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初夏の情緒
5月初旬。日が沈んで空は群青になる。
日中の火照りから冷めた風がさらさらと肌を撫でる。
駅から自宅まではおよそ2キロの桜並木通り。
花びらはとうに散って、青葉が瑞々しい。
仕事を終えた週末。
心地良い脱力感とともに
無防備に身体を晒している時間が好きだ。
夜の闇が自身の姿を見えにくくし、束の間、
急き立てられる日常を忘れさせてくれる。
それは現実からの逃避よりも根源的な楽観を
思い出させてくれる。
此処にただ存在しているという確かさ、懐かしさ、嬉しさ。
今、一歩一歩、歩みを進めることが生きている全てで、その静かな躍動が何とも言えない孤独な響きとともに安堵で満たしてくれるのだ。
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