ものを丁寧に扱う 優しく扱う とは思っていても 習慣にある身体がそれを許さないとき 気づいたらキキーッ、バタッ、ドン! などと 粗雑な音は世界を緊張させる …
初夏の御岳山。繁茂した緑が眩しい。 野鳥がどこかで鳴いている。 羽虫が耳元で羽ばたく。 清流は涼やかに下り、微風は青葉を揺らす。 純粋な営みとしての音が生き生きとし…
夜は衣をまとう 妖しく翻る青のドレスを あらゆる内言を惹きつける力 日毎美しい示唆を与えてくれるのは 煌びやかな星々や艶やかな月光ではなく 実はあの底知れ…
巨人の大腿のような幹 地面深く屹立し、枝葉を空に躍らせている 庭園の一隅に風格あり その佇まいに圧倒されて思わず触れたくなった 亀甲状の肌と、ごつごつと…
詩を書こうとした 大切な人のことを だけど、それは詩を衒った何かで 思考するほど逃げていった だから諦める 今は 言葉に表せないものを 言葉にしてしまうのは とい…
5月初旬。日が沈んで空は群青になる。 日中の火照りから冷めた風がさらさらと肌を撫でる。 駅から自宅まではおよそ2キロの桜並木通り。 花びらはとうに散って、青葉…
スコール。この語感に惹かれる。透き通った激しさがある。刹那的で思いがけない展開を孕んでいるような、胸を浮かせる高揚感がある。急激な突風や驟雨のことをいうが、語…
NOGUCHI
2024年6月8日 09:30
ものを丁寧に扱う 優しく扱う とは思っていても習慣にある身体がそれを許さないとき気づいたらキキーッ、バタッ、ドン! などと粗雑な音は世界を緊張させる 無垢な何かを警戒させるそうではなく もの音を優しく響かせる 心地良い挨拶のように 美しい打楽器のように世界に柔和に溶け込ませるどうだろう そんな感じでものと接し、もの事に向かうのは奏でるつまるところ人間に対して
2024年6月4日 23:30
初夏の御岳山。繁茂した緑が眩しい。野鳥がどこかで鳴いている。羽虫が耳元で羽ばたく。清流は涼やかに下り、微風は青葉を揺らす。純粋な営みとしての音が生き生きとして、全てが澄んでいる。自然の摂理に浸る最中、言葉はいらない。ここでは沈黙こそ語れる気がする。ある人は情緒と云った。また、ある人は詩心と表現した。大自然の共通言語はそのようなものらしい。例えば、人々は祈りを捧げる。詩をつく
2024年5月15日 23:35
夜は衣をまとう 妖しく翻る青のドレスを あらゆる内言を惹きつける力日毎美しい示唆を与えてくれるのは 煌びやかな星々や艶やかな月光ではなく実はあの底知れぬ深い夜との抱擁ではないか
2024年5月13日 16:14
巨人の大腿のような幹地面深く屹立し、枝葉を空に躍らせている 庭園の一隅に風格あり その佇まいに圧倒されて思わず触れたくなった亀甲状の肌と、ごつごつとした威厳 けれど素朴な親しみ生命と生命が相対するとき
2024年5月9日 20:37
詩を書こうとした大切な人のことをだけど、それは詩を衒った何かで思考するほど逃げていっただから諦める 今は言葉に表せないものを言葉にしてしまうのはという、言い訳よ
2024年5月6日 20:50
5月初旬。日が沈んで空は群青になる。日中の火照りから冷めた風がさらさらと肌を撫でる。 駅から自宅まではおよそ2キロの桜並木通り。 花びらはとうに散って、青葉が瑞々しい。仕事を終えた週末。心地良い脱力感とともに無防備に身体を晒している時間が好きだ。夜の闇が自身の姿を見えにくくし、束の間、急き立てられる日常を忘れさせてくれる。それは現実からの逃避よりも根源的な楽観を 思い出させて
2024年5月5日 20:49
スコール。この語感に惹かれる。透き通った激しさがある。刹那的で思いがけない展開を孕んでいるような、胸を浮かせる高揚感がある。急激な突風や驟雨のことをいうが、語源は北欧、古スカンジナビア語「叫び」の意味をもつskvalaに関連するといわれている。「叫び」。大声をあげる、ある意見を強く主張するといった意味である。聴覚的な印象をもつが、一方で無言の叫びというものもある。これは、無言、つまり聴覚への訴え