節だ 雨降って地固まる 雨音にざあざあと雑音が入…

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凪と嵐

過不足なく整う 凪の海のような心地は すっきりと世間と馴染んで 人は 「分け隔てない人だ」 と、褒めてくれるが 僕はそれを訝しむ 強情で勝負好きで 人と自分を比べてばかり それが通常運転だから 嵐の海に散々なぶられる 船のような心地は 疑心暗鬼と自虐を連れて めちゃくちゃに心を貫く どっちも僕なのだ 凪の海も嵐の海も どちらも僕 否定しあっても 傷は詩に昇華され 凪は人と心を通わせる 僕は強欲だから 凪も嵐も手放したくない

ゆるせない

対話について考えたり、対話的な方法で解決してゆくと、断定的な表現が減り、複雑な状況を抱え…

反省エンターテインメント

「上達とは何か?」について考えている。 エチュード。それは、技術の精度を高める訓練。工夫…

小説はただ書かれたまま、そこにある。

直木賞を受賞された米澤穂信さんがこんなことをつぶやいていた。 撃ち抜かれてしまった。 +…

野やぎ
2年前
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ああ、そうか。書けなくなるのは、きっと代わり映えのない日常で生きてるからなんだ。

書ける。自分は書けるはずなんだ。 そんな呪文をぶつぶつ唱えても、いざキーボードに指を乗せ…

自分の文章を信じるということ

晴れた日に屋外で味わう冷たいコーヒー。子どもたちが寝たあとの静寂と読書。葛藤や焦燥の先に…

Mica
2年前
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弱くてもいいが、甘えるべきではない

ある日、駅の待合室で急に息苦しくなり、座っていた椅子から転げて地面に倒れた。 酸素が吸え…

ピロリ
3年前
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鏡の世界

あの頃まで、ぼくは、怒りは価値観の違いによって生まれるものだと思っていた。 * 学生時代、バーでアルバイトをしていた。そこでお酒の知識や氷の扱い方を学んだ。カクテルの世界に魅了されたのはもう少し後の話で、その頃はカウンター越しに様々な世代、職業のお客さんの話を聴けることがただただ楽しかった。 アルバイトはぼくの他にもう一人、同年代の男の子がいた。便宜上、Aと呼ぶ。Aは、どこかぼんやりとしていて、ところどころ抜けていた。大事な話を聴いていなかったり、約束を忘れたりする。そ