感情の振れ幅
わかりやすく喜んだり悲しんだり怒ったりする性格だと自負しているものの、感情に揺さぶられるのが嫌だなぁと思うことがよくある。
悲しみを増やしたくない気持ちがあって、嬉しいことがあったときも、ちょっと慎重になる。バカみたいに喜んじゃうんだけど、うかつに喜んで後から悲しまないで済むように、どこかで悲しみの準備をしている。
好きな人に優しくされたときに「調子に乗らないでおこう」って、口にきゅっと力を入れるような感じかもしれない。
振り子みたいに、大きな幸せが悲しみになって戻ってくるんじゃないかと怖がっているから、好きな人を好きになりすぎるのも、嬉しかったことをSNSで報告するのにも抵抗がある。
「幸せになるのが怖い」という言葉に「考えすぎ」って思う人は多いのかもしれないけど、そうはいっても、幸せや喜びが強いほど、それを失ったりしたときの悲しみが深くなるのは本当だと思う。
大きな幸せや喜びを享受するときには、その分の悲しみやら辛さやら、感情の振れ幅をも引き受ける覚悟が必要なのかもしれない。
やっぱり不幸でいることよりも幸せになろうとする方がよっぽど難しくて尊くて、かっこいい。それをわかってても、それでもビビって距離をおいて、幸せでも不幸でもないフリしてやり過ごそうとしている人生。
なんてつらつら書いておきながら、結局、嬉しいときは素直に喜んじゃうし、うまくいかないときは悲しみに耽るんだよね。感情の振れ幅からは逃れられない運命。
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