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エッセイぽいもの

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ちっぽけでも、伝えたいことがあって書いてる文章です
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#エッセイ

16歳の自分が30歳の自分に書いた恥ずかしい手紙

16歳の自分が30歳の自分に書いた恥ずかしい手紙

昨日は母校に行って高校1年生のときのクラスメイトと会い、「30歳の自分へ」というタイムカプセルのような手紙を回収してきた。母校へ向かう電車の中では、一刻も早く葬り去りたい気持ちをそのままnoteに書いた。

学校で受け取ったその“手紙”は、ルーズリーフの1ページを半分に切り取り、封筒風に折り畳んだものだった。友達に見られるのが恥ずかしくて怖くて、その場では開けられなかった。

ようやく手紙を読んだ

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たのしく生きることの凄さと尊さに気づいたとき

たのしく生きることの凄さと尊さに気づいたとき

こんなことを自分で書くのは気恥ずかしいのだけど、少し前に、わたしのことを「いつも楽しそうなところがいいと思う」と言ってくれた人がいた。

自分としては、「いつも」は楽しくないのだけど、他者からはそう見えるのだろうか。誰かといるときはうれしくて楽しくなりがちだから、その人の前でだけ、いつも楽しそうに見えるのかもしれない。それでも、自分が楽しそうに見えるということを素直にうれしく思った。

数年前、と

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「おいしかった」の記憶をつくるもの

「おいしかった」の記憶をつくるもの

久しぶりに外食しておいしいご飯を食べた日、ふと人生で一番おいしかったものって何だろう?と考えてみた。

数分くらい考え込んで思い浮かんだのは、数年前、父と、自分が付き合ってる彼と行ったお蕎麦屋さんで食べた「白子の天ぷら」だった。

これまで白子ポン酢は食べたことあったし大好きなのだけど、天ぷらで食べるのは生まれて初めて。熱々でとろっとしていて、感動するほどおいしかった。自分の中では、今のところこれ

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自分の名前について

自分の名前について

わたしはTwitterやnoteのアカウントの名前を、本名のひらがな表記にしている。ペンネームを使わず本名にしたのは、自分自身で勝負したいと思ったのと、憧れの大森靖子さんも本名で活動してるし、という単純なものだった。ひらがな表記にした理由も単純で、みうらじゅんさんが好きだから。みうらさんがひらがな表記にしたのも、吉田拓郎さんが前に「よしだたくろう」名義で活動していたからというのを何かで読んだことが

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さん付け問題

さん付け問題

2月11日放送の『問わず語りの神田伯山』で、伯山さんが「以前の放送で米山隆一さんのことを呼び捨てにしたら、さん付けしろとネットで怒られた」という話をしていた。(それがメインのトークテーマだった訳じゃないのだけど。)

わたしは、誰かが誰かを呼び捨てにしてても、たとえ自分がとても好きで尊敬する人が呼び捨てされてても全く気にならない。ただ、それとは全く別のところで「むしろ、いろんな人をさん付けしてる自

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good weather

good weather

カフェラテを飲んでちょっと気持ち悪くなった話を前のnoteに書いたけど、今日も今日とて懲りずにスタバにきた。

昨日のことをふまえて、一応スターバックスラテは避け、アーモンドラテを注文。ぜんぜん、大丈夫だった。気持ち悪くなんてないし、いつも通りおいしかった。

仕事のスケジュールがいろいろと後ろ倒しになっていて、特に重めの仕事に押しつぶされそうな気持ちでパソコンに向かう。全く消化しきれず、ずらりと

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渋谷駅で待ち合わせ

渋谷で会うときの待ち合わせは、だいたいハチ公前。ただハチ公像の近くは人混みがすごくて見つけにくいから、自分が先に着いたときは「緑の電車の前にいます!」と伝えて待つようにしていた。

でもあの緑色の車両のモニュメントは、いつの間にかなくなっていた(去年秋田に移設されたらしい)。「ご時世」だから、しばらく渋谷で待ち合わせすることもなくて、今年になって久しぶりに渋谷駅で待ち合わせして気づいた。

