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「島やのに魚が食えん」問題

「漁師がぐんと減った。この頃は島やのに魚が食えん」

先日、島のコミュニティセンターでの会合で島民からこんな発言があった。

私もかねてから同じようなことを感じていた。現状、島の現役漁師はわずかで、島での魚のやり取りはもっぱら釣りが趣味の島民の「お裾分け」である。なお魚を買えるような商店や鮮魚店は島にはない。もちろん都市部に比べれば魚をいただく機会は多いのだろうが、これは島内でも地域差が大きい。

またおっちゃんとは言うものの、そのほとんどが70歳以上、ないしはアラウンド70歳である。つまり、私自身もずっとお裾分けをいただけるわけではないのだ。

昔は漁協もあるほど漁師がいたらしいし、よくも悪くも漁師VS石屋(島は石材の産地でした)なんていう構図が繰り広げられるほど漁業が盛んだったそうだ。だからこそ、古くから島にいる島民にとって魚はきっと「ありふれた」存在だったのであろう。

しかし、今は違う。魚の存在は日増しに遠のいていく。産業の衰退と言うとあまりにも大きな事象のように思えてくるが、今回の「島やのに魚が食えん」はその事象を端的に表しているように思う。

もちろん島に漁業を始めたいという移住者が現れればいいのだが、漁業は農業よりもはるかに参入障壁が高い。そして一般の私には知りえない海ならではのルールがあるらしい。その一端を知れば知るほどほど、漁業は家系的な職業もしくは組織に入らないとできない仕事なんだなと思えてくる。過疎化はその家系がなくなること同義である。

私はまだ釣りの技術を磨いていないが、そろそろ島民からもらった竿の錆を落とすくらいは始めた方が良いのかもしれない。

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岸からでもメバルやガシラなんかは釣れるわけですが、やはり漁師さんや船を持っている島民が沖から釣ってくる魚は大きかったり種類も違ったりするわけで。

海はずっとそこにありますが、食卓から魚は遠のいているようです。

というわけで、本日はこれにて。
ご清読ありがとうございました。

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