(私なりの)語学上達法

大学1年のとき、Bertrand Russellの“What I believe”という本を新宿南口の紀伊國屋書店で買いました。

当時は学問を本格的にやるんだと意気込んでいたので、意地になって読み切りました。

今思えば、もっと有名な著作に挑んでもよかったかもしれません。

しかしながら、個人的に読破した洋書は後にも先にもその1冊だけなので貴重な経験です。

ラッセルの冷静で合理的な思考に触れたことは、今でも糧になっています。

 

大学2年のときには、Arthur Rimbaud(アルチュール・ランボー)の«Une saison en enfer»(『地獄の季節』)の訳出を試みました。

使用したランボーの詩集は、同じく紀伊國屋で買ったものです。

結局、途中で断念したのですが、なるべく原文の語句を活かしつつ自然な日本語になるよう心血を注いだ結果、だいぶ仏文和訳に慣れました。

それ以前は、不自然な日本語になっても、あまり気にしていませんでした。

『地獄の季節』には、«MAUVAIS SANG»(「悪い血」)という節があります。

その4段落目の«ー Quel siècle à mains! ー Je n'aurai jamais ma main. Après, la domesticité même trop loin.»を、「-なんて世紀だ、手の世紀とは!- 私は自分の手など決して持つまい。そうなると、召使いの身分にさえ手が届かない」と訳したのは我ながら上手かったと思います。

ただし詩の場合は、論理的な文章とは違い、訳が合っているのか確信が持てないことも多いのが難点です。

 

フランス語に関しては、もっとヒアリングと語彙を頑張ればよかったと心残りです。

和訳や仏訳は嫌でもやらされるのですが、ヒアリングと語彙は、自分で意識的に向上させないといけませんね。

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