緑の電

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新しい世界を見たいより見せたい

新しい世界を見たいより見せたい

いつかの伯山カレンというテレビ番組内。どんな恋人が理想かみたいなトークテーマで、神田伯山さんが滝沢カレンさんに「今の相手1人(=自分)としか付き合ったことない男性は、(恋人や結婚相手として)どう思いますか?」という趣旨の質問をする場面があった。

そこで滝川カレンさんが言った言葉、「こっちが新しい世界を見たいのに、なんで私が新しい世界見せなきゃいけないんだって思っちゃう」みたいな答えが、すごく好き

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あの人だからできる、わたしだからできる

あの人だからできる、わたしだからできる

以前、飲み会の席かなにかで、誰かの功績について「〇〇さんだからできたんですよ〜」という言葉を聞いた。ちょっとめんどくさい、と思われるかもしれないし自分でも思うのだけど、わたしは、この表現が苦手だ。

「〇〇さんだからできたんですよ」という言葉の後に「自分にはきっとできません」というニュアンスを勝手に汲み取ってしまう。褒め言葉として使われてるとわかっていても、特別な才覚があったから成功できたんでしょ

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ひとり泣きと、わたしかわいそう泣きの話

ひとり泣きと、わたしかわいそう泣きの話

比較的、よく泣く。ヒューマンドラマや映画を見て、ひとりでボロ泣きするのが割と好きだ。

少しひねくれてるから、「日本中が涙した」みたいに最初から泣かせにかかってくる作品は、あまり好きじゃないけど。

作品を見て存分に泣くのはクセになっていて、ひとり旅行の飛行機でも、ボロ泣きしてしまうから困る。学生のときに飛行機で『ベイマックス』を見て、隣の席の人に気づかれてたかもな、と思うくらいには号泣した。

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『三国駅』を聴いて思い出す人のこと

『三国駅』を聴いて思い出す人のこと

特定の曲を聴くと、思い浮かぶ人がいる。

Spotifyでaikoの三国駅を聴いていたら、なかなか会えずにいる友達を思い出した。実際に見たこともないのに、ふと、歌詞に出てくるボーリング場を思い浮かべてみたりする。



その友達と出会ったのは大学生の冬で、とある農園で2週間くらいの農協体験をさせてもらったときだった。彼女はそこで農業をしていて、わたしより少し年上で、初めて会ったときは25

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感情の振れ幅

感情の振れ幅

わかりやすく喜んだり悲しんだり怒ったりする性格だと自負しているものの、感情に揺さぶられるのが嫌だなぁと思うことがよくある。

悲しみを増やしたくない気持ちがあって、嬉しいことがあったときも、ちょっと慎重になる。バカみたいに喜んじゃうんだけど、うかつに喜んで後から悲しまないで済むように、どこかで悲しみの準備をしている。

好きな人に優しくされたときに「調子に乗らないでおこう」って、口にきゅっと力を入

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SNSに書くことがわからない問題

SNSに書くことがわからない問題

昔から今日までずっと、SNS、主にTwitterに何を書いていいのかわからなくて、困っている。

今のTwitterアカウントは仕事用に作ったもので、「ライターの仕事したいなら、発信できた方がいいよなぁ」と思って、2年くらい前にアカウントを作った。でも、実際は全然使いこなせてない。

ザ・有益情報とまではいかずとも、誰かのためになったり、面白いことを発信できる人に憧れる。でも、それすらも苦手かつ

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作品に宿る「気配」の話

作品に宿る「気配」の話

1年ほど前、YouTubeか何かで椎名林檎さんと西加奈子さんが対談している番組を見た。対談のなかで西さんは、小説について「気配」という言葉を使った。

そして、

“小説には見えている文字だけじゃない「気配」というのがあって、それをもらいなが読むもの”

という話をされていた。

この「気配」という言葉が、すとんと胸に落ちた。わたしが言いたかったのはその言葉だ、と思った。その対談で西さんが伝えたか

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