【詩】出発の季節
使う言葉が偏ってきたら そろそろ出発の季節だ
雨降って地固まる 雨音にざあざあと雑音が入る
赤信号ばかり続く日は 立ち止まり三十秒
ただスニーカーの紐を見て
砂嵐の日は 目をつむり百二十秒
Yシャツの裾を握って通り過ぎるのを待って
真夜中を走り出して
そのまま帰ってこないつもりだった
青色光を浴びすぎて
どこまでがリアルか分からなくなった
断片的な詩に頼りはじめたら
そろそろ出発の季節だ
意図的に切り取った角度が
ただの格好つけに見える
壁は壊さずに 周り道して ただやり過ごして
タイヤの痕 わたしの生きた証
逆走だったけど コースには残って
人に勧められた映画を観れるようになった
知らぬ間に大人になっていた
泥んこの手で蟹をつかまえた
頼んだアイスコーヒー 置き去りにして
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