見出し画像

凪と嵐

過不足なく整う
凪の海のような心地は
すっきりと世間と馴染んで
人は
「分け隔てない人だ」
と、褒めてくれるが

僕はそれを訝しむ
強情で勝負好きで
人と自分を比べてばかり
それが通常運転だから

嵐の海に散々なぶられる
船のような心地は
疑心暗鬼と自虐を連れて
めちゃくちゃに心を貫く

どっちも僕なのだ
凪の海も嵐の海も
どちらも僕
否定しあっても

傷は詩に昇華され
凪は人と心を通わせる

僕は強欲だから
凪も嵐も手放したくない

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